科目名[英文名]
野生動物保全学   [Wildlife Conservation]
区分   選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 2  開講時期 後学期 
授業形態 後学期  時間割番号 01RN2263
責任教員 [ローマ字表記]
梶 光一   [KAJI Koichi]
所属 農学部 研究室   メールアドレス

概要
本講義では、野生動物の保全と管理の世界と日本の歴史、理論と施策の現状および課題に関する基礎的な知識と理解を得る。それを踏まえ、いくつかの野生動物管理にかかわる具体的な事例を取り上げ、問題点の所在を明らかにし、解決のための視点を身につけることを目標とする。持続的狩猟が果たす社会的な役割について学ぶ。
到達基準
(1)野生動物管理のための制度を理解できている。
(2)野生動物管理のための基礎的な個体群生態学の理論を理解できている。
(3)生命表を記述できている。
授業内容
第1回 野生動物管理小史(世界):ヨーロッパや北米の野生動物管理の歴史を概観する。
第2回 野生動物管理小史(日本):鳥獣行政の歴史:狩猟を中心とした鳥獣行政の歴史を学び、この分野の現代的な課題についての理解を深める。
第3回 野生動物管理の近代 :カイバブ高原のシカKaibab deer とイエローストーンのエルクelkの管理の歴史を学ぶ  
第4回 野生動物の持続的利用:イノシシとニホンジカの持続的利用の現状と課題について学ぶ
第5回 個体群動態の基礎:指数成長モデルとロジスチィックモデル、内的自然増加率などの基礎概念を学ぶ  宿題:トナカイの増加率・倍加時間の計算   
第6回 モニタリング:野生動物の個体数推定の基礎を学ぶ    
第7回 個体数の変動:個体群調整による個体数の安定、変動と種内競争について学ぶ 
第8回 生命表:齢依存的な出生率と死亡率を持つ個体群解析としての生命表の基礎を学ぶ
第9回 生命表の実習:エクセルを用いて生命表を作成し、パラメーターの計算を行う。中間評価の課題  
第10回 ニホンジカの管理:ニホンジカの生息状況、軋轢の現状、管理方法 
第11回 イノシシの管理:イノシシの生息状況、軋轢の現状、管理方法
第12回 クマ類の管理:ヒグマ・ツキノワグマの生息状況、軋轢の現状、管理方法
第13回 外来種問題:外来種問題の概要と背景、制度、対策について学ぶ
第14回 小個体群の保全:野外における希少種の保全について学ぶ
第15回 総合討論 いくつかの班にわかれて、日本の野生動物の保全と管理についての課題と解策策について討論を行なう。
履修条件・関連項目
動物社会生態学、動物生態学
テキスト・教科書
参考書
『野生動物管理のための狩猟学』 梶・伊吾田・鈴木編 朝倉書店
『野生動物管理-理論と技術-』羽山伸一・三浦慎悟・梶光一・鈴木正嗣編 文永堂出版  
成績評価の方法
出席2/3以上を必須とする。中間レポート(生命表作成)40点、定期試験(後半の講義7-15回)60点
教員から一言
野生動物の減り過ぎや増え過ぎの問題を生態学的な理論と実際の現場での具体的な問題について把握し、問題点を分析して解決策を考える能力を身につけましょう。
キーワード
自然保護、野生動物管理、外来生物、希少種、合意形成、制度、順応的管理
オフィスアワー
メールで事前に連絡してください。 kkaji@cc.tuat.ac.jp
備考1
備考2
H25(2013) S 7% A24% B33% C20% D17%
H24(2012) S35% A25% B23% C10% D6%
参照ホームページ
http://www.tuat.ac.jp/~wildlife/
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2017/03/21 19:16:01