科目名[英文名]
動物福祉論   [Animal Welfare]
区分   選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 3  開講時期 後学期 
授業形態 後学期  時間割番号 01RN3273
責任教員 [ローマ字表記]
武田 庄平, 竹村 勇司, 鈴木 馨   [TAKEDA Shohei, TAKEMURA Yuji, SUZUKI Kaoru]
所属 農学部 研究室   メールアドレス

概要
動物福祉という概念は、ともすると動物を使った人に対する福祉であると誤解されやすい。また、動物福祉は動物の権利論とも混同されやすいが、動物福祉においては必ずしも権利を認めている訳ではない。そのような前提でもなおかつ、我々は飼育下の生き物に対して福祉的配慮をもって接する義務がある。動物に対する福祉的配慮について、従来あまりその対象とされてこなかった野生動物から、家畜、実験動物、家庭動物、動物園動物までの動物を対象としたそれぞれの福祉についての講義を通して、動物に対する福祉のありかたについて理解を深めていきたい。
到達基準
飼育下動物に対する福祉のあり方は、その種類によって一様ではないことと、それぞれの動物によって異なる福祉の具体的ありようについて、それぞれに考えることができる。
授業内容
第1回目(10/6):武田(全体説明)

各担当者ごとの講義内容は以下の通りです。

武田(第2回〜5回;10/13・20・27・11/3)(動物園動物における動物福祉)動物園で飼育展示されている動物は野生由来であるにもかかわらず、極めて人工的な環境で飼育されていることが多い。動物にとって重要なのは、人が見て自然ぽく見える環境で飼育されることではなく、本来有している行動をおこなえることが保障された環境が提供されることである。このような環境の実現と動物園の有する社会的機能との関係性を探る。
 1.西洋と東洋における動物観・生命観の違い、動物園の成立、動物園の機能
 2.飼育下での動物の生活の質(QOL)の保証のための環境エンリッチメント

竹 村(第6回〜9回;11/17・24・12/1・8)(家畜における動物福祉)家畜の福祉状態を科学的に評価する方法、国内外における家畜福祉の歴史的背景、現状と問題点、今後の課題等についての講義を通して、動物福祉に配慮し、家畜の生産から消費までをどのように築いていったらよいか、自分自身の考えを持てるようになることを目指す。
 1.思想と歴史的背景
 2.福祉畜産:動物福祉に配慮した家畜の生産と消費
 3.家畜種別の問題点とその改善方法
 4.福祉状態を知るための科学的方法

鈴 木(第10回〜13回;12/15・22・1/5・19)(実験動物・野生動物・家庭動物における動物福祉)実験動物・野生動物・家庭動物の人間社会における位置づけや、実験動物・野生動物・家庭動物の特性を理解し、それらの福祉実現のための知識を習得する。さらに正しい動物実験と適切な動物の安楽死について学ぶ。
 1.実験動物の位置づけ、特性、福祉
 2.野生動物の位置づけ、特性、福祉
 3.家庭動物の位置づけ、特性、福祉
 4.動物実験、動物の安楽死

予備日:1/26
試験日:2/2
履修条件・関連項目
テキスト・教科書
教科書:「動物福祉の現在」(上野・武田 編)農林統計出版
参考書
担当教員ごとに必要に応じて随時参考文献を紹介する。
成績評価の方法
出席点30%と期末試験70%との総合点でつける。ただし、出席回数が10回未満の場合は期末試験受験資格なしとする。
教員から一言
3名の担当教員がそれぞれの担当分野についての講義を行います。分野によっては興味がないものもあるかもしれませんが、全体を通じて部分を理解することは大切なことなので、それぞれの分野に対して興味があってもなくても全体を通して講義に参加して下さい。
キーワード
家畜、家庭動物、実験動物、動物園動物、野生動物、生活の質(QOL)、生理、行動、環境エンリッチメント、心理的幸福
オフィスアワー
武田:メールで連絡;takeda@cc.tuat.ac.jp、竹村:メールで連絡;takemura@cc.tuat.ac.jp、鈴木:メールで連絡;kaoru@cc.tuat.ac.jp
備考1
備考2
参照ホームページ
武田:http://www.tuat.ac.jp/~hikaku/takeda/index.html、鈴木: http://web.tuat.ac.jp/~fswild/ および http://web.tuat.ac.jp/~fscenter/
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2017/07/19 14:51:22