科目名[英文名]
歴史学   [History]
区分 全学共通教育科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 14  開講時期 前学期 
授業形態 前学期  時間割番号 020006
責任教員 [ローマ字表記]
中込 律子   [NAKAGOMI Ritsuko]
所属 農学府 研究室   メールアドレス

概要
歴史学は,「過去の現実」がどのように変化したか,その絡まり合う要因を解析しながら動態的に考えて行くこと学問です。理系の学生も歴史学を通して社会的思考を身につけることができるでしょう。本年度は日本中世史,鎌倉時代を採り上げます。鎌倉時代は,「武士の時代」というイメージでとらえられていますが,実際は,政治権力も社会的勢力も多元化しており,国家や社会のあり方は現代とは全く異なります。ところが,現代人は無意識に現代をモデルとして過去に対する固定観念を作り出しがちです。この講義では,政治権力のあり方の他,地方社会・都市の変化,あるいは貨幣経済の進展,対外関係,法と裁判,社会と宗教の関係など,多角的に分析・解説します。現代人の想像を超える鎌倉時代の社会を知ることを通して,現代を考える目を培いましょう。
到達基準
(1)鎌倉時代の政治・社会・経済などの基本的事項について相互に関連するものとして理解する。
(2)鎌倉時代を素材に政治・社会の多様性を知り,現代を相対化する論理的思考を身につける。
(3)鎌倉時代に関する誤った通念を改め、同時に歴史は後世の人間により歪曲されやすいことを理解する。
授業内容
第1回 鎌倉時代の位置 ―近世・近代の「平安・鎌倉時代像」
第2回 鎌倉幕府前史(1)平安時代の武士
第3回 鎌倉幕府の成立(1)治承・寿永の内乱
第4回 鎌倉幕府の成立(2)鎌倉幕府の成立はいつ?
第5回 鎌倉幕府の支配システム
第6回 朝廷の動向(1)鎌倉時代の朝廷は?
第7回 朝廷の動向(2)承久の乱以後
第8回 鎌倉幕府の御家人 ―鎌倉時代の武士 
第9回 鎌倉時代の訴訟制度 ―鎌倉時代人は裁判が好き
第10回 中世法の世界 ―法からわかる中世人の考え方
第11回 鎌倉時代の地方社会 ―荘園制下の農民
第12回 中国銭の流入と貨幣流通の進展
第13回 都市鎌倉
第14回 蒙古襲来とその影響
第15回 総括 
     試験期間に期末テストを行う

第8回以降は,順序を入れ替えたり,テーマを選択して詳論したりする場合がある。
質問ペーパー・講義後の質問は積極的に講義に取り入れる。
履修条件・関連項目
留学生については,漢字の読み書きを習得していない学生は,履修に困難を感ずるでしょう。ただし,意欲があれば単位を取得することは可能です。
テキスト・教科書
配布プリントによる講義
参考書
講義で指示する
成績評価の方法
成績評価は期末試験90%,講義時に配布した質問用紙への回答回数10%(質問への回答の内容は原則として採点対象外,興味深い指摘は加点する)。
期末試験は,自筆ノート・配布プリントのみ持ち込み可。
長文の論述形式で,各自の講義に対する理解度を判定します。プリント・関係書籍やダウンロードした資料の文章を筆写することは,厳禁。いかに理解したことを自分の表現で論理的に文章化できるかが判定ポイント。
過去2年の成績分布
2015 S 3%, A 7%,B 56%,C 8.5%,D 8.5%,E 17%
2016 S 7%, A 41%,B 21%,C 10%, D 4%,E 17%
教員から一言
皆さんを高校までの暗記日本史から解放したいと思っています。高校の歴史が嫌いだった学生や,日本史で受験しなかった学生を歓迎します。ただ,好奇心だけは必要です。当時の文献史料(読みやすいもの)の他,画像資料などを用いて解説するので,好奇心さえあれば,未知の世界に触れ視野を広げることができるでしょう。講義を主体的に聴いて疑問を持つことが重要なので,質問ペーパーに,鋭いor斬新な疑問を書いてくれることを期待します。
キーワード
鎌倉時代 武士 幕府 朝廷 御家人制 裁判と法 貨幣 荘園制 蒙古襲来
オフィスアワー
講義後の休憩時間に質問に応ずる。
備考1
配布プリントは,ファイリングし,毎回持参して下さい。前回以前配布のプリントを使用することがあります。
備考2
参照ホームページ
開講言語
語学学習科目
更新日付
2017/03/22 17:13:00