科目名[英文名]
哲学   [Philosophy]
区分 全学共通教育科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 34  開講時期 後学期 
授業形態 後学期  時間割番号 020058
責任教員 [ローマ字表記]
澤 佳成   [SAWA Yoshinari]
所属 農学部 研究室   メールアドレス

概要
「哲学ってどんな学問?」といわれても、なんだかぼやけた印象しかありませんよね。それもそのはず、哲学の学問対象は、時代とともにめくるめく変遷してきており、いまだひとつに定まっていないのですから。自然、宇宙、神、人間、社会、自由・・・。それは言い換えれば、哲学者たちが、時代の要請に応えて前の時代の思想を変化させ、次の時代にバトンタッチしてきたということなのです。そうした哲学の歴史的営為が新しい社会観、人間観、歴史観を築いてきたことによって、私たちは自由を享受できているのです。
そこで本講義では、「自由」と「疎外」に焦点を当てて哲学の面白さを探求します。そのうえで、現代社会の諸問題と哲学がいかに深く関係しているか考えたいと思います。
到達基準
1)哲学という学問の基本的特徴を理解する。
2)哲学的な概念が現代社会に大きな影響を与えている点を理解する。
3)受講生のみなさん一人ひとりが、自分なりの人間観・自然観・社会観を形成する機会とする。
授業内容
Ⅰ 人間とは何か(第1回〜第2回)
   1)【ガイダンス】人間の営みが育んだ哲学という学問
   2)人間とはいったいどんな存在なのか?

Ⅱ 自由とは何か(第3回〜第8回)
 1)人間は理性的存在か?(I.カント)
 2)人間の自由と尊厳(I.カント)
 3)自由主義の思想(J.S.ミル)
 4)ふたつの自由概念と自由からの逃走(E.フロム)
 5)自由からの逃走とポピュリズム(B.クリック)
 6)自由が抑圧へと転化する危険性(I.バーリン)

 ・【中間まとめ】(第9回)

Ⅲ 疎外とは何か(第10回〜第12回)
 1)J.ロックの人間観・労働観がもたらした意義と限界(J.ロック)
 2)働くことの意味と、生産物の持つ価値――疎外論の前提を探る(G.W.F.ヘーゲル)
 3)疎外概念の意味と変遷(ヘーゲルからK.マルクスへ)

Ⅳ 現代社会と哲学(第13回〜第14回)
1)物象化/物化とフェティシズム(K.マルクス)
2)日本の思想――小国主義(石橋湛山ほか)

・【最終まとめ】(第15回)
履修条件・関連項目
とくにありません。
テキスト・教科書
澤 佳成『人間学・自然学からの解剖――人間はひとりで生きてゆけるのか』梓出版社(2010)
参考書
講義の際、内容に関連する参考文献をその都度提示します。
成績評価の方法
コメントおよび出席状況(40点)、レポート(60点)
教員から一言
皆さんの積極的なご意見を期待します。そして、ぜひ一緒に哲学しましょう!
キーワード
哲学、自由、疎外、社会契約論
オフィスアワー
水曜10:30〜12:00
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2017/04/07 10:45:12