科目名[英文名] | |||||
無機化学基礎 [Basic Inorganic Chemistry] | |||||
区分 | 工学部専門科目等 | 選択必修 | 単位数 | 2 | |
対象学科等 | 対象年次 | 1~4 | 開講時期 | 前学期 | |
授業形態 | 前学期 | 時間割番号 | 021408 | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
銭 衛華 [QIAN Eika] | |||||
所属 | 生物システム応用科学府 | 研究室 | メールアドレス |
概要 |
原子の構造(原子の電子配置、軌道の概念・エネルギー準位)、結合生成及び反応性の周期性について基礎的な原理を学ぶ。また、原子の組み合わせに応じて多様な化学結合が生じ、これが形成した物質の分子構造と物質の性質(物質の形態、酸塩基性等)に密接に関係していることを代表的な無機化合物を学ぶ。 |
到達基準 |
化学工学技術者として、対象の本質を理解し、工学的課題を解決するための基礎となる能力を育成するため、無機化合物に関わる化学基礎をしっかり築き、原子および分子レベルの認識を確かなものとする。 |
授業内容 |
第1回 序論 ガイダンス、元素の起源、化学反応及び状態変化に伴うエンタルピー、自由エネルギー及びエンタルピーの変化、結合エネルギー、平衡。SI単位系。 第2回 原子の構造(1) 水素原子の構造 いくつかの量子力学の概念、粒子性、波動性、スペクトル、原子軌道、その種類及びエネルギー、量子数、貫入と遮蔽、有効核電荷。 第3回 原子の構造(2) 多電子原子の構造及び電子配置 電子配置原理(構成原理、フントの規則、パウリの排他原理)、各ブロック元素の特徴、原子半径、イオン半径、イオン化エンタルピー、電子付着エンタルピー(電気親和力)、電気陰性度、分極率。 第4回 分子の構造と結合(1) 局在化結合近似及び原子価殻電子対反発理論 ルイス構造、オクテット則、共鳴、混成、形式電荷、酸化数、結合長さ・強さ: 第5回 分子の構造と結合生成(2) 分子軌道理論 軌道の重なり、分子軌道エネルギー準位図、結合性軌道と反結合性軌道、π及びσ軌道、等核二原子分子の分子軌道、結合次数、結合エネルギー、結合距離の関係。 第6回 単純な固体の構造(1) 単位格子、最密パッキング、イオン性化合物の構造(結晶系)、イオン半径、結晶格子の立体配置。 第7回 単純な固体の構造(2)と中間テスト 第6回までの内容について、50-60分で中間テスト。その後、イオン結合のエネルギー論について講義:格子エネルギー、ボルン・マイヤー式、ボルン・ハーバーサイクル 履修ポイント:原子の構造、原子軌道、分子の構造、軌道の重なりと結合性相互作用、反結合性相互作用など、高校ではほとんど触れられていない項目であるので、教科書をよく読み、言葉の定義をよく理解すること。物理化学と関連するので、あわせて勉強すること。 第8回 多原子陰イオンの化学 いくつかの多原子陰イオン個体の構造・性質・反応。 第9回 酸と塩基(1)溶媒・酸と塩基の基礎 酸、塩基の定義(ブランステド・ルイス)、共役酸・共役塩基、プロトン性・非プロトン性溶媒 第10回 酸と塩基(2)溶媒の性質と酸・塩基の強弱 代表的な酸の性質、溶媒の性質・極性・解離、酸・塩基の強弱と電子効果・立体効果 第11回 酸化と還元 還元電位、酸化還元半反応、標準電位、起電力、ネルンスト式、酸化還元安定性 第12回 配位化学(1) 配位化学基礎 配位化合物の構造、配位子、配位数、命名法 第13回 配位化学(2) 配位化合物の安定性・反応性 配位子種類、異性現象、配位化合物の安定性・反応性 第14回 単体の多原子分子・固体の構造と性質 周期表と元素の化学。元素の性質とタイプ、周期表中の位置と元素の化学 第15回 期末テスト 履修ポイント:分子軌道、イオン性化合物の構造とエネルギー、配位化学、酸、塩基の定義など、無機化学を理解するために不可欠な項目を含んでおり、教科書をよく読み、言葉の定義をよく理解すること。物理化学と関連するので、あわせて勉強すること。 |
履修条件・関連項目 |
高校の化学、基礎化学の知識が要求される。 |
テキスト・教科書 |
シュライバー・アトキンス等著(田中勝久等訳、東京化学同人)「無機化学(上)」をテキストとして使用する。 |
参考書 |
コットン、ウイルキンソン、ガウス 基礎無機化学(第3版)培風館等、無機化学に関連するもの |
成績評価の方法 |
中間試験、期末試験及びレポート(宿題)を総合的に評価し、100点満点で60点以上を合格とする。期末試験は出席率が70%以上の者を対象とする。成績はS, A, B, C, Dで評価し、S, A, B, Cを合格とする。Sは90点以上、Aは80〜90未満、Bは70〜80未満、Cは60〜70未満、60点未満をDとする。 |
教員から一言 |
波動理論や軌道理論等の量子力学基礎にも触れるので、授業前の予習が授業での理解に欠かせない。また、原則的に毎回、講義中に短時間の演習(10分間テスト)を授業の終わりに行う。試験結果により達成度が低い者で成績がCにわずかに及ばなかった者については、必要に応じて追試験を実施することがある。 |
キーワード |
無機化学,原子構造,分子構造,軌道理論,結合生成,イオン性固体,酸塩基,配位 |
オフィスアワー |
毎週木曜日12時から13時、場所:工学部1号館115号室 |
備考1 |
S: 23.7%, A: 39.5%, B: 26.3%, C:10.5%, D:0.0% (2010) S: 7.3%, A: 34.1%, B: 31.7%, C:19.5%, D:7.3% (2011) S: 7.9%, A: 34.2%, B: 34.2%, C:15.8%, D:7.9% (2013) S: 8.8%, A: 26.5%, B: 41.2%, C:17.6%, D:5.9% (2015) S: 7.7%, A: 33.3%, B: 25.6%, C:23.1%, D:10.3% (2016) S: 10.8%, A: 29.7%, B: 18.9%, C:29.7%, D:13.5% (2017) |
備考2 |
参照ホームページ |
http://www.tuat.ac.jp/~eqianlab/index.htm |
開講言語 |
日本語 |
語学学習科目 |
更新日付 |
2017/10/05 10:35:51 |