科目名[英文名]
化学基礎   [Basic Chemistry]
区分 工学部専門科目等  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 14  開講時期 前学期 
授業形態 前学期  時間割番号 021805
責任教員 [ローマ字表記]
阿部 穣里   [ABE Minori]
所属 工学府 研究室   メールアドレス

概要
理論計算化学の役割は、実験せずに現象を予測したり、解析したりすることです。2013年のノーベル化学賞もこの分野から選ばれました。現代では実験だけではなく理論計算からも現象を議論することが、標準となっています。本講義では理論化学の根底にある、小さい粒子の満たす法則、量子力学を紹介し、どのように化学の問題に発展していくかをじっくり考えてゆきます。化学の問題は、分子の中で電子がどのようにふるまうのかを探る問題に置き換えられます。電子の従うべき基本理論(シュレディンガー方程式)、原子の中での電子のふるまい、簡単な分子の中での電子のふるまいについて、問題を手で解いたり、実際にコンピュータを用いて解析したりして、より深く原理を理解することを目的としています。
高校レベルの古典力学の知識が前提として必要です。
到達基準
(1)理論化学の役割を理解できる
(2)理論化学の原理である量子力学の基礎が理解できる
(3)原子の中の電子構造が理解できる
(4)分子の中の電子構造をどう求めるのか理解できる
授業内容
毎回冒頭に予習を要する小テストを行います。ただし解答は動画で与えてあります。教官による講義のほかに、小グループによる議論および発表、コンピュータを用いた実演や演習、物理化学問題を実際に手で解く演習を含めます。関数電卓(またはそれに準ずるもの、スマホ可)を持参してください。現在最もよく使われているGaussianプログラムによる、理論化学計算の実演や、数式ソフトMapleを用いた関数の表示も行います。
第1回 なぜ大学に行くのか? なぜ化学基礎うけるか?
第2回 自己紹介 分子はいくつあるのか?
第3回 Gaussian紹介 どうやって儲ける?
第4回 物質って?光って?
第5回 光・電子の性質
第6回 ボーアモデル
第7回 ここまでのまとめ 偏微分など解説
第8回 シュレディンガー方程式導出,波動関数の性質
第9回 1次元井戸型ポテンシャル
第10回 2,3次元井戸型ポテンシャル
第11回 水素原子のシュレディンガー方程式
第12回 水素原子のシュレディンガー方程式つづき
第13回 多電子原子、電子配置、スピン
第14回 H2+分子 LCAO(原子軌道で線形結合とる)近似
第15回 補足 議論 まとめなど
履修条件・関連項目
本講義は高校物理(とくに力学と波動)を十分理解していることが望ましいです。
テキスト・教科書
中田宗隆 著 「量子化学 基本の考え方16章」 (東京化学同人)
参考書
マッカリー・サイモン 「物理化学 分子論的アプローチ 上」(東京同人)
尾上 順著「量子論の基礎から学べる量子化学」(近代科学社 2012)
成績評価の方法
授業態度および授業中の演習・テスト(40%)、3回のレポート(20%×3)で評価します。 15分以上の遅刻は欠席とみなします。3回以上の欠席で、単位を認定しません。
教員から一言
楽しめる、記憶に残る授業を目指します。途中、数学や物理が難しいですが、一緒に頑張っていきましょう!
キーワード
計算化学、量子力学, 原子, 分子, 電子構造
オフィスアワー
首都大学東京 大学院 理工学研究科 分子物質化学専攻 理論計算研究室 8号館571室
備考1
備考2
参照ホームページ
http://www.comp.tmu.ac.jp/minoria/qc/qc_first.html
開講言語
語学学習科目
更新日付
2017/03/22 13:18:05