科目名[英文名]
エネルギー化学   [Chemical Energetics]
区分 工学部専門科目等  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 34  開講時期 前学期 
授業形態 前学期  時間割番号 023207
責任教員 [ローマ字表記]
直井 勝彦   [NAOI Katsuhiko]
所属 役員 研究室   メールアドレス

概要
[目的]本講義を通して、エネルギー化学の基礎となる物理化学および電気化学の理解を深める。電極界面の電気二重層、電極電位、電極反応速度等の熱力学や速度論を学ぶ。
[概要]エネルギー貯蔵変換プロセスにおける電子移動に注目したエネルギー化学と、その基礎理論となる熱力学、速度論の知識を身に付けることは将来研究者・技術者になる者にとって非常に有用である。この講義では内容を厳選して、より基礎的な理論・現象の理解から実際の電位-電流応答の測定例までを学ぶ。また、演習問題を行い、より多くの事例から本質を理解してもらうきめ細かい指導方針で進める。
到達基準
授業内容
第1回  ガイダンス
講義日程、内容の概略、予習・復習の仕方、成績の評価方法などを説明する。

第2回  講義1 序章&エネルギーと平衡化学
むかし習った電気分解を忘れる。エンタルピー、ギブズ自由エネルギーの概念と化学平衡について学習する。

第3回  講義2 標準電極電位
電極電位の概念、実際の2電極式、3電極式を用いた電極電位の測定法などを学ぶ。

第4回  講義3 ネルンストの式
電気化学ポテンシャル、ネルンストの式の理解を深める。ネルンストの式の応用としてpH測定メーターの原理、プールべダイアグラム等を学ぶ。

第5回  試験1(第I部 平衡論)
第I部 平衡論(序章〜第3章)の講義に関する試験を行う。

第6回  講義4 光と電気化学/光合成-天然の光電気化学プロセス-
光励起と電子移動の関係について学ぶ。さらに,光合成による太陽エネルギーの変換効率についても学ぶ。

第7回  講義5 化学反応の道すじ
平衡論と速度論について学ぶ。活性化状態と活性化エネルギー,平衡状態について学ぶ。

第8回  講義6 電極反応の道すじ 
電極反応の速度論について学ぶ。電極反応速度に大きく寄与する物質移動について理解し、拡散と電流の関係を学習する。フィックの第一法則を理解する。
  
第9回  講義7 活性化エネルギーの正体
分子間および分子内での電子移動について学ぶ。

第10回  講義8 分子・イオンの流れ
物質の拡散(フィックの第2法則)について学ぶ。さらに,電流と時間の関係(コットレルの式)についても学ぶ。

第11回  試験2(第I部 平衡論&第II部 速度論)
第I部 平衡論(4章〜第5章),第II部 速度論(第6章)の講義に関する試験を行う。

第12回  講義9 表面反応の世界
固体表面での電極反応のメカニズムを学習する。電流-電位曲線を溶存物質の系と比較し、違いを理解する。アンダーポテンシャル析出反応、水素発生反応の素過程を学ぶ。

第13回  試験3(第II部 速度論)
第II部 速度論(第7章〜第10章)の講義に関する試験を行う。
履修条件・関連項目
物理化学の基礎が講義の中心であり、物理化学系分野おける研究活動の基盤知識になりうるため、受講を勧める。物理化学IIをすでに履修していることが望ましい。
テキスト・教科書
教科書:「電子移動の化学」-電気化学入門- 渡辺正、中林誠一郎著(日本化学会編/朝倉書店)
参考書
アトキンス物理化学(上)Peter Atkins, Julio De Paula(東京化学同人)の4章から7章までを事前に理解しておくことが望ましい。
成績評価の方法
各授業でのミニ試験および試験1〜3から成績を総合的に評価する。また出席状況や演習に取り組む態度も成績に考慮する。やむを得ない理由以外での欠席は成績に大きく影響する。
教員から一言
本講義は物理化学・電気化学を基礎から学べるため、今後物理化学系分野での研究活動において必要となる基礎知識を習得することができる。講義と演習を繰り返し行い、より深く理解してほしいので全講義出席し、毎回予習をすることを勧める。
キーワード
エネルギー,電極電位,拡散,電気二重層,電池
オフィスアワー
講義に関する質問等は、k-naoi@cc.tuat.ac.jp、y-nagano@cc.tuat.ac.jpまで
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2017/03/21 16:43:26