科目名[英文名] | |||||
有機材料化学特別講義Ⅰ(ソフトマテリアル) [Special Lecture on Organic Materials Chemistry I] | |||||
区分 | 工学部専門科目等 | 選択必修 | 単位数 | 2 | |
対象学科等 | 対象年次 | 3~4 | 開講時期 | 前学期 | |
授業形態 | 前学期 | 時間割番号 | 023319 | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
跡見 順子, 清水 美穂 [ATOMI Yoriko, SHIMIZU Miho] | |||||
所属 | 工学府 | 研究室 | メールアドレス |
概要 |
本講義では、生命の単位細胞・細胞内材料、細胞が生み出す細胞外の材料(細胞外基質)などのソフトマテリアルの物性、自己組織化、ゲルや生成原理、様態、強靱性、柔軟性/弾力性/粘弾性などを学ぶ。また、生命の時間変化(受精-発生-成長-加齢)や種の保存戦略等についても学ぶ。超高齢社会に生きる私達は、自らのソフトマテリアルがもつ高度な機能や概念を理解し、真に健康や医療に対応できるソフトマテリアル化学を、「いのちを知り生かすソフトマテリアル」として学ぶ。従来生物学、生命科学で説明されている概念や物質の相互作用などを、できるだけ物理化学の言葉につなげて説明する。細胞-組織-身体を連携する合理的な運動、「ソフトな材料」が人との接触により生み出す「心」や「快」感覚などについても言及する。 |
到達基準 |
1)生物の物質的側面の研究から始まった有機化学の核としての生命化学と人工物との違いは何か。2)自らの身心を日々生み出しているソフトマテリアルの本質は何か。3)要素還元的な生命化学をトータルな生命科学に導くソフトマテリアルの特性は何か。4)生物の時間進行に伴うソフトマテリアルの劣化の実体・原因は何か。5)抗加齢特性や身体運動とソフトマテリアルの関係。6)人とヒト以外生物(植物・動物/特に鳥類・微生物など)や人工物の設計原理の差異がわかっているか。7)サステナブル社会を担う一員として、生命持続・人間持続のための生命化学基盤について説明できるか。 |
授業内容 |
※細胞や人間(自分)のシステムを理解するための実習を行います(授業の場所か?異なるのて?注意)。カリキュラムの順番は変 更する可能性あり。 170413(第1回) イントロダクション1 「いのちを知り生かす」ソフトマテリアル(1) 「生きていることの生理学」. 地球で創発した生命(細胞)・多細胞個体・「身体」の適応とストレスタンパク質 課題:生きていることの生理学とソフトマテリアル(SM) 170420(第2回) イントロダクション2 「いのちを知り生かす」ソフトマテリアル (2)と運動・適応 ①生命(細胞)と適応:αB-クリスタリンの発見とタンパク質 ②人間の身体運動の成り立ち ③骨格筋とソフトマテリアル ④運動能力の量的質的基盤 課題:マイルドストレスとSM 170427(第3回) 身心一体SM科学講義I &実習I (体幹-脳SM軸を触覚・自己受容感覚で創る) (1)体幹・股関節制御 (2)バランスと体性感覚,脳と外界,身の置き方,自己と認識とSM (3)プレ評価(自分を科学;活動依存性に自己の記述, Sit up,反復横跳び評価,姿勢評価)と体操の指導 課題:臥位/姿勢・動・触とSM 170511(第4回) 身心一体科学SM講義II&実習II:体幹-脳SM軸の日常化 (1)人間の創りと体幹 (2)体幹体操と脳・歩行&動作 (3)体操1週間の効果を評価(自分を科学;活動依存性に自己の記述, Sit up,反復横跳びによる評価,姿勢評価) (4)意識で軸/股関節を制御 課題: 身体SMシステムと生活の中の自分の評価 170518(第5回) 自分というSM素材を生かす脳-体幹軸 演習I 個人ごと発表,日本語 ①身体学習(脳-体幹連携)で機能アップする身体SM ②パワーポイントを使った発表:全員1分)とQ&A 課題:イノベーションは身体を科学することから 170525(第6回) 身心一体科学概論(1) :いのちの誕生から人間への進化,誕生-成長-加齢とソフトマテリアル 人間のいのち」の特性:宇宙_地球/創発/進化/自己組織化 材料と機能が生まれる(環境)条件・物性(Homeostasis) (3) 身体システムと組織・脳・心と統合 (4)環境へのストレス応答 課題:人間を科学する必須性 170601(第7回) 身心一体科学特論(1):動く(脳神経系と筋骨格系)とソフトマテリアル(細胞が場に応じて生み出す機能追求システムとしての「組織・器官・系] (1)細胞骨格とモータータンパク質と力の大きさと構造化 (2)電気を情報として生みだした神経筋細胞と人間の脳 課題:動物である人間システムの原理原則:神経筋骨連関 170608(第8回) 身心一体科学特論(2):分かる(脳神経系/五感を生み出す場と細胞・動き/筋収縮が生み出す適応)とソフトマテリアル (1)五感:特に視覚・聴覚・体性感覚創出場と細胞の特殊化(機械的物理的刺激の受容/応答システムをつくった細胞と環境) (2)細胞とSMと組織の特異性 課題:筋細胞の強靱性と神経細胞の繊細さ 170615(第9回) 身心一体科学実習III:生命化学・材料健康科学I (『いのち』(細胞)のシステム) (1)自律性を生み出す細胞骨格・細胞外基質とソフトマテリアル(2)生体高分子(DNA・タンパク質)が生み出す機能・構造と組織化 (3)多細胞個体の細胞システム 触覚・視覚観察(細胞・組織中の細胞・組織の固さ・弾性と作り等) 課題:細胞とソフトマター 170622(第10回) 身心一体科学実習V (1)ラットの機能解剖を通じて,人間の創りを学ぶ (2)人間の『いのち』・生死 (3)「運動・活動・使用依存性生存システム」 (4)物性の本質の理解 課題:『いのち』の本質とは?結合組織と心身一体化? 170629(第11回) 身心一体科学特論(3):生命の自律性・自動性とホメオスタシス(水・重力・温度・環境物質・大気汚染・自己免疫疾患等) (1)生きている範囲:ホメオスタシス (2)人間の適切な努力の重要性 (3)細胞外基質と結合組織と東洋的身体技法・ファシア (4)呼吸循環系・毛細血管システム 課題:細胞とソフトマテリアル 170706(第12回) 身心一体科学特論(4):ソフトマテリアルから考える食品・栄養と健康・病態 (1)消化吸収器官の細胞とこれまでの栄養学 (2)ソフトマテリアルから見た新しい栄養学 (3)毛細血管システム 課題:食といのちの本質・運動と食(ダイエットの本質) 170713(第13回) 身心一体科学特論(5):ソフトマテリアルから探る自己・非自己・病原菌との闘い (1) 免疫システム (2) ウイルス・病原菌への対策 (3) 共生:バクテリアの仲間達 課題: 地球上生命と人間のコミュニケーション 170720(第14回) 身心一体科学概論(2):統合的人間 (自然が生んだ身と飛翔する心と精神)実習VI (1)細胞の適応システムから身心統合につなぐ (2)共生・線維ソフトマテリアル(3)人工物と自然物の共生 (4)世界の人との共生・地球環境 課題:自発性と自然への洞察と未来に向けた夢 160727(第15回) いのちを知り生かすソフトマテリアル・演習II (個人ごと発表, 英語) 「身心一体科学/材料健康科学と自分変革と人間社会の未来(仮題:項目別)」 個人発表(パワーポイントを使った発表:全員1〜2分.スライドは英語で作成、発表はできるだけ英語)→レポート提出 |
履修条件・関連項目 |
関連項目:生命科学、高分子化学、教養、システム論、社会産業とサステナブル人間科学 |
テキスト・教科書 |
当日配布資料およびMoodleに掲載する資料 |
参考書 |
骨格筋と運動 跡見順子編著 (杏林書院)、細胞の分子生物学(The Molecular Biology of the Cell)第5版 |
成績評価の方法 |
授業出席点60%(点呼時の出席と授業中に毎回実施するレポート課題(兼質問用紙)提出の両方で4点/回)、プレゼンテーション(2回)20%、最終レポート20%により総合的に評価する。実習への出席は必須とし、3回目の授業で指導する脳―体幹連携身体学習は適応を理解するための本講義のキーポイントであるので、受講期間中毎日できるだけ実施すること。 ■最後のレポート課題(上記、「到達基準」を考えながら記述してください) (1)人間(自分)について:材料化学的に健康や生命システムを理解したか。それはどのような理解か。 (2)人間(自分)について:脳科学的に人間システムの面白さと危険性、創造性と想像について、変革し続ける人間と社会について書いてください。 (3)有機材料化学科の他の授業との接点について書いてください。 |
教員から一言 |
自己創造、変化可能な生命原理を理解し、個の尊重、新しい社会産業創成、自己革新の生き方を身につけてください。 |
キーワード |
生命科学、いのち、セルツーボディ&マインドダイナミクス、運動と栄養、活動依存性、セントラルドグマ、生体物性 |
オフィスアワー |
木曜日 16:30-18:00※メールて?アホ?イントメントをとってくた?されは?、他の日時て?も対応可能。mshmz@cc.tuat.ac.jp, yatomi@cc.tuat.ac.jp |
備考1 |
授業レポートへはできる限りフィードバックします。 |
備考2 |
細胞や人間(自分)のシステムを理解するための実習を行います(場所の変更の可能性あり)。カリキュラムの順番は変更する可能性あり。 |
参照ホームページ |
http://celltobody.sandvox.net/ |
開講言語 |
日本語 |
語学学習科目 |
更新日付 |
2017/10/16 13:39:16 |