科目名[英文名]
計測・信号処理工学   [Measurement Systems and Signal Processing]
区分 工学部専門科目等  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 34  開講時期 後学期 
授業形態 後学期  時間割番号 023535
責任教員 [ローマ字表記]
石田 寛   [ISHIDA Hiroshi]
所属 生物システム応用科学府 研究室   メールアドレス

概要
a. 目的:精密な機械を作るためには、個々の部品を正しい寸法で作らなければならず、、部品形状を正確に測定する技術が必要となる。いかなる分野の研究においても、実験は必要不可欠である。計測技術の進歩により新たな実験が可能となり、その成果により科学技術が発展する。一方、技術の進歩により新たな計測手法が生み出される。この繰り返しにより、今日の科学技術が築かれてきた。本講義では、研究を行うにあたり必要となる電子計測の基本を学び、計測機器の原理を理解した上で正しく計測を行えるようになることを目標とする。

b. 概要
初めに計測工学の基本事項を復習した後、電子計測の要となるAD変換器について学ぶ。また、代表的な種類のセンサを幾つか取り上げ、実演を交えながら動作原理を学ぶ。次にフーリエ変換について学び、信号のスペクトル解析について学ぶ。
到達基準
確率変数の概念を理解し、標本の平均と標準偏差を正しく計算することができる。
A/D変換器の原理を理解し、用途に応じて適切なA/D変換器を選択することができる。
デジタル信号に対してフーリエ変換を行い、その結果を正しく解釈することができる。
授業内容
第1回 イントロダクション:研究室における研究で使われている計測技術の実例を示し、機械系で計測工学、信号処理工学を学ぶ意義を理解する。
第2回 測定値の分布(1):確率変数と確率密度関数を復習し、期待値の計算方法を再確認する。
第3回 測定値の分布(2):母集団からの標本抽出の概念を理解し、標準偏差の計算方法を再確認する。
第4回 測定値の分布(3):標本分散と不偏分散の違いを正しく理解するための演習を行う。
第5回 中間演習テスト(1):第1回から第4回までの内容について理解度を確認する。
第6回 A/D変換器とD/A変換器(1):A/D変換器とD/A変換器の動作を復習し、デジタル値と実際のアナログ電圧の対応を学ぶ。
第7回 A/D変換器とD/A変換器(2):代表的な方式のA/D変換器、D/A変換器の動作原理を学ぶ。
第8回 各種センサ:代表的なセンサとして白金抵抗測温体、サーミスタ、熱電対、ひずみゲージと各種MEMS応用センサについて学ぶ。
第9回 信号測定回路:代表的な信号測定回路として、抵抗ブリッジ回路について学ぶ。
第10回 中間演習テスト(2):第6回から第9回までの内容について理解度を確認する。
第11回 信号処理回路:オペアンプを使った反転増幅器、非反転増幅器、インスツルメンテーションアンプについて学ぶ。
第12回 周波数解析(1):周期的な連続時間信号に対するフーリエ級数展開について学ぶ。
第13回 周波数解析(2):非周期的な連続時間信号に対するフーリエ変換について学ぶ。
第14回 周波数解析(3):非周期的な離散時間時間信号に対する離散時間フーリエ変換について学ぶ。
第15回 周波数解析(4):周期的な離散時間時間信号に対する離散フーリエ変換とサンプリング定理について学ぶ。
第16回 期末演習テスト:第11回から第15回までの内容について理解度を確認する。
履修条件・関連項目
本講義は機械電子工学Ⅱ(2年後期)を基礎とするので、これを受講していることが望ましい。また、電気の基礎知識を学ぶため、機械電子工学Ⅰ(1年後期)の受講を薦める。
テキスト・教科書
指定しない。
参考書
計測工学、電気計測、電子計測、センサ工学などの各種教科書を参考にすると良い。
成績評価の方法
中間演習テスト(50%)と期末演習テスト(50%)により成績を評価する。
教員から一言
数学的厳密性よりも、実感を伴って原理を理解できるような説明を心がけます。
キーワード
計測工学、電子計測、信号処理、フーリエ変換
オフィスアワー
毎週火曜日の午後2時30分から4時30分までをオフィスアワーとする。
備考1
以前の年度におけるの成績分布は以下の通り
H22 (2010) S 8%, A 28%, B 36%, C 21%, D 7%
H21 (2009) S 17%, A 30%, B 28%, C 13%, D 13%
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2017/03/23 12:34:28