科目名[英文名]
生物制御科学特論Ⅳ   [Special Lecture on Bioregulation and Biointeraction Ⅳ]
区分 共通科目  選択必修   単位数 1 
対象学科等   対象年次 1  開講時期 後学期 
授業形態 後学期  時間割番号 05MC5404
責任教員 [ローマ字表記]
増子 恵一   []
所属 農学府 研究室   メールアドレス

概要
この講義では、実際に行われた個々の研究内容を紹介しながら、かつて生物学あるいは学問の外部にあると見なされた(ヒト以外の)動物の行動の観察と考察が、20世紀に動物行動学として生物学の一分科になった経緯と、21世紀の現在、様々なテーマを扱いながら発展を続けている様子を学ぶ。
到達基準
(1)適応的な進化の原動力である自然選択を正しく説明できる。
(2)動物の行動も、形態や生理的機能と同様に、適応的な遺伝形質であることを理解できる。
(3)ヒトが示す行動の進化を理解するには、ヒト以外の動物の行動の研究と比較が必要であることを 納得できる。
授業内容
3週(11月17日、11月24日、12月1日)にわたる集中授業で行う。
(1)授業オリエンテーション、エソロジー(=比較行動学)とノーベル賞(1973年)
(2)エソロジーの古典的研究1:ローレンツの研究
(3)エソロジーの古典的研究2:ティンバーゲンの研究
(4)エソロジーの古典的研究3:フリッシュの研究
(5)フリッシュの研究のその後
(6)行動も自然選択で進化する:ダーウィン、ガラパゴス、種の起源
(7)自然選択の原理と実例
(8)行動生態学1:子殺し行動の進化
(9)行動生態学2:性選択、ornamentsの進化、配偶者防衛、ほか
(10)社会性の進化:利他行動はなぜ進化できるのか(ダーウィンの困難)
(11)非血縁者の協力、ターフェルの実験、トリバース、互恵性 (12)血縁者の協力、包括適応度、ハミルトンの規則
(13)脊椎動物のヘルパー
(14)無脊椎動物のワーカー・ソルジャー
(15)総合討論
履修条件・関連項目
特になし
テキスト・教科書
教科書は用いない。教材としてプリントを配布し、PCやビデオも用いる。
参考書
(1)〜(5):「動物行動学入門」(スレーター、岩波書店)、「行動は進化するか」(ローレンツ、講談社現代新書)、「なぜそんな嘴なのか」(ローレンツ・ハインロート、筑摩書房)、「動物のことば」(ティンバーゲン、みすず書房)、「セグロカモメの世界」(ティンバーゲン、思索社)、「ミツバチの生活から」(フリッシュ、ちくま学芸文庫)、「動物と太陽コンパス」(桑原万寿太郎、岩波新書)、など。
(6)〜(9):「ビーグル号航海記」(ダーウィン、岩波文庫)、「種の起源」(ダーウィン、光文社古典新訳文庫)、「現代進化学入門」(パターソン、岩波書店)、「動物の行動と社会」(日高敏隆、放送大学教材)、「社会生物学の勝利」(オルコック、新曜社)、「行動生態学」(クレブス・デイビス、蒼樹書房)、「動物の行動と生態」(長谷川真理子、放送大学教材)、など。
(11)〜(14):「人間、この共謀するもの」(コールダー、みすず書房)、「進化と人間行動」(長谷川寿一・長谷川真理子、東大出版会)、「生物の社会進化」(トリヴァース、産業図書)、「動物の社会」(伊藤嘉昭、東海大出版会)、「蟻の自然誌」(ヘルドブラー・ウィルソン、朝日新聞社)、など。
成績評価の方法
配点:出席50%、レポート50%
教員から一言
特になし
キーワード
動物行動、エソロジー、進化、自然選択、社会進化
オフィスアワー
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2017/09/26 14:05:50