科目名[英文名]
工業技術標準概論   [Industrial Technology Standards]
区分 専門職学位課程科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次   開講時期 後学期 
授業形態 後学期  時間割番号 1060808
責任教員 [ローマ字表記]
岡本 秀樹   [OKAMOTO Hideki]
所属 工学府 研究室   メールアドレス

概要
イノベーションを実現できたらどんなにか楽しいであろうか。だだ,どのようなイノベーションであっても、多くの利用者に提供していくためには製品やサービスという形にしなければならない。製品やサービスが,その価値を多くの利用者の支持を獲得し,さまざまなリスクを防御しながら,継続的に広めていく努力を積み重ねていくことで,イノベーションは成功するのである。その過程の中で,標準類を適切に使うだけでなく,必要に応じて標準を修正したり開発したりすることは、重要な活動の一つである。
この講義では,各自が研究テーマに適用すべき標準を検討していくことを通して,標準が市場の中でどのような役割を果たしどう作用するのかを学び,基本的なビジネススキルの一つとして標準の活用方法などが身につくよう目指す。ここで学んだ内容は、就職活動や仕事、そして,実現したいビジネスストーリを描くのに役立つだろう。
到達基準
製品やサービスを開発し市場に浸透させていく過程において標準を活用できるようにするため,下記に記した事項について、必要な標準を認識・把握し、それらの標準を活用するための考え方を理解できるようにする。
① 提供する価値と提供する対象の設定
② さまざまなリスクへの対応
③ 開発、調達、生産および提供のビジネスプロセス
授業内容
イノベーションを起こせたら、どんなにすばらしいだろうか!と誰しもが思うだろう。しかしながら、イノベーションは、簡単に起こせるわけではない。そのためには、何が必要だろうか。イノベーションの基盤を固めるとともに、そのムーブメントを広げつつ加速していきたい。そのためのツールの一つとして標準がある。
どのようなイノベーションであっても何らかの価値を提供するという目的が必ずある。目的を達成するためには,まず,目標とその対象を決める。目標を達成するのに必要となる価値提供プロセスを検討し、そのプロセスが必要とする標準を確認する。すでに発行されている標準から適合するものを探すわけであるが、そこにはまだ存在していない標準があるかもしれない。こうして確認した標準をどう使っていけばイノベーションにつなげられるか考えていくのである。ただし、これら一連の作業をなんの予備知識もなくできるわけではないし、さらに、一人だけで考察していくことはなかなか難しい。そこで、他者の意見を取り入れたり参考にしたりすることも重要となる。
これを念頭に、講義においては基本的な標準について紹介しつつ、各自の研究テーマについて、目的や目標の確認、必要な標準、重要な標準、不足している標準を探り出せるよう進めていく。できるだけ最近の事例や話題を使い、受講生の研究テーマに関連する標準なども紹介していくとともに、簡単なディスカッションを適宜入れる。この中で、他者と助言をやりとりする態度も身に着けられるようにする。

講義は原則金曜日だが、第14回だけ月曜日に行うので注意。
第01回 10/06(金) 6時限 オリエンテーション
  (概要,到達基準,講義の進め方)
【目的の必要性】
第02回 10/13(金) 6時限 ビジネスにおける標準化の役割と課題
  (マーケット拡大と標準化によるビジネスの変化,目的を持つことの重要性について)
  (講義の最後で各自の研究テーマの目的と対象について提出を指示)
第03回 10/20(金) 6時限 研究目的の達成と標準
(研究目的を達成することと標準との関係について紹介。最新テーマとしてスマートシティを紹介。)
【標準による優位性の獲得】
第4回 10/27(金) 6時限 事例1
  (ハードウエア,材料,ソフトウエアに関する標準化事例とその優位性を紹介)
第5回 11/3(金) 6時限 事例2
  (ハードウエア,材料,ソフトウエアに関する標準化事例とその優位性を紹介)
第6回 11/17(金) 6時限 事例3と中間発表およびディスカッション
  (ハードウエア,材料,ソフトウエアに関する標準化事例とその優位性を紹介)
  (各自、研究テーマの優位性と標準について簡単に紹介)
【さまざまなリスク】
第7回 11/24(金) 6時限 安全,環境
  (各種の法規制と標準)
第8回 12/1(金) 6時限 EMC
  (各種の法規制,現状の問題と標準の開発動向)
第9回 12/8(金) 6時限 サイバーセキュリティ
  (現状の問題と標準の開発動向)
第10回 12/15(金) 6時限 貿易,コピー商品
  (現状の問題と標準の開発動向。各自、研究テーマについてリスクを紹介)
【基本的な標準関連事項】
第11回 12/22(金) 6時限 設計に必要な標準類
  (材料,設計基準,評価試験,およびそれらの利用形態)
第12回 1/5 (金) 6時限 情報伝達に必要な標準類
  (用語,記号,文書体系,およびそれらの役割)
第13回 1/19(金) 6時限 製品のライフサイクル
  (開発,グリーン調達,認証のプロセス)
第14回 1/22(月) ★ 6時限 標準化のプロセスと標準の内容構成
  (標準化の基本プロセスであるISO/IECの標準化プロセス,企業における標準化プロセス例,標準の内容構成)
第15回 1/26(金) 6時限 最終発表
  (全体のまとめ。全員が自分のテーマの関連標準について発表。)
履修条件・関連項目
プレゼンツールにて資料作成し,プレゼンできること。
テキスト・教科書
PPT資料など。
参考書
「オープン&クローズ戦略 日本企業再興の条件」小川紘一著
「国際標準の考え方: グローバル時代への新しい指針」田中正躬著
その他は,適宜,講義の中で紹介する。
成績評価の方法
課題レポートを主に講義中の発表や議論への貢献,質問内容などを総合的に判断し、5段階で評価する。出席が7割未満の者には成績をつけない。
S:極めて優れている。A:優れている。B:普通。C:基準を満たしている。D:単位不可
教員から一言
なぜ学びたいのか、獲得した知識はどのように使えるのか、を講義期間中を通して意識してもらいたい。
キーワード
標準、規格、標準化,適合性評価、認証、イノベーション、リスク,IEC, ISO, ITU
オフィスアワー
質問と相談は随時電?メールで受け付ける。
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
語学学習科目
更新日付
2017/10/04 15:49:13