科目名[英文名]
博物館経営論   [Theory of Museum Management]
区分 博物館科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次   開講時期 前学期 
授業形態 前学期  時間割番号 W0203
責任教員 [ローマ字表記]
小西 雅徳, 飯野 孝浩   [KONISHI Masanori, IINO Takahiro]
所属 農学府 研究室   メールアドレス

概要
日本の博物館における運営・経営の実態を紹介し将来的な展望を探る。博物館の舞台裏を支える運営理念や活動の実態を通じて博物館経営とは何かを考える。特に様々な施設とその維持、職員間コミュニケーション、展示活動による情報発信等を海外博物館との比較で紹介する。
到達基準
配布テキストにより段階的進捗度を提示する。理解が出来ているかをレポート提出により確認する。講義自体は概念的な部分が多く、博物館現場の実態を紹介しながら学生諸君の考え方を確認する。
授業内容
集中講義形式で行う。日本における博物館活動・運営の実態を、海外の博物館活動との比較を通して考える。具体的には博物館経営論導入の経緯と考え方、行財政論、施設・設備のあり方、職員論―ミュージアム・マネジメント、博物館倫理、危機管理、広報マーケティングの考え方、博物館間及び市民との連携(異業種交流)の活動等を、課題提起を含めて学習する。レポート課題を複数回課す予定。
第1回 博物館経営論Ⅰ 博物館における経営とは何か
博物館史を踏まえ、今日の博物館が競争原理や企業的発想に立った経営手法を求められている背景を学ぶ。
第2回 博物館経営論Ⅱ 日本の博物館の現状
高度経済成長期に作られた博物館の多くが、生き残りをかけた戦いを求められている。その実態について紹介する。
第3回 博物館経営論Ⅲ 海外の博物館(スライド)
欧米にある大型美術館・博物館の運営状況を、スライドをもとに紹介する。
第4回 博物館の経営基盤とマネジメント
博物館運営上必要とされる、博物館財産・価値観への見方やマネジメントの必要性を考える。
第5回 行財政制度 博物館法と財政の考え方
博物館運営経費について考える。運営費に事欠くと、不十分な館活動を余儀なくされる。お金のあり方について、学芸員がどう取り組むかを考える。
第6回 博物館施設と設備
博物館施設の機能を考える。建設時の留意事項やランニングコストとは何かを前提に博物館建設の姿勢を検証する。
第7回 展示室の設計と構造
博物館の中核となる展示室の設計や構造上の注意点について解説する。
第8回 組織と職員(特に学芸員について)
組織の中心にいるのは学芸員であるが、館長・事務職員・監視警備等多くの人たちとの協業体制で博物館は運営されている。マネジメントの視点で学芸員像を提示。
第9回 博物館経営の使命と評価
端的にいえば、入館者数という物差しでの博物館経営を数値化する傾向があるが、実態的には入館者数と博物館評価とは相違するものである。現状は果たしてどうなのかを見てみる。
第10回 博物館倫理(職員行動と資料購入のあり方)
マナー、接遇の基本的な考え方や資料(作品)購入の姿勢を考える。
第11回 博物館の危機管理(震災等)
事故人災・火災等の防犯体制、震災時への対処について考える。
第12回 利用者とのコミュニケーション
博物館経営とその評価の裏側から入館者をはじめとする多くの市民との接触・交流が見えてくる。積極的な博物館側からのアプローチが今後求められるが、そこで学芸員はどう行動すべきかを考える。
第13回 博物館連携の考え方
展示会などは単独で実施する場合が多いが、他館との連携や異業種との交流も今後重要な活動の一つとなってくる。具体的な活動例等を示す。
第14回 友の会等のサポート・ボランティア育成
博物館を裏方的に支えてくれるボランティア活動について考える。
第15回 学芸員は経営者か
学芸員は研究者か経営者か、それとも両方を兼ねるのか。今後の学芸員像を求め考える。
履修条件・関連項目
博物館学はまだまだ発展的状況にあり、より多くの発想や博物館現場での実情の上で試行錯誤し改善していく必要があると考える。本講義の経営論は博物館学の基礎部分にあたり、現場状況を説明することで博物館世界の楽しさを感じてもらいたい。
テキスト・教科書
講義時にテキストを配布する。
参考書
博物館関係書の素読を勧める。
成績評価の方法
出席状況及びレポート課題による評価。
教員から一言
出席状況及びレポート課題による評価。
キーワード
博物館 博物館経営
オフィスアワー
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2017/08/28 11:41:08