科目名[英文名]
教職概論   [Introduction to Teaching Profession]
区分 教職科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 1  開講時期 前学期 
授業形態 前学期  時間割番号 ED1101
責任教員 [ローマ字表記]
降旗 信一   [FURIHATA Shinichi]
所属 農学部 研究室   メールアドレス

概要
この授業の目標は「教育」、「学校」、「授業」、「教師」といったキーワードに関して教職履修学生として自分なりのイメージをつかむこと(特に1年生)、また現状を批判的にとらえ、問題点を自分の言葉で説明できるようになること(特に2年生)です。
この授業は、教員免許取得をめざす人、教師をめざす人、学校教育について考えようとするみなさんに向けて開講されています。この授業のキーワードは4つあります。まず「持続不可能な地域と学校」という現状への理解、続いてその現状の課題を打破するための手がかりとしての「学びと教育の革新」、そして従来の「学校」への見方を変革する「地域支援学校」という新たな視点、さらにそうした変化に向けての重要な役割を担う「ファシリテーター」です。
 この授業では教員ではない立場で活躍するファシリテーター(学びの支援者)の話題が随所に登場します。教員も地域で様々に活躍する学びの支援者もそれぞれ独自の専門性を有していますが、学び手(子どもや大人)の学びを支援するという点では両者の原点は同じです。両者の役割に違いがあるとすれば、地域と学校の双方で総合的に行われる学びの支援のため、教員は主に学校内での活動に責任を有し、地域の学びの支援者はそれぞれの地域(施設・団体を含む)での活動に責任を有する立場という点です。そしてこの両者がお互いの強みを生かし、弱みを補いあうことが「持続可能な地域と学校」を実現・発展させていくために必要といえます。
 この授業を履修する皆さんは、教職科目履修者⇒つまり、教職課程在籍学生⇒すなわち教員のたまご、となります。このような皆さんの立場は、いわば教育業界へと一歩踏み出した者として社会的にも認知される立場でもあります。全国の大学の教職履修学生は取得を目指す免許の校種や教科の違いがあっても同じ教職履修学生としての共通性を有することになります。そうした教職履修学生として学校現場との接し方について身に付けることもこの授業のねらいの1つとなります。
到達基準
1年生(教職履修1年目の方)
皆さんは、教職履修学生1年目ですので、教育業界へと一歩踏み出した者として以下のことを身につけてください。
・「教育」、「学校」、「授業」、「教師」といったキーワードに関して教職履修学生として自分なりのイメージをつかむこと
・教職履修学生としてのあるべき行動に関する常識、自覚を身に付けること
・レポートの書き方、手紙(電子メール)の書き方、自己紹介の仕方、人前での話し方(ミニ授業や討論)など、社会人としての常識を身に付けること。

2年生(教職履修2年目の方)
皆さんは、教職履修学生としてすでに1年間のキャリアを有しています。2年目の今年は下記のことを身につけてください。
・「教育」、「学校」、「授業」、「教師」といったキーワードに関して2年目の教職修学生として現状と問題点を自分の言葉で説明できるようになること。
・教職履修学生としてのあるべき態度や服装に関して1年生と模範となること。
・レポートの書き方、手紙(電子メール)の書き方、自己紹介の仕方、人前での話し方(ミニ授業や討論)など、1年生の模範となること。
授業内容
第1回 農4月13日(木)工4月14日(金) 18:15-19:45 ・シラバス説明
・ミニ授業分担
・授業支援分担(農のみ) 持ち物:なし

第2回 農4月20日(木)工4月21日(金) 18:15-19:45 ・学校見学オリエンテーション(農学部府中五中他工学部府中一中他)
・面白実験オリエンテーション)
・学ボラ&農ボラオリエンテーション(農学部のみ)降旗および酒井五中校長先生のお話 持ち物:なし

第3回 農4月27日(木)工4月28日(金) 18:15-19:45 序章(1)学習&討議 持ち物:教科書

第4回 農5月11日(木)工5月12日(金) 18:15-19:45 序章(2)ミニ授業&討議 持ち物:教科書

第5回 農5月18日(木)工5月19日(金) 18:15-19:45 1章〜3章(1)学習&討議 持ち物:教科書

第6回 農5月25日(木)工5月26日(金) 18:15-19:45 1章〜3章(2)ミニ授業&討議 持ち物:教科書

第7回 農6月1日(木)工6月2日(金) 18:15-19:45 1章〜3章(3)ミニ授業&討議 持ち物:教科書

第8回 農6月8日(木)工6月9日(金) 18:15-19:45 4章〜7章(1)学習&討議 持ち物:教科書

第9回 農6月15日(木)工6月16日(金) 18:15-19:45 4章〜7章(2) ミニ授業&討議 持ち物:教科書

第10回 農6月22日(木)工6月23日(金) 18:15-19:45 4章〜7章(3) ミニ授業&討議 持ち物:教科書

第11回 農6月29日(木)農6月30日(金) 18:15-19:45 8章〜10章(1)学習&討議 持ち物:教科書

第12回 農7月6日(木)工7月7日(金) 18:15-19:45 8章〜10章(2)ミニ授業&討議 持ち物:教科書

第13回 農7月13日(木)工7月14日(金) 18:15-19:45 8章〜10章(3)ミニ授業&討議 持ち物:教科書

第14回 農7月20日(木)工7月21日(金) 18:15-19:45 先輩の教育実習・介護等体験の話を聞く 持ち物:なし

特別授業 農6月17日(土)工7月22日(土) 18:15-19:45 面白実験教室 持ち物:面白実験教材


※ミニ授業での「教師」の3つの役割
・担当章にかかわる重要なキー概念や事実の説明(著者の主張は何か?)
・自分の問題意識と考察・文献調査の結果から得られた結論(調査結果を述べる時は必ず出典明記をしよう。ネットや書籍に書いてあることが正しいとは限らない…が、「そこにそう書いてあった」という事実は事実。)
・さらに議論してみたい論点の提起→そのあとグループ討議を行います。
【ミニ授業の進め方】
・「教えることは最大の学び」の原理に基づき、履修者は一人一回、各回のテーマについての「ミニ授業」を行う。
・ミニ授業は7回なので履修者50人だと一回あたり約8人が「教師」になり、残りの出席者は「生徒」になる。
・一回の「ミニ授業時間」は5分から7分程度(その日の「教師」の人数によって多少変動あり)
☆教師役をやるチャンスは原則一回。その日に欠席したら次の機会はない。 
・プリントは使用不可(コピーの予算がないし紙の節約のためでもある)PPTも使用不可。(機械トラブルのリスクあり)教師役が使える道具は黒板のみ。マイクを使わず地声で行う。(通りやすい大きな声で話すことは教職スキルの一丁目一番地)
・「授業」のあと、グループ討議。その後、全体討議。
履修条件・関連項目
教員免許取得を目指すことが履修要件です。
テキスト・教科書
『持続可能な地域と学校のための学習社会文化論』〈「ESDでひらく未来」シリーズ〉降旗信一編著、A5判並製、160頁、定価1900円+税、ISBN978-4-7620- 2697-3
※教科書の所持・使用は、単位取得(教員免許保持)のための必須条件です。(教書の専門図書を所持していることによりライセンスホルターとしての専門性が担保されます。)第四回授業時に検印をしますのでそれまでに各自で所持してください。

参考書
成績評価の方法
以下の3つのレポートの合計点で90点以上がS,80点以上がA、70点以上がB、60点以上がC,60点未満がD(不合格)となります。なお、出席率が8割を切ると欠席の回数に応じて評価が下がります。(出席率6割を切ると単位の取得が危うくなりますので十分ご注意ください。)

(1) 教科書レポート
A4で2p以内(40字×30行)。表紙不要。MSワードで作成。教科書の中の任意の一章について、1)担当章にかかわる重要なキー概念や事実の説明(著者の主張は何か?)、2)自分の問題意識と文献調査の結果から得られた結論、3)さらに議論してみたい論点の提起、を記述し、自分の担当ミニ授業の7日前から3日前までに教員にメール送付。送付されたレポートはムードルにアップしてクラス全員で共有します。ミニ授業の担当日は第一回授業で決めます。提出期間以外に提出されたレポートの評価はできませんのでご注意ください。
【レポートの書き方について】
以下の観点により採点する。
・自分で考え、記述したものであるか。(剽窃・複写が判明した場合は0点とする。友人間で同様の行為を行ったと判定した場合は双方ともに0点とする。)
・授業テーマにそった課題設定となっているか。
・引用と自分の主張を明確に区別できているか。
・要求されている文字数を満たしているか。
・表題及び全体の構成の仕方は適切か。
・結論の導き方は妥当か。
・提示された論点は明確か。
・そのあとのグループ討議を刺激するような有益かつ魅力的な情報を提供しているか。

(2)学習支援ボランティアレポート(農学部生のみ対象:「教員からの一言」を参照してください。)

(3)学校見学レポート
任意の中学校または高等学校の公開授業(日程は通常はウェブサイトなどで公開されています)を2時間分以上見学してください。レポートのテーマは、1年生(教職履修1年目の方)は「教職履修学生として『学校』を訪問してはじめて気づいたこと」、2年生(教職履修1年目の方)は「授業を成功させるために教師に求められるスキルとは何か」としてください。提出期間は、2019年5月1日から7月31日とします。提出期間以外に提出されたレポートの評価はできませんのでご注意ください。(見学後、1週間以内に記述して提出することをおすすめします。
教員から一言
(2)学習支援ボランティアレポート(農学部生のみ対象)
このレポートは農学部では、従来の期末レポートにかわるものです。A4で2p以内。表紙不要。MSワードで作成。府中キャンパスで水曜6時限目に開催される中学生向け学習支援プロジェクト「ESD塾(学習支援コース・前期8回実施予定)」に最低二回参加し、そこで得た気づきや教職履修者として学んだことをまとめてください。諸事情で「ESD塾(学習支援コース)」への参加が難しい方は、週末に開催される「ESD塾(体験活動支援コース・前期4回実施予定)」に参加してレポートを作成してください。提出期間は、2019年6月1日から7月31日とします。提出期間以外に提出されたレポートの評価はできませんのでご注意ください。(ボランティア活動後、1週間以内に記述して提出することをおすすめします。)

ESD塾(学習支援コース)
期日・時間 会場(集合場所)
第1回 6/14(水)18:15-19:45 本館21・22教室
第2回 6/21(水)18:15-19:45 本館21・22教室
第3回 6/28(水)18:15-19:45 本館21・22教室
第4回 7/5(水)18:15-19:45 本館21・22教室
第5回 7/12(水)18:15-19:45 本館21・22教室
第6回 7/19(水)18:15-19:45 本館21・22教室
第7回 7/26(水)18:15-19:45 本館21・22教室

ESD塾(体験活動支援コース)
期日・時間 会場
第1回 6/11(日)13:00-16:00 府中キャンパス
第2回 7/9(日)13:00-16:00 府中キャンパス
キーワード
オフィスアワー
備考1
(教職履修学生のための各種支援策)
※1農場ボランティアについて(農学部生のみ)
農学部といっても、一部の学科を除いては農作業体験の機会は少ないものです。また、教職履修者に必要とされるボランティア体験も1・2年次に行っておかないと学年があがるにつれて研究室活動などで忙しくなり、そのような機会を逸してしまう可能性があります。免許取得の最終段階になって「一度もボランティア経験がない」と慌てることになりかねません。一方、忙しい学生の皆さんの時間的経済的負担はなるべく減らしたいと考えます。そこで農学部教職課程では、教職農場をFM府中(牛舎横圃場)の一画に確保しています。希望する学生はここで行われている「教職ボランティア(農場担当)」のお手伝いができます。このお手伝いは、ボランティアの実績としてカウントできます。

※2府中五中学習支援ボランティア「ESD塾」について(農学部生のみ)
2017年度から新たに始まるプロジェクトです。水曜の6時限目に近隣の府中第五中学校の生徒が農工大府中キャンパスで学習活動を行いますので、その支援を行っていただくボランティア活動です。

※3教育実習報告会について
2017年度も4年生が教育実習にいきます。この方々の報告会を前期の最終授業で実施します。経験豊富な教職課程在籍中の4年生の方と交流できる貴重なチャンスです。

※4特別授業「面白実験教室」について
特別授業の日(農学部は6月17日(土)、工学部は7月22日(土))に面白実験教室を行います。1人から4人の教師役のチームをつくり(最大で農工各24班以内)、あらかじめ決められたメニューの中から面白実験のテーマを選び、当日、一回15分の面白実験教室を行います。各5分間の休憩・交代時間を含め、2回程度、同じ実験を行います。(参加者役は入れ替わります。)実験2週間前までに教員に所定の計画書を提出し、安全上、問題がないかを確認の上で、実験を行います。実験に必要な材料などは自費となります。
備考2
※5農業高校見学会(9月)(農学部生のみ)
 「農業高校ってどんなところ?」という農学部生の皆さんを対象に農業高校見学会を9月に実施します。農業教員免許取得と農業高校での教育実習を考える契機にしていただければと思います。この見学は後期の教職授業のレポート課題となります。詳細は後日ご連絡します。

※6 教職合宿について
教職履修者としての同僚性(仲間意識、横のつながり)を高め、教職に必要な知識、スキルを身につけることを目標とした教職合宿を下記の要領で行います。企画委員は履修者の中から募集します。企画委員(工学部生対象)として一定の役割を果たした人は教職ボランティアとして、履修カルテに記載することができます。
日時:2017年8月20日(日)から22日(火)(企画委員の現地下見は6月初旬を予定)
会場:安藤百福自然体験活動指導者研修センター(長野県小諸市)
滞在にかかる費用:宿泊費2200円(2泊)、食費4800円(6食)
現地までの旅費:小諸駅から新宿バスタ 片道2,570円〜3,090円程度
その他:全体運営にかかる経費 5000円以内
・企画委員は、この合宿のプログラム作成ほか、運営を担当します。前期金曜の教職授業終了後に企画会議を5〜6回程度、各30分程度開催します。
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2017/04/14 7:48:52