科目名[英文名]
分析化学Ⅱ   [Analytical Chemistry Ⅱ]
区分   選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 2  開講時期 後学期 
授業形態 後学期  時間割番号 01BN2112
責任教員 [ローマ字表記]
夏目 雅裕   [NATSUME Masahiro]
所属 農学部 研究室   メールアドレス

概要
 本講義では、分子量1,000以下の有機化合物の構造を決定する方法(機器分析)について講義する。最近の機器の発達は目覚しく、超微量な物質でも利用可能である。その技術を利用して、生命現象が生化学的・生物有機化学的に理解されつつある。生物自身が生産している天然物のみならず、人工的に合成する医薬や農薬の構造の確認、環境汚染物質の追跡やドーピング検査などが高感度な機器分析で実施されており、その分析手法の基礎を理解する。
到達基準
有機化合物を精製する方法について理解する。
種々の機器分析法により得られる有機化合物の構造情報を理解する。
各種のスペクトルデータから、有機化合物の構造を推定する能力を身につける。
授業内容
本講義で取り上げる機器分析方法は、精製・分離のためのもの(GCやHPLC)と、構造解析のためのもの(UV、IR、NMR、MS)である。
1. 各種クロマトグラフィー: 有機化合物を精製・単離するためのGCやHPLCなどについて、分離の原理と特徴について説明する。
2. 紫外(UV)吸収スペクトル: 共役系に関する情報の得られる本方法の理論と特性吸収について説明する。
3. 赤外(RI)吸収スペクトル: 化合物の官能基を調べる本方法の測定方法と、構造とスペクトルの特徴について説明する。
4. 質量(MS)スペクトル: 化合物の分子量や部分構造に関する情報を与える本方法の、測定の原理と装置、スペクトルの解析方法、種々の測定法などについて説明する。
5. 核磁気共鳴(NMR)スペクトル: 有機化合物の骨格を構成する水素原子と炭素原子の、結合状態に関する情報を与える1H(プロトン)および13C核磁気共鳴法について、測定の原理、スペクトルの解析方法、種々の測定方法とそれにより得られる情報について説明する。機器分析の中では最も多くの情報が得られ、機器分析による構造決定の中心をなす方法であるので、十分時間を取って説明する。
6. 有機化合物の構造決定各測定方法のまとめ、総合的な例題の解説。
履修条件・関連項目
有機化学の知識が必要です。生化学、生理活性物質化学、農薬化学などに関連する。
テキスト・教科書
プリントをMoodleにアップするので、ダウンロードしてください。
参考書
テキストブック有機スペクトル解析;楠見武徳著(裳華房)
有機スペクトル解析:臼杵・宇野・築部編(丸善出版)
その他「機器分析」「スペクトル」というキーワードの入った本
成績評価の方法
期末試験で評価する。また、例題の説明や練習問題をしながら講義を進めて行くので、出席も重視する。(試験80%, 出席20%)
教員から一言
 有機化合物が活性や機能を示すには必ずその構造が関係している。物質の名前を見たときに、構造式を思い浮かべることで、新しい視点が開けることもあろう。講義だけでなく 、実際のスペクトルを解析することで構造決定の面白さを知り、生物の現象を物質レベル で解析できる素養を身につけて欲しい。
キーワード
有機化合物の機器分析,紫外吸収スペクトル(IR),赤外吸収スペクトル(UV),質量分析(MS),核磁気共鳴(NMR)
オフィスアワー
講義で理解できなかった点は出席票に書いて貰い、次回の最初にその点を中心に補足説明をする。講義終了後やメールでの質問も受け付けます。
備考1
講義はプロジェクターを使用して行う。配付資料と投影したPowerPointはMoodleにアップするので、ノートを取るのが苦手な人は、活用して欲しい。 現在、本学で利用可能な分析機器は大変充実しており、世界的なレベルにある。それらを十分に活用して、卒論や大学院での実験で実りある成果をあげて欲しい。
備考2
過去の成績分布は以下の通りです。
平成29年度 S:11% A:35% B:17% C:7% D:4%
平成28年度 S:7% A:22% B:18% C:8% D:10%
参照ホームページ
講義で使用したPowerPointのファイルはmoodleに載せておきます。復習に活用してください。
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2018/03/29 9:03:25