科目名[英文名]
生物相関学   [Molecular Mechanism of Bio-interaction]
区分   選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 2  開講時期 後学期 
授業形態 後学期  時間割番号 01BN2121
責任教員 [ローマ字表記]
鈴木 丈詞, 佐藤 令一   [SUZUKI Takeshi, SATO Ryoichi]
所属 生物システム応用科学府 研究室 相関分子生物学  メールアドレス

概要
 生物は互いに影響しつつ、かつせめぎ合いながら、それぞれの生命を育んでいる。その関係と仕組みを深く理解することから、様々な哲学が生まれるとともに新しい病害虫防除の方法が見い出せるはずである。
 講義の前半では微生物と宿主(ヒトや昆虫)との間に見られる絶妙な攻防とその分子機構、動物による雌雄や食物の探索・認識の分子機構について紹介する。
後半では,まず,農業における害虫,益虫,ただの虫の関係と防除の歴史について紹介し,持続可能な農業について検討する.次に,生物だけでなく単位系や物理量における相関を紹介し,科学の基礎を身に付けるとともに,物理・生物現象の理解における「比較」の重要性を学ぶ.さらに,ゲノムと環境の相互作用について,生物の多様な表現型を紹介し,生命史上最大級の謎「カンブリア紀の爆発」に迫る.
到達基準
生物の生き様がどのような手法で研究されてきたか理解し、またそれを知ることの面白さを感じ取れる能力を身につけることを目指して欲しい。
授業内容
その1(佐藤)

 1)病原細菌はなぜ病気を引き起こせるか
  ①毒素、結合因子、侵入因子、生体防御打破因子
  ②分子機械BT毒素の構造と機能、作用機構、および応用
 2)動物は非病原性細菌に何故負けないのか。
  ①自然免疫を構築する分子(抗菌ペプチド、異物受容体)
  ②蛋白質の特異的な結合の原理
 3)匂い、フェロモン、味の受容と認識の分子機構
  ①哺乳類と昆虫の匂い、フェロモンの受容機構
  ②哺乳類と昆虫の味の受容機構

 宿主と細菌との間には生存と繁栄をかけた興味深い種々の駆け引きがみられる。また、動物の化学認識の仕組みは哺乳類も昆虫も独特にしてかつ類似した分子基盤の上にある。それらが今、タンパク質を中心とした分子の言葉で解き明かされつつあることを理解して欲しい。

その2(鈴木)

 1)農業における生物相関
  ①害虫,益虫,ただの虫
  ②IPMとIBM
 2)単位系,分子,環境における相関
  ①国際単位系(SI)と物理量
  ②生物時計
 3)多様な表現型:ゲノムと環境の相互作用
  ①環境と発生・病気・進化
  ②カンブリア紀の爆発と光スイッチ説


履修条件・関連項目
生物化学1、2、分子生物学1、2、細胞生物化学、遺伝学 を履修済みであることが望ましい
テキスト・教科書
プリントを配布する。
参考書
高橋信孝 等共著 「生理活性天然物化学」 東京大学出版会、本田武司 著 「病気と細菌毒素」 化学同人、内山竹彦ら編「生物間の攻撃と防御の蛋白質」共立出版、渡邊治雄編「細菌感染の分子医学その新展開」羊土社、日本化学会編「味と匂いの分子認識」学会出版センター、勝部幸輝ら監修「タンパク質の構造入門」教育社、桐谷圭治著「ただの虫を無視しない農表」築地書館,産業技術総合研究所訳・監修「国際単位系(SI)国際文書第8版(2006)」https://www.nmij.jp/library/units/si/R8/SI8J.pdf,古在豊樹ら編「最新施設園芸学」朝倉書店,富岡憲治ら著「時間生物学の基礎」裳華房,スコット F. ギルバード/デイビット・イーペル著(正木進三ら訳)「生態進化発生学」東海大学出版,アンドリュー・パーカー著(渡辺正隆・今西康子訳)「眼の誕生」草思社
成績評価の方法
佐藤分・鈴木分ともに出席20%,試験が80%.
教員から一言
この分野の研究の話が聞きたい人は研究室まで遊びに来てください。
キーワード
病原細菌,毒素,受容体
オフィスアワー
随時可能。e-mailで連絡して、小金井キャンパスBASE本館(佐藤 417号室;鈴木 420号室)まで来てください。
備考1
e-mail: 佐藤,ryoichi@cc.tuat.ac.jp
     鈴木,tszk@cc.tuat.ac.jp
備考2
参照ホームページ
佐藤 http://www.tuat.ac.jp/~rsatolab/ , 鈴木 http://web.tuat.ac.jp/~tszk/
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2018/09/03 18:50:21