科目名[英文名]
植物病理学   [Plant Pathology]
区分   選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 3  開講時期 前学期 
授業形態 前学期  時間割番号 01BN3124
責任教員 [ローマ字表記]
小松 健   [KOMATSU Ken]
所属 農学部 研究室   メールアドレス

概要
地球上の植物は、多くの食品の原料であり、我々人類の生命維持と生活環境に欠くことのできないものです。これらの植物にも、我々人間と同様あるいはそれ以上に数多くの病気が発生し、大きな被害と経済的損失をもたらしています。これら植物の病気について、その原因と被害の実態を明らかにし、その制御あるいは防除の方法を研究するのが植物病理学です。本講義では植物病理学の基礎的事項についてできるだけ具体的に解説するとともに、近年の研究の知見も紹介しつつお話をしたいと思います。
到達基準
本講義を通じて、基本的な植物病理学の考え方を理解することを目標とします。さらに、植物のもつ潜在的な異物認識・排除のしくみを理解するとともに、多様な微生物の生存戦略と寄生・共生といった生物間相互作用とその進化について理解を深めることを目指します。
授業内容
1:4/16 イントロダクション(植物病理学の学問分野としての特徴、なぜ植物病理学が必要なのか)
2:4/23 4つの病原タイプと栄養摂取形態、菌類①(菌類概論、ネコブカビと卵菌)
3:4/30 (振替休日、開講)菌類②(子のう菌と担子菌)
4:5/7 細菌、ファイトプラズマ(重要病原とその性状)
5:5/14 ウイルス、ウイロイド、線虫、寄生植物(重要病原とその性状)
6:5/21 病原体の感染・発病機構(侵入、毒素とサプレッサー)
7:5/28 植物の抵抗性の発現機構(過敏感反応、ファイトアレキシン)
8:6/4 植物の抵抗性の遺伝的機構と進化(gene-for-gene theory)
9:6/11 植物の抵抗性の遺伝的機構と進化②(PTIとETI、エフェクター)
10:6/18 植物病の発生と流行(疫学)、それに関わる環境要因
11:6/25 病原体の診断と検出
12:7/2  病害防除、農薬と検疫
13:7/9 予備日・まとめ(植物病理学研究の最新トピックなど)
14:7/16 (海の日、開講)試験
15:7/23 試験講評とまとめ
*授業内容は進度により変更する場合があります。(だいたい後ろにずれます)
履修条件・関連項目
関連する講義科目:病原微生物学、植物保護学、微生物学、植物生理学、細胞生物学、生化学、分子生物学、遺伝学、生態学など
テキスト・教科書
プリントを配布します。同時に履修者にはweb上で講義資料を参照できるようにいたします。ただし講義をよほど聞いていないとプリントだけでは試験には対応できないと思いますので、随時下の参考書を用いてください。
参考書
・大木 理著「植物病理学」東京化学同人 (2007):植物病理学のエッセンスが予備知識なしに理解できる。価格も安く(2500円)、読みやすくて面白い。
・眞山滋志ら編「植物病理学」文永堂出版 (2009):日本中の第一人者が集まって基礎から最新の知見まですべてを網羅した、専門家が読んでも発見がたくさんある決定版の一冊。関係分野に進むかもしれない方は持っておくと良い。価格はそれなり(5200円)。
成績評価の方法
期末試験の成績で評価いたします。毎回出席していれば解ける(Cがつく)とは限りません。
教員から一言
植物病理学は100年以上の歴史を持ち、植物や微生物、生理・生化学等の極めて広い他の学問分野の知見、技術を土台とし、それらとの関連を持って成り立っています。また、農業のグローバル化に伴い世界中で新たな病気は次々と発生しており、そのため新たな科学的技術が次々と取り入れられ、知見が深化し続けている学問分野でもあります。植物の病気や微生物、植物に興味を持つ方のみならず、食品や動物など他の学問分野に興味があるみなさんにとっても、それらを学ぶ際のヒントを与えてくれ、学問的興味を広げる一助になると確信しています。
キーワード
植物病理学, 植物-微生物相互作用, 病原力/病原性, 病害抵抗性, 病害診断, 病害制御, 植物ホルモン, 二次代謝産物, 微生物ゲノム
オフィスアワー
基本的に可能な限り対応します。平日のお昼休みはなるべく在室しますが、なるべく授業の終了時、あるいはメール等でご連絡下さい。
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2018/04/10 10:58:47