科目名[英文名]
応用生物科学専門実験Ⅱ   [Laboratory Work of Applied Biological Science Ⅱ]
区分   選択必修   単位数 1 
対象学科等   対象年次 3  開講時期 前学期 
授業形態 前学期  時間割番号 01BN3155
責任教員 [ローマ字表記]
川合 伸也, 小松 健   [KAWAI Shinya, KOMATSU Ken]
所属 農学部 研究室   メールアドレス

概要
Aクラス:制限酵素で切断したλファージ由来のDNA断片を、同じ制限酵素で処理したベクタープラスミドに連結する。大腸菌のコンピテントセルを調製し、連結反応したDNAを用いて、形質転換を行なう。選択培地上に生じた大腸菌コロニーが外来断片を挿入されたプラスミドを含むかどうかを青白選択により予想する。各コロニーの大腸菌からプラスミドDNAを抽出し、(i)制限酵素による切断とアガロースゲル電気泳動、(ii)塩基配列決定、により、外来断片を挿入しているかどうかを解析する。
Bクラス:シロイヌナズナから染色体DNAを抽出し、PCR解析により遺伝子組換えの有無を検査する。あるいは、枯草菌からゲノムDNAを抽出し純度を測定する。
到達基準
(a)大腸菌を用いた外来DNA断片のベクターへのクローニング実験、(b) PCRを用いた外来遺伝子検査、または、枯草菌からのゲノムDNA抽出と純度測定、により遺伝子操作と分子生物学的実験法の基礎を修得する。
授業内容
<実験の内容>
(1)培地の作製
(2)リガーゼ反応
(3)コンピテントセルの調製
(4)大腸菌の形質転換
(5)プラスミドDNAの単離
(6)制限酵素によるDNAの切断
(7)アガロースゲル電気泳動によるDNAの分析
(8)塩基配列の決定
(9)外来遺伝子断片の遺伝情報解析
(10)形質転換植物からの染色体DNA抽出と外来遺伝子のPCR解析、または、枯草菌からゲノムDNAを抽出と純度測定

<履修のポイント>
実験を通じて、遺伝子クローニングの一連の操作を体験し、その考え方を修得する。これにより、遺伝子工学的手法を自由に行うことができるようになることを目指す。 制限酵素処理や連結反応では何がおこっているのか、なぜ形質転換された大腸菌だけが生育できるのか、なぜコロニーができるのか、大腸菌の何%程度が形質転換されるのか、目的DNA断片が挿入されたプラスミドで形質転換された大腸菌のコロニーは白くなり、そうでないプラスミドで形質転換された場合は青くなるのは、どのような性質を利用しているのか、目的の断片が挿入される効率を上げるためにどのような工夫をしているのか、なぜプラスミドDNAだけが効率良く単離できるのか、なぜ電気泳動法によりDNA断片が分離でき、可視化できるのか、塩基配列決定の原理、塩基配列解析ソフトやデータベース利用法、遺伝子組換体かどうかを判断するためにはどのようなことに注意すべきか、などについて考えてみること。
履修条件・関連項目
履修条件は備考の欄を参照のこと。
テキスト・教科書
テキストを配布します。
参考書
(1)Molecular Cloning(Third Edition),Cold Spring Harbor Laboratory Press,NewYork (2)バイオ実験イラストレイテッド?遺伝子解析の基礎(秀潤社)
成績評価の方法
出席50%とレポート50%により評価する。なお、1/3以上の欠席には単位を与えない。
教員から一言
実験操作は、ほとんど混ぜるだけで、チューブの中で何がおこっているかは、見ることができません。培養液が濁る、沈澱が見える、コロニーが生じる、色がつく、電気泳動後のバンドが検出される、等実際に見ることができる結果から、よく考え、よく想像して、何がおこっているかを実感して下さい。
キーワード
遺伝子、クローニング、プラスミド、ラクトースオペロン、制限酵素、脱リン酸化、ライゲーション、形質転換、PCR、アガロースゲル電気泳動
オフィスアワー
質問等は実験中随時受け付けるが、それ以外の場合はE-mailにて予定を確認すること。
備考1
実験の履修に関しては、施設・設備の制約から2クラスに分けます。
実験の履修には、2年次前期終了時点で次の条件を満たしていなければなりません。
1)全学共通教育科目を25単位以上、ただしTATⅡ科目を12単位以上(化学実験、生物学実験は必修)、リテラシーは5単位以上を履修していること。
2)学科専門科目は、18単位以上を修得していること。
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2018/03/19 10:29:19