科目名[英文名]
持続可能な開発のための教育(ESD)   [Education for Sustainable development(ESD)]
区分   選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 2  開講時期 後学期 
授業形態 後学期  時間割番号 01RN2232
責任教員 [ローマ字表記]
朝岡 幸彦, 野田 恵, 石﨑 一記   [ASAOKA Yukihiko, NODA Megumi, ISHIZAKI Kazuki]
所属 農学部 研究室   メールアドレス

概要
持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development/ESD)の重要性が、2002年の持続可能な開発に関する世界首脳会議(ヨハネスブルク・サミット)で確認され、国連・持続可能な開発のための教育の10年(DESD/2005〜2014年)が各国で取り組まれている。この授業は、ESD概念の背景と基本枠を確認したうえで、ESDに固有の学習のあり方について考える。
到達基準
持続可能な開発のための教育(ESD)を手がかりとして、人類が進めてきた開発・発展・発達をどのように考えるべきなのか、オリジナルな見識を持てるようにする。
授業内容
この授業の主な構成は次の通りです。(3分の2を集中講義で行うため、一部順序が入れ替わるかもしれません。)
定期開講部分:朝岡幸彦(本学)10/5,12,26,11/16,30(金)の金曜日5時限目(5回開講)。
集中講義部分:10/13(土)9:30〜17:30自然体験活動(石崎)、11/3(土)9:30〜17:30(野田)

第1部:ESDとは何か(朝岡)
持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development)は、グローバリゼーション(globalization)と呼ばれる時代状況に向き合う教育のあり方である。いまから50年ほど前まで、私たち日本人にはさまざまな能力があった。いまだにこうした能力を保ち続けている民族や社会もあるが、グローバリゼーションのもとで世界が急速に市場化・共通化する中で、いずれ失われてしまうのではないかと思われる。ここでは、ESDの学習論の事例として、自然体験学習の方法について実践しながら学ぶ。
第1講 ESD時代とは/第2講 環境教育とESD/第3講 ESDが求める学習①/第4講 ESDが求める学習②/第5講 ESDの学習論

第2部:ESDの理論と実践(集中講義/野田先生、石崎先生)
(1)自然体験学習の実践を通じてESDのについて理解を深める。(10/13・石崎)
(2)事例を通じてESDについて理解を深める(11/3・野田)
参加型学習:ESDを学ぶ教材「西淀川の経験から考える市民力」をやってみよう、他

「持続可能な開発のための教育(ESD)」は、ヨハネスブルク・環境サミット(2002年)で提起された比較的新しい概念である。しかしながら、ESDは環境教育の視点からのみ語られるべきものではない。この講義では、環境教育に加え開発教育の歴史と基本的な枠組みを概観するとともに、「口伝」を通じてESDの学習論を考えながら、環境教育学を超えた ESD学の可能性について考察したい。
1970年代に国際的に使われはじめて以後、自然から人、社会へと拡張されてきた「環境教育」概念が、「持続可能な開発」「持続可能性」などの概念と結びつき、それまで「開発教育」が基盤としてきた「公正な世界」への志向とも結びついて、ESDという新たな概念へと発展したと考えることができる。ESDはビジョン(未来思考性)をもった対話と参画を重んじる新しい教育のアプローチであり、組織・社会変革を目指して組織・社会としての学びや状況的学
習を重視するものであり、教育の新しいジャンルではなく既存の教育からのアプローチが可能なものであると定義される。むしろ、グローバリゼーションのもとで求められる「もう一つの教育」のあり方として理解したい。
履修条件・関連項目
テキスト・教科書
朝岡幸彦編『入門 新しい環境教育の実践』(筑波書房、2016年)
参考書
参考文献を授業中に紹介します。
成績評価の方法
授業の区切りごとに課題を出します。集中講義部分(A=野田、B=石崎)+定期開講部分(朝岡)の課題で評価します。
教員から一言
新しい領域なので一緒に考えてみてください。
キーワード
持続可能な開発、ローカルな知、unlearn、体験、口伝、非認知スキル
オフィスアワー
各教員で異なるので、事前にメールでアポイントメントを取ってください。
備考1
備考2
参照ホームページ
https://sites.google.com/site/fuchudo/home
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2018/07/27 11:09:33