科目名[英文名] | |||||
環境倫理学 [Environmental Ethics] | |||||
区分 | 選択必修 | 単位数 | 2 | ||
対象学科等 | 対象年次 | 3~ | 開講時期 | 後学期 | |
授業形態 | 後学期 | 時間割番号 | 01RN3255 | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
増田 敬祐 [MASUDA Keisuke] | |||||
所属 | 農学府 | 研究室 | メールアドレス |
概要 |
環境倫理学の始まりは地球規模の自然環境破壊を問題とするものでしたが、その後、様々な論点が展開される中で自然環境だけを「環境」と捉えるのではなく、人間が生きる社会環境も「環境」の一部であることが指摘されるようになりました。本講義では以上を踏まえ「環境」の問題について共生(Kyosei)という自然と人間、人間と人間の関わりのあり方からみていきます。共生という“ものの考え方”を適用することによって私たちが保護すべき自然とは何か、またみんながどうやって「きょうどう」して自然保護について合意形成していくのか、その手掛かりを学んでもらいます。具体的には共生のイメージについて映画『もののけ姫』の鑑賞や『ギルガメシュ叙事詩』を参照しながら、環境倫理の基礎論点を理解し、次に保護すべき自然についてローカル(地域社会、コミュニティ)の次元を足場にした風土概念から考えていきます。その際、風土的環境倫理という方法から多様な意見や価値をどのように合意形成していくのか説明します。人間の暮らしと「環境」が持続可能な形でこれからも継承されていくには今、何が求められているのか、環境倫理学の観点から説明できるようになることを目指します。 |
到達基準 |
(1) 「人間と自然の共生がなぜ現代において必要なのか」を考えるため、共通の“基礎素養”として 環境倫理の論点と基礎知識の習得を目指します。 (2) 現代日本が直面する課題の解決について風土的環境倫理の意義を理解し、日本の現実に即した環境倫理を“創造的に”考える視点をもつことを心がけてもらいます。 (3)自然保護・環境問題の解決のために、人間と自然の共生や合意形成のあり方について自分の意見を、異なる意見に配慮しつつまとめることができるようにします(特にレポート)。 |
授業内容 |
第1回 0.ガイダンス モアイ像からのメッセージ 環境倫理学とは何か:環境倫理学の論点と日本的環境倫理の可能性 第2回 1.「環境倫理学」の論点①〜人間中心主義と人間非中心主義から〜 第3回 2.「環境倫理学」の論点②〜コモンズの悲劇と救命艇の倫理〜 第4回 3.「環境倫理学」の論点③〜日本的環境倫理の可能性〜 共生(kyosei)とは何か? 第5回 1.生物的共生(symbiosis)と共生(kyosei)の違いとその意味 第6回 2.「ギルガメシュ叙事詩」から考える共生(kyosei) 第7回 3. 映画「もののけ姫」から考える共生(kyosei)① 第8回 4. 映画「もののけ姫」から考える共生(kyosei)② 第9回 5. 自然と人間、人間と人間が関わり合うとはどういうことか? 未来世代に対する責任 第10回 1. 公害事件と環境正義 第11回 2. 未来世代に対する責任 風土的環境倫理の現代的意義 第12回 1. 環境倫理と風土のコンセプト 第13回 2. 風土的環境倫理とその意義 第14回 3. 現代の〈人間の危機〉と風土 第15回 4. 風土〈再生〉の可能性と〈農〉の意義 |
履修条件・関連項目 |
1.履修条件は特にないですが、環境問題や自然保護、地域社会、コミュニティに興味があると特に応用が利くと思います。 2.関連科目:共通科目の倫理学、専門科目の「共生社会」プログラムの各科目(特に環境哲学、環境 教育学) |
テキスト・教科書 |
授業は、配布プリントによって行う。 テキスト:亀山純生『環境倫理と風土』(大月書店) |
参考書 |
尾関周二・亀山純生・武田一博編『環境思想のキーワード』(青木書店)を授業全体のメイン参考書とする。その他の参考書は適宜、授業中に紹介する。 |
成績評価の方法 |
1.成績評価は下記の単位認定の必要条件を満たした者について行う。 (1)質問カードの提出4回以上(詳細は最初の授業で説明) (2)総括レポートの提出 (3)その他適宜ミニレポートの提出を求めることがある 2.成績評価は上記を勘案しつつ総括レポートによって行う。 |
教員から一言 |
現代日本における環境の問題とは何でしょうか。公害や自然環境破壊だけが環境問題なのでしょうか。環境問題を倫理的問いとして考えることがなぜ今重要なのか、実は人間が生きるということの根源につながるこれらの問いについて本講義では、映画「もののけ姫」の鑑賞などを通して、受講者のみなさんとともに考えていきたいと思います。 |
キーワード |
風土的環境倫理,自然と人間、人間と人間の共生,日本的自然観,合意形成,環境倫理の基礎論点 |
オフィスアワー |
質問等は授業後に受付ける。 |
備考1 |
備考2 |
参照ホームページ |
開講言語 |
語学学習科目 |
更新日付 |
2018/10/01 18:11:39 |