科目名[英文名]
文学・芸術学   [Art and Literature]
区分 全学共通教育科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 3  開講時期 後学期 
授業形態 後学期  時間割番号 01SS0208
責任教員 [ローマ字表記]
高橋 在也   [TAKAHASHI Zaiya]
所属 農学府 研究室   メールアドレス

概要
「文学・芸術学」は、大きくみれば哲学、より専門的には美学とよばれる学問領域に属します。美学は英語ではaestheticsと言い、「感性の学問」という意味です。「文学・芸術学」では、この「感性」が、私たちにとってもつ意味を、探求します。「感性」とは、私たちの心が、なにかに出会った時、その相手を受け取り、触発される能力のことです(「相手」とは、具体的な人であったり、社会的事件であったり、空模様だったりします)。わたしは、これからの時代は、どんな職業に就くにせよ、出来合いの意見や世論の寄せ集めではなく、ひとりひとりが自分の歩む人生を裏切らないような意見を持つことが、とても大事になると考えています。そのためには、「感性」の働きに、もっと注目する必要があると考えます(その理由は、授業のなかで話します)。授業では、過去の文学・芸術運動をとりあげながら、いま、わたしたちが感じ、意見をもつためのヒントを一緒に探求していきたいと思います。
到達基準
・「感性」の働きと意味について、古今の事例や自身の経験をもとに、説得的に語ることができる。
・歴史上の文学・芸術運動についての理解を深める。
・自身が、広義の意味での文学・芸術の作り手(職業的芸術家だけではなく、生活のなかでの創り手)となるための、ヒントを得られる。
授業内容
第1・2回
直観・思考・感性―なぜ感性が大事なのか―
 参考図書:イマニュエル・カント『純粋理性批判1』中山元訳、光文社古典新訳文庫、2010年
      中井正一『中井正一評論集』岩波文庫、1995年

第3・4回
「文学」と「芸術」の違いとつながり〜最古の人類の表現から考える〜
 参考図書:『旧約聖書 創世記』関根正雄訳、岩波文庫、1956年
      レイモンド・ウィリアムズ『キーワード辞典』椎名美智ほか訳、平凡社ライブラリー、2011年

第5・6・7回
言葉:「青鞜」の女性にとっての感性の解放
 参考図書:堀場清子編『「青鞜」女性解放論集』岩波文庫

第8・9・10回
音:悲しみを容れる器としての音楽、キリスト教の教会音楽と受難曲の歴史
 参考CD:J.S.バッハ『マタイ受難曲』、アルヴォ・ペルト『ヨハネ受難曲』

第11・12・13回
絵:「闇の画家」にとっての友情の意味、ルオーとシュアレス
 参考図書:『現代世界美術全集12 ルオー』柳宗玄解説、集英社、1972年

第14回
心:自己破壊の連鎖と救われ
 参考図書:シモーヌ・ヴェイユ『重力と恩寵』ちくま学芸文庫、1995年 / スピノザ『エチカ』佐藤一郎編訳、2007年 / 深尾葉子『魂の脱植民地化とは何か』青灯社、2012年

第15回
まとめ:感性の働きと意味
履修条件・関連項目
特にありません。
テキスト・教科書
授業時に、プリントを配布します。視聴覚資料も適宜利用する予定です。
参考書
各回で中心的に扱う資料を、参考書として挙げておきました。どちらかというと、授業後に、ひとりひとりで対峙してくださることを念頭においています。
成績評価の方法
毎回、授業内でコメントペーパーを書きます。授業の進捗状況によって、適宜宿題を出します。
コメントペーパーと宿題で、50%、学期末のまとめレポートで、50%で、このように成績を評価します。
教員から一言
毎回皆さんに書いていただくコメントペーパーの中身に応じることで、授業内容も多少変動します。
キーワード
言葉 芸術 感性 孤独 関係性
オフィスアワー
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
語学学習科目
更新日付
2018/10/03 10:36:58