科目名[英文名]
多文化共生論   [Cultures Studies for Symbiotic Society]
区分 全学共通教育科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 14  開講時期 前学期 
授業形態 前学期  時間割番号 020007
責任教員 [ローマ字表記]
福島 康博   [FUKUSHIMA Yasuhiro]
所属 農学府 研究室   メールアドレス

概要
グローバリゼ―ションとは、ヒト・モノ・カネ・情報が地域や国境を越えて自由に往来する現象を指す。そのため地域社会にとっては、以前は異質とされたものが次々と流入する現象としてとらえることができる。例えば日本では、外国人観光客が急増し「爆買い」によって国内消費が伸びる一方で難民受け入れには消極的であるなど、多くの課題に直面している。
本科目は、グローバリゼーションが進む現代において、地域社会における多様な文化・民族の人びとが共生することについて検討する。具体例として、多文化・多民族国家であるマレーシアの事例、およびわれわれが暮らす日本の事例を取り扱う。
本科目を「自分たち」とは異なる人びとの文化の様相と、そうした人びとと共に暮らすことを考える上でのきっかけとしてほしい。
到達基準
(1)多文化共生論に関する基本的概念を正しく理解し、説明できるようになる。
(2)マレーシアと日本の事例を通じて、多文化共生社会のあり方と実現に向けての課題を理解し、説明できるようになる。
授業内容
本授業は3部構成とする。
第1部では、多文化共生社会に関する基本的な概念と、国際社会やグローバル社会といった類似の概念との違いを解説する。
第2部では、多文化共生社会の事例としてマレーシアを取り上げる。マレーシアは、第二次大戦後に独立した多文化・多民族国家でありながら、大規模な民族衝突・内戦を回避してきた国であり、多文化共生を検討する上で重要な事例である。マレーシアの事例のうち、ハラール食品やムスリム・フレンドリー・ツアーなどイスラームに根差した商品・サービスを扱う産業を取り上げ、多文化共生の視点から解説する。
第3部では、同じく多文化共生社会の事例として、日本を取り上げる。具体的なトピックとして、日本の人口問題と外国人労働者・観光客に関する諸課題、および日本企業による海外進出を取り上げ、日本(人)にとっての多文化共生社会のあり方を検討する。

【第1部 基本概念】
第01講: ガイダンス
第02講: 多文化共生社会の基本概念
第03講: 国際社会、グローバル社会、多文化共生社会
第04講: ビデオ上映: 「ハラール産業と日本」
第05講: グローバリゼーションが与える影響

【第2部 マレーシアの事例】
第06講: 多民族国家マレーシア
第07講: イスラームの考え方
第08講: ハラール食品(1)イスラームと食
第09講: ハラール食品(2)ハラール認証制度
第10講: イスラームと旅行

【第3部 日本の事例】
第11講: 人口問題
第12講: 外国人労働者
第13講: 外国人観光客
第14講: 外国人ムスリム観光客への対応
第15講: 日本企業の海外進出
履修条件・関連項目
なし。マレーシアをはじめ東南アジアなど海外の事例を取り扱うが、履修者には英語やマレーシア語など外国語の運用能力は問わないので、安心して履修してほしい。
テキスト・教科書
なし。毎回資料を配布する。期末テストでは持ち込み可とするので、なくさないようファイル等で保管しておくこと。
参考書
最初の授業の際、指示する。
成績評価の方法
以下の2点に基づき評価する。
(1)クラス・パーティシペーション(30%)、 (2)期末テスト(70%)
2017年度成績分布: S(13%)、A(42%)、B(30%)、C(6%)、D(9%)
教員から一言
本授業は、「民族、文化」「国家、コミュニティー」「共生」「イスラーム、宗教」「マレーシア、東南アジア」など、学生にとってはあまり馴染みのないテーマを扱うことになるが、専門的知識がなくても理解できるよう心掛けるので、関心のある積極的な学生の履修を歓迎する。
キーワード
多文化共生、地域社会、グローバリゼーション、イスラーム、東南アジア、マレーシア
オフィスアワー
授業内容に関する質問等は授業前後に受け付ける。また、担当教員が開設している本科目のためのウェブサイトやMoodleにおいて、本科目に関する情報を提供するので、確認を怠らないようにすること。
備考1
備考2
参照ホームページ
担当教員の個人ウェブサイト http://islamandeconomy.web.fc2.com
開講言語
語学学習科目
更新日付
2018/03/08 9:06:25