科目名[英文名]
分子生物学Ⅰ   [Molecular Biology Ⅰ]
区分 工学部専門科目等  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 14  開講時期 後学期 
授業形態 後学期  時間割番号 021117
責任教員 [ローマ字表記]
新垣 篤史   [ARAKAKI Atsushi]
所属 工学部 研究室   メールアドレス

概要
本講義では、細胞の機能が遺伝子やタンパク質などの生体分子により、どのように制御・維持されているかの基本原理を学ぶ。具体的には、原核生物(細菌)における遺伝子やゲノムの構造、DNAの複製、転写、翻訳、遺伝子変異と修復機構、遺伝子発現の制御機構などを中心として、細胞機能が発現する基本的な仕組みを理解する。また、分子生物学の発展に伴って開発が進められてきた遺伝子組換え技術や遺伝子解析技術の基礎についても学ぶ。
到達基準
生命現象を分子レベルのミクロな視点で捉えて理解するための基礎学力と考察力を養い、本講義で学んだ内容が専門用語を用いて説明できることを到達基準とする。
授業内容
第1回 分子生物学とは(イントロダクション)
 授業の進め方を説明するとともに、分子生物学の重要性やノーベル賞からみた分子生物学について解説する。
第2回 DNA,RNAの構造
DNA,RNAの物理的性質と化学的性質を解説する。二重らせん構造、超らせん構造などの物理的性質と塩基対形成、核酸変性などの化学的性質を学ぶ。また、RNAの種類(ribosomal RNA, transfer RNA, messenger RNA)とそれぞれの構造、機能について学ぶ。
第3回 DNAの複製Ⅰ
第4回 DNAの複製Ⅱ
 原核生物におけるDNAの複製機構について解説する。各々の複製開始の反応機構(反応開始点、伸長反応、複製の終了)と酵素、タンパク質の役割について学び、DNA複製系の全体像を解説する。
第5回 DNAの変異性と修復
 DNAの変異、化学的、物理的損傷に対する修復機構に関して解説する。DNA複製時の変異修復や除去修復、組み換え修復について学ぶ。
第6回 転写
原核生物におけるDNAからRNAへの転写について解説する。RNAの転写に関わる因子(シグマ因子、開始点の塩基配列等)と反応機構について学ぶ。
第7回 翻訳
原核生物におけるタンパク質合成について解説する。tRNAの構造、開始因子、伸長因子とそれぞれの反応機構における役割を学ぶ。
第8回 中間テスト
第1回から第7回までの内容について出題する。
第9回 原核生物における遺伝子発現の制御Ⅰ
第10回 原核生物における遺伝子発現の制御Ⅱ
遺伝子発現の制御について解説する。リプレッサータンパク質、inducerによる遺伝子発現のオン/オフの制御について学ぶ。
第11回 細菌ウィルス、プラスミド
 原核生物におけるウィルスやプラスミドの種類について解説する。細菌ウィルスの増殖、及びプラスミドの伝達と複製について学ぶ。
第12回 トランスポゾン、相同性組み換え
 トランスポゾンの構造や転位機構及び相同性組換えの機構と関連酵素について学ぶ。また、トランスポゾンや相同性組換えを用いた遺伝子ノックアウト技術に関して解説する。
第13回 分子生物学の研究技術Ⅰ
第14回 分子生物学の研究技術Ⅱ
遺伝子組換えの基本技術について解説する。 制限酵素、ベクター、DNA抽出、電気泳動法、PCR法などの基本原理と組換え体の選別方法の流れについて学ぶ。
第15回 期末テスト
 後半(中間テスト以降)の内容を主にしつつ、前半の内容についても問う問題を出題する。
履修条件・関連項目
前期開講の基礎分子生物学を履修し、専門用語や知見を修得していること。
テキスト・教科書
特に指定はない。
参考書
分子生物学の基礎(東京化学同人)
ワトソン遺伝子の分子生物学(東京電機大学出版局)
ワトソン・組換えDNAの分子生物学(丸善株式会社)
ストライヤー生化学(東京化学同人)
成績評価の方法
課題、中間、学期末の試験
教員から一言
細菌やウィルスを対象として分子レベルで細胞機能を理解できる講義を行います。また分子生物学IIにおいて真核生物を対象とした講義が予定されています。両者の違いをしっかりと把握し、統合的な生命理解を行うための礎となるように心がけて学んでほしい。
キーワード
原核生物,DNA複製,転写・翻訳,遺伝子発現の制御,ウィルス,トランスポゾン,プラスミド,PCR
オフィスアワー
月曜日13:00〜14:00
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2018/03/19 14:48:48