科目名[英文名] | |||||
有機化学Ⅱ [Organic ChemistryⅡ] | |||||
区分 | 工学部専門科目等 | 選択必修 | 単位数 | 2 | |
対象学科等 | 対象年次 | 1~4 | 開講時期 | 後学期 | |
授業形態 | 後学期 | 時間割番号 | 021215 | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
山崎 孝 [YAMAZAKI Takashi] | |||||
所属 | 工学部 | 研究室 | メールアドレス |
概要 |
a.目的:有機化学は有用な有機化物を合成するための基礎として重要であるばかりでなく、生体内での有機化合物の代謝や有機化合物の光電子物性など、有機物質の関与するあらゆる科学技術の基盤となる学問である。本科目は4科目からなる有機化学の講義の一部であり、他の三科目と併せて履修することにより有機化学の基礎を身につけることができる。 b.概要:この科目ではアルケン・アルキン・ハロゲン化アルキル・共役ジエン・芳香族化合物などの重要な有機化合物をとりあげ、その構造や性質、特徴的な反応について解説する。また有機化学における重要な概念である「求核置換」、「β-脱離」、「速度支配と熱力学支配」、「共鳴」「芳香族性」について学ぶ。 |
到達基準 |
本講義で取り扱う各種有機化合物の構造・性質・反応性を理解する。また速度支配と熱力学支配・共鳴・芳香族性などの有機化学における重要な概念を理解する。 |
授業内容 |
第1回 アルケン:反応と合成Ⅰ アルケンの製法とアルケント求電子試薬との反応について解説する。アルケンへのハロゲンやハロゲン化水素の付加、アルケンの水和について学ぶ。 第2回アルケン:反応と合成Ⅱ アルケンのエポキシ化・酸化開裂・シクロプロパン化について解説する。またアルケンの付加反応の立体化学的経路について学ぶ。 第3回 アルキンⅠ 天然に存在する重要なアセチレン誘導体について解説する。アルキンの合成・電子構造・命名法、アルキンの付加反応について学ぶ。 第4回 アルキンⅡ・有機ハロゲン化物Ⅰ アルキンの基本的な反応であるアセチリドの生成と反応、アルキンの酸化・還元・水和について解説する。ハロゲン化アルキルの命名法と構造、Grignard試薬・Gilmann試薬の調製について解説する。 第5回 ハロゲン化アルキルⅡ ハロゲン化アルキルの製法、アリルラジカルの安定性について学ぶ。また、有機化学を理解するうえで重要な共鳴形と共鳴理論について理解を深める。 第6回 ハロゲン化アルキルの反応Ⅰ Walden反転および有機化合物の変換法として重要なSN2反応について学ぶ。特にSN2反応における基質・脱離基・溶媒と反応速度の関係について解説する。 第7回 ハロゲン化アルキルの反応Ⅱ 求核性と塩基性の関係、SN1反応に及ぼす基質・脱離基・溶媒について解説する。不飽和化合物の合成法として重要なE2反応とE1反応について解説する。 第8回 中間試験 第9回 共役ジエン 共役ジエンの安定性やDiels-Alder反応など共役ジエンに特有の反応について学ぶ。また有機化学反応の選択性を考える上で重要な速度支配、熱力学支配の概念について解説する。 第10回 ベンゼンと芳香族性 工業的にも重要な芳香族化合物の命名法、ベンゼンの構造と安定性、ベンゼンの表現法について学ぶ。 第11回 ベンゼンの化学Ⅰ 芳香族化合物に特有な性質(芳香族性)とヒュッケル則について解説する。また芳香族イオン、複素環式・多環式芳香族化合物など様々な芳香族化合物について学ぶ。 第12回 ベンゼンの化学Ⅱ 芳香族化合物の代表的な反応である芳香族求電子置換反応について学ぶ。芳香環の反応性、置換芳香環における反応の配向性を中心に解説する。 第13回 ベンゼンの化学Ⅲ 芳香族求核置換反応、ベンザインの化学芳香族化合物の酸化・還元について学ぶ。 第14回 総復習 第15回 期末試験 |
履修条件・関連項目 |
有機化学Iを受講しておくこと。 |
テキスト・教科書 |
マクマリー著「有機化学 上・中 (第9版)」を使用する。ただし、既に第8版を購入済みの場合にはそれを使っても問題はない。 |
参考書 |
上記の教科書は充実した内容を持っているので、特に参考書が必要になることはない。分子模型は学習の助けとなるので、購入・利用を勧めたい。 |
成績評価の方法 |
毎回、理解度をチェックするために演習を行う。学習の達成度は中間試験(50%)と期末試験(50%)の結果を総合して判定する。 |
教員から一言 |
講義は、1回当たり15ページ前後進むため、重要な項目や理解することが困難な内容の解説が重点的に行われる。そのため、上記の授業内容を参考にして、教科書の内容を予習しておくことが、効率的に学習を進めるために重要である。 |
キーワード |
有機化学,物質変換,アルケン,アルキン,ハロゲン化アルキル,芳香族化合物,求核置換反応 |
オフィスアワー |
1号館S210号室;毎週月曜日16:00-17:00 |
備考1 |
備考2 |
参照ホームページ |
開講言語 |
日本語 |
語学学習科目 |
更新日付 |
2018/03/05 14:00:38 |