科目名[英文名] | |||||
化学結合論 [Introduction to Chemical Bonding] | |||||
区分 | 工学部専門科目等 | 選択必修 | 単位数 | 2 | |
対象学科等 | 対象年次 | 1~4 | 開講時期 | 前学期 | |
授業形態 | 前学期 | 時間割番号 | 021306 | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
中田 宗隆 [NAKATA Munetaka] | |||||
所属 | 生物システム応用科学府 | 研究室 | メールアドレス |
概要 |
分子や物質の振る舞いを理解する上で重要な考え方となる原子と原子の結合について,近代における化学結合の考え方の歴史的変遷を踏まえ,化学結合を半定量的に取り扱って理解する.高等学校までに学んできた化学,数学,物理を組み合わせて,化学結合という極めて重要な概念を量子化学を使って考える.授業は原則として教科書にそって行う. |
到達基準 |
狭義の化学結合から分子間相互作用まで統一的に定性的な説明ができるようになること. 分(原)子軌道の相互作用によって生じる軌道の定性的,半定量的な扱いができるようになること. 広義の化学結合を分子軌道的手法により定性的に説明できるようになること. 金属元素/非金属元素からなる物質の電子状態を分子軌道的に定性的な説明ができるようになること. |
授業内容 |
電子の共有によるエネルギーの安定化を使って,原子から材料まで統一的に化学結合を考えることを試みる.最初に定性的な古典力学と量子論との差異,量子論の「化学」へ与えた影響について考える.次いで,それを基に,原子と原子の強い相互作用による集合体としての分子,その集団としての固体物質について,その結合を分子軌道法の考え方で解釈する.学習を進めるに当たり,定性的・視覚的には「軌道」を,定量的には近似的な計算の比較を手法として用い,化学結合の概念の理解につなげる. 1 原子の構造と性質 2 原子軌道と電子配置 3 分子軌道と共有結合 4 異核二原子分子と電気双極子モーメント 5 混成軌道と分子の形 6 配位結合と金属錯体 7 有機化合物の単結合と異性体 8 パイ結合と共役二重結合 9 共有結合と巨大分子 10 イオン結合とイオン結晶 11 金属結合と金属結晶 12 水素結合と生体分子 13 疎水結合と界面活性剤 14 ファンデルワールス結合と分子結晶 15 まとめ |
履修条件・関連項目 |
有機材料化学科で開講される科目群を系統的に履修する意思のあること. |
テキスト・教科書 |
物理化学入門シリーズ-化学結合論,中田宗隆著,裳華房 |
参考書 |
化学結合-その量子論的理解-,Pimentel, Spratley著,千原英昭・大西俊一訳,東京化学同人. 量子化学-基本の考え方16章,中田宗隆著,東京化学同人 |
成績評価の方法 |
期末試験により評価する(80%).受講者の理解度によっては中間試験(20%)を行う予定. 昨年度の成績分布:S(15%),A(31%),B(29%),C(19%),D(6%) |
教員から一言 |
高校までの学習内容について部分的の補強・修正を加え,電子の存在の仕方により結合や物質の性質・挙動を統一的に理解することに挑戦する.また,波動関数という新しい概念で化学結合を理解しなおす.教科書を読んだり,授業を聴いたりして疑問に思ったことをメールで質問するとよい.次回の授業で質問に対する説明を行う.質問の内容の一部は定期試験に反映させる予定. |
キーワード |
化学結合,量子論,分子構造,分子軌道法,共有結合 |
オフィスアワー |
質問があれば,授業中いつでも受け付ける.また,メールでアポイントをとればこちらから日時を指定する. |
備考1 |
備考2 |
参照ホームページ |
http://web.tuat.ac.jp/~nakata/index_js.html |
開講言語 |
日本語 |
語学学習科目 |
更新日付 |
2018/03/01 12:29:52 |