科目名[英文名]
化学工学序論   [Introduction to Chemical Engineering]
区分 工学部専門科目等  選択必修   単位数 1 
対象学科等   対象年次 14  開講時期 前学期 
授業形態 前学期  時間割番号 021409
責任教員 [ローマ字表記]
神谷 秀博   [KAMIYA Hidehiro]
所属 役員 研究室   メールアドレス

概要
本学化学システム工学科に入学した各学生が、化学工学を学ぶに当たり、化学工学とは何か、その果たしてきた歴史と現代における課題、現代において果たしつつある役割などを総合的、俯瞰的に概観することで、今後の講義等において化学工学を学ぶ意義を理解し、意欲を持って学ぶ第一歩となることを目的とする。この目的のため、本講義では、最初に化学工学の基礎概念について、創成期からの化学プラント、化学プロセスのための化学工学から、近年の様々な分野への「化学工学概念」の応用展開の事例を参考にして解説する。次に、「化学工学」が最も重要な役割を果たし、また役割が重要となってきているトピックスとして、公害、環境問題、エネルギー、最先端材料開発及び製造技術などについて紹介する。本講義では、主体的に化学工学を学ぶ意味を理解するため、特に環境・公害、エネルギー・熱、材料プロセス・ナノテクノロジー、分離・拡散など各自テーマを設定し、化学工学の視点から、その応用展開事例を調査し、毎回数名ずつ各自が独自に行った調査・研究結果を発表する。発表結果に対し、討議を行うことで化学工学の意義、方法論、役割について理解を深めることを目的とする。
到達基準
化学工学、化学システム工学を学ぶ社会的、学術的意義、目的を理解し、自らの学習へのモチベーションを向上させられたかを重視する。
授業内容
第1週:講義を始めるにあたり、本講義の目的と概要、講義の進め方(4/10)
化学工学の基本概念、その意義①
・創成期の化学プロセス、化学プラントでの果たした歴史的な役割。ハーバーボッシェの空中窒素固定法によるアンモニア合成、ペニシリンの大量合成。スケールアップ、大量生産により高品位製品の低コスト製造プロセス発展に果たした化学工学の役割など。

第2週:化学工学の活躍領域Ⅰ 環境・公害問題への貢献①四大公害病など(4/17)
・足尾銅山鉱毒からイタイイタイ病、水俣病、四日市喘息、その発生源の調査・分析から公害防止、過去の汚染対策、異分野との連携による対策の確立。
・環境汚染物質の大気、水環境への放散防止技術、クローズドシステムへ

第3週:グループ報告の準備、相談 (4/24)

第4週:化学工学の活躍領域Ⅰ 環境・公害問題への貢献②近年の環境問題(発生源と被害の関係が明確な劇性公害病から地球環境問題、低濃度広域環境汚染への対応へ)(5/1)
・地球環境問題への対応へ(低濃度広域汚染の対策技術)
地球温暖化など、多面的な課題への貢献。化学工学の基礎、物質収支、エネルギー収支など

第5〜7週:グループによる調査報告(5名/1組、レポートは各自提出 化学工学の特徴と公害・環境、持続可能性をKey wordに調査結果報告(1グル―プ10分、質疑5分)学籍番号の上から順、レポートはA4、1枚以上、調査に用いた文献等を必ず添付。(レポートは連名不可)演習を行う可能性あり。(5/8, 15, 22)

第8週:化学工学の活躍領域Ⅱ エネルギー・資源問題 (5/29)
・世界的なエネルギー需要見通しとエネルギー資源の現状
・エネルギー問題の解決策、そのアプローチ(様々な方法論)
# 化石燃料など既存エネルギーの高効率利用(省エネルギーを含む)
# カーボンニュートラルの概念
・循環・再生利用システム(環境保全と表裏一体)、分離・精製

第9週:化学工学の活躍領域Ⅲ 高度な物質生産、医療・食糧分野などへの展開
ナノテクノロジーなど新規材料・物質・デバイス生産 (6/5)
・低コスト・大量生産から、高機能性材料・素材・物質生産システムへの展開
  # 材料ナノテクノロジー、マイクロリアクター(新たな反応工学)
・プロセスシステム工学、工場のプロセスコントロールから大規模な環境系、生態系への適用、人文・社会分野との連携による社会システムまで展開。

第10週:講義内容の理解度確認のための演習 (6/12)

第11〜15週:各自の調査報告(5分/名、3分質疑)、レポート提出 「化学工学の環境、エネルギー、物質生産、展開可能性など」講義した全てのテーマに関し調査結果報告とレポート提出。学籍番号順で実施。(6/19, 26, 7/3, 10, 17)

講義の進め方:3回程度の講義の後、中間の3週間で「化学工学の特徴、環境・公害への貢献」のグループ報告、及最後の5週で講義全体に関し、調査結果の簡単な紹介とレポート(A4、1枚以上、各自)の提出を行う。演習等を実施することもある。
履修条件・関連項目
テキスト・教科書
講義資料は随時オリジナル資料を配布する。
参考書
参考書として以下を挙げておく。
・橋本健治編「ケミカルエンジニアリング」 化学工学会監修 倍風館
・定方正毅「大気クリーン化のための化学工学」培風館
・トーマス・ヘイガ―著、渡会圭子訳「大気を変える錬金術・ハーバーボッシェと化学の世紀」みすず書房
・化学工学会高等教育委員会編 「はじめての化学工学  プロセスから学ぶ基礎」丸善出版(株)
・化学工学便覧(改訂六版) 化学工学会編 丸善
成績評価の方法
講義の中間に「化学工学の特徴、環境・公害への貢献」及び最後の数週で「エネルギー・材料・化学工学の将来展望」に関し、調査結果の簡単な紹介とレポート(A4、1枚以上、各自)の提出を行う。中間試験的な簡単な演習も行う。成績はレポート、報告内容、演習の結果を総合的にみて判定する。
教員から一言
化学工学への興味・関心を高め、今後の勉学への意欲向上を目的とした講義であるが、大学は自ら主体性を持って学ぶことが、充実した学生生活を送る上で重要である。積極的な姿勢の積み重ねが就職など自らの将来を明るくします。
キーワード
オフィスアワー
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2018/04/06 15:15:06