科目名[英文名]
線形代数学Ⅱ   [Linear Algebra Ⅱ]
区分 工学部専門科目等  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 14  開講時期 後学期 
授業形態 後学期  時間割番号 021716
責任教員 [ローマ字表記]
前田 博信   [MAEDA Hironobu]
所属 工学部 研究室   メールアドレス

概要
幾何ベクトルのもつ性質を抽象化することにより,一般のベクトル空間の概念が導入されます.これまで扱ってきた数学の諸概念に比べて抽象的なものが多く,やや難しく感じられるかもしれないですが,その一方で適用範囲は広範なため,これらの基礎概念を理解することは多くの応用的な問題を扱う際に役立つことになります.この講義は有機材料科学科2年生前期に開講されるベクトル解析につながります.
到達基準
ベクトル空間と線形写像を理解する.
基底変換や次元が計算できる.固有値および固有ベクトルを計算して行列の標準形を計算する..
授業内容
1. 空間ベクトル:空間内の直線と平面.座標系とベクトル.
2. ベクトル空間と部分空間:ベクトル空間とその部分空間を定義し,例を挙げる.
3. 1次独立と1次従属:いくつかのベクトルが1次独立,1次従属であることを
定義し,例をあげる.
4. ベクトルの1次独立な最大個数:いくつかのベクトルの中で1次独立なベクトルを
最大限取る.その個数は取り方によらず一定である.
5. ベクトル空間の基底と次元:ベクトル空間から取った1次独立なベクトルの最大個数
を次元という.それらのベクトルを基底という.例を挙げて理解を助ける.
6. 線形写像:行列はベクトル空間の間の線形写像を与える.線形写像の像と核を定義し
例を挙げる.
7. 線形写像の表現行列:どの線形写像もベクトル空間の基を定めると,行列の形に表され る.
基底を変えると得られた行列はどう変わるかを調べる.
8. これまでの演習および中間試験
9. 固有値と固有ベクトル:行列の固有値と固有ベクトル,固有空間を定義し,計算法を学ぶ.
前期に学習した行列式の概念や連立1次方程式の解法が用いられる.
10. 行列の対角化:行列が対角化可能かどうかはその固有値と固有空間を求めれば判定できる
  ことを学ぶ.
11. 内積と複素数:ユークリッド空間のベクトルの内積を定義し,性質を調べる.実数を複素数
に拡張して,複素数ベクトルの内積も定義する.
12. 正規直交化と直交行列:正規直交基底を定義し,シュミットの直交化法を学ぶ.後にこれを
  使って直交行列を作る.
13. 実対称行列の対角化:実対称行列の固有値はすべて実数となる.さらに直交行列により対角化
可能となることを学ぶ.
14. ケーリーハミルトンの定理その他:固有値に関わるいくつかの定理を学ぶ.
15. 最終演習および期末試験
履修条件・関連項目
線形代数学Iを履修していることが望ましい.
テキスト・教科書
「線形代数学I」で使った教科書を使います。
参考書
三宅敏恒『入門 線形代数』培風館
松本和夫監修「線形代数」学術図書出版社
成績評価の方法
筆記試験の成績で評価します.
教員から一言
線形代数学Iとは変わって内容に抽象的な概念を含んだものが多く出てきます.
参考書等の各章末にある問題を積極的に解いて,しっかり学習して下さい.
キーワード
内積,ベクトル空間,線形写像,固有値,固有ベクトル
オフィスアワー
毎週火曜日午前10時30分から11時30分まで,場所:12号館2階南側の交流スペース
備考1
業務連絡.
備考2
ワイアレスマイクが赤外線の教室は声が聞き取りずらいかも知れません.
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2018/08/22 13:29:30