科目名[英文名] | |||||
生命物理化学Ⅱ [Biophysical Chemistry Ⅱ] | |||||
区分 | 工学部専門科目等 | 選択必修 | 単位数 | 2 | |
対象学科等 | 対象年次 | 2~4 | 開講時期 | 後学期 | |
授業形態 | 後学期 | 時間割番号 | 022113 | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
中村 暢文, 一川 尚広 [NAKAMURA Nobufumi, ICHIKAWA Takahiro] | |||||
所属 | 工学部 | 研究室 | メールアドレス |
概要 |
生命現象は化学変化の積算である。本講義では生体内で起こる化学反応の基礎を理解し、解析するために必要な基礎知見を修得すると共に、”変化”を追跡するための方法論を理解することを目的とする。そのため、本講義では物質の構造と物性の関係を低分子から高分子に至るまで、多くの事例を参考にしながら理解し、高分子などが形成する特殊な”場”が生命を維持する上で重要であることに到達する。具体的には、分子間に働く相互作用について学習し、分子の運動性と反応速度、及び速度に影響を及ぼす諸因子について解説する。生体内で起こっているさまざまな反応を例に出し、影響する因子との関連を説明する。講義全体を通じて物理化学的な解釈を要求されるが、式の丸暗記は無意味である。その式の意味するところを理解するように。 |
到達基準 |
生命現象について物理化学的に理解できるようになることを目標とする。また、生命現象は希薄な水溶液中ではなく、高分子やその他の物質が高濃度で存在する環境であることを踏まえた上で、なぜ様々な反応がスムーズに進行するのかなどを理解できるようにすることを目標とする。 |
授業内容 |
高分子の特長:生体内で機能する分子の多くが高分子であることの理由を考える。生体内の高分子の特徴と共通の性質を学ぶ。 分子構造と相互作用:分子間に働く相互作用について分類し、分子の構造が分子間相互作用を支配していることを知る。 生体高分子(1):なぜ、高分子の高次構造が機能発現に必要なのかを学ぶ。具体的な例としてタンパク質、核酸、多糖類を学ぶ。 生体高分子(2):高分子が溶液中で作り上げる特殊な構造について学ぶとともに、構造の階層性を知る。高分子の特徴の一つであるエントロピー効果を学ぶ。 分子集合(1):水中で自発的に会合し、形成される分子集合体について学び、細胞膜の機能を理解する。 分子集合(2):集合体の界面の持つ特長について学ぶ。分子が集合することによって発現する機能を理解する。 反応速度論(1):反応速度論の基礎、反応次数、素反応について学ぶ。 反応速度論(2):アレニウス式を学び、反応の活性化エネルギーなどの算出法を知る。 速度式の解釈:律速過程を学ぶ。また、反応のダイナミクスを学ぶ。 生化学における複雑な過程(1):細胞膜の構造と役割。そこを通過する分子の特徴。 生化学における複雑な過程(2):酵素反応の解析。生体内での電子移動機構について学ぶ。 |
履修条件・関連項目 |
生命物理化学Iを履修しておくこと。関連科目は生物化学、高分子化学、分子生物学など。英語のスキルも併せて高めておくことが望ましい。 |
テキスト・教科書 |
Physical Chemistry for the Life Science (Oxford University Press, Oxford, UK, 2011) by P. Atkins and J. de Paula |
参考書 |
生物物理化学の基礎(白浜啓四郎ほか著)(三共出版) |
成績評価の方法 |
成績は、レポート・中間テスト・期末テストを総合して評価する。 |
教員から一言 |
生命現象を分子レベルの現象として理解することは、バイオテクノロジー研究を行う上で不可欠な素養であるので、しっかり理解して欲しいと思います。 |
キーワード |
分子構造,物理化学,分子運動,速度論, 分子間相互作用,高分子, 分子集合 |
オフィスアワー |
毎週金曜日の午後4時〜5時まで、場所:12号館307号室 |
備考1 |
中村暢文教官室 12号館3F 307 |
備考2 |
一川尚広教官室 先端産学連携研究推進センター 3F 303 |
参照ホームページ |
開講言語 |
日本語 |
語学学習科目 |
英語 |
更新日付 |
2018/03/29 14:56:18 |