科目名[英文名]
有機化学Ⅲ   [Organic ChemistryⅢ]
区分 工学部専門科目等  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 24  開講時期 前学期 
授業形態 前学期  時間割番号 022208
責任教員 [ローマ字表記]
平野 雅文   [HIRANO Masafumi]
所属 工学部 研究室   メールアドレス

概要
(a)目的 この講義は、アルコール、エステル、エポキシド、アルデヒド、カルボン酸をはじめとする含酸素化合物全般の合成とその反応性、ならびにカルボニル縮合反応などについて理解することを目的としている。 (b)概要 化学物質の中でも主要な位置を占める含酸素化合物の合成と反応を理解は重要である。この講義ではエーテルやカルボニル化合物の合成とその反応に焦点を当てて講義をすすめる。これらの反応を理解することにより、結合の切断や形成反応といった有機化学反応の本質を理解できるように工夫している。
到達基準
アルコール、エーテル、エポキシド、アルデヒド、ケトン、カルボン酸誘導体などの含酸素化合物の合成と反応を酸化と還元の概念を理解をしながら体系的に理解できること。
授業内容
有機化学は膨大な領域を含む学問ですが、反応パターンとしては、イオン反応、ラジカル反応、協奏反応のわずか3つしかありません。この授業で主に登場するイオン反応は、原子間の電気陰性度の差に由来した分極と立体障害のわずか2つの因子を考慮することによりほとんどの反応を理解することができます。また、結合の形成と切断は電子の授受のみが、ただ1つの理解すべきポイントです。このように考えてみると多様な有機化学の世界も、実はその本質を理解すればはじめて出会った反応でも論理的にみえてくると思います。この講義では、アルコールとジオールの合成と反応、エポキシドの合成と立体選択的開環反応、アルデヒドの還元的合成と酸化的合成、カルボン酸の合成、酸ハロゲン化物とエステルの合成、カルボニル縮合反応などの炭素ー炭素結合形成反応について講義形式で授業を進めます。この講義では、これらの化合物の酸化準位の考えに基づいて、なぜある試薬を混ぜると反応が進行するのか、なぜある反応には酸化剤や還元剤が必要なのか、なぜ還元剤には特定の試薬群が用いられているのか、などの”なぜ”に答える工夫をしています。たとえば試薬群をチャート形式にまとめた表や、”試薬の気持ち”になって考えられるような独自のプログラムにより容易な理解ができるようになっています。
【第1回】イントロダクション
【第2回】アルコールとフェノール
【第3回】エーテルとエポキシド、チオールおよびスルフィド
【第4回】アルデヒドとケトン(その1)
【第5回】アルデヒドとケトン(その2)
【第6回】中間効果測定直前 崖っぷち演習
【第7回】中間効果測定
【第8回】カルボン酸とニトリル
【第9回】カルボン酸誘導体と求核的アシル置換反応(その1)
【第10回】カルボン酸誘導体求核的アシル置換反応(その2)
【第11回】カルボニルのα置換反応(その1)
【第12回】カルボニルのα置換反応(その2)
【第13回】カルボニル縮合反応
【第14回】期末効果測定直前 崖っぷち演習
【第15回】期末効果測定
履修条件・関連項目
一般化学、有機化学1、有機化学2を履修し、理解している前提で講義を進める。
テキスト・教科書
マクマリー有機化学(中)第8版、東京化学同人
参考書
Herbert O. House, Modern Synthetic Reactions, W. E. Benjamin, Inc.
成績評価の方法
課題10ポイント、出席10ポイント、および中間試験40ポイント、期末試験40ポイントの合計100ポイントで評価します。課題はmoodleシステムを利用して出題しますので、インターネットに接続できる環境であればどこでも回答できます。
教員から一言
ある日、有機化学の反応をあたかも歴史の年表のように暗記している学生に出くわし、たいへん驚きました。反応を支配している因子を理解することにより、たとえはじめて出くわす反応でも、生成物が論理的に推測できることをこの講義を通して理解してほしいと思います。少しでも疑問が生じたら、いつでも疑問をぶつけてください。
キーワード
アルコール,エーテル,カルボン酸,エステル,カルボニル縮合反応
オフィスアワー
オフィスアワーは月曜日朝12:00から13:00です
備考1
大学の計画や出張等のため休講する場合、土曜日に補講を実施する可能性もあります。この場合の出欠も評価の対象に含めます。試験終了後、1号館5階エレベーターホール掲示板に6日間掲示します。得点開示を希望しない学生は、4月24日までに本人が直接文書で申し出てください。なお、この場合には試験結果の照会には応じられません。開示希望者のうち、採点結果に関する照会や解答例に関する質問がある場合は期間内に行うこと、期間外の照会はたとえ私の間違えであっても照会には応じられないので期間内に申し出ること。
備考2
過去の成績分布は以下の通りです。
H23(2012):S 13%, A 17%, B 38%, C 17%, D 15%
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2018/03/03 18:01:44