科目名[英文名]
物理化学Ⅲ   [Physical Chemistry Ⅲ]
区分 工学部専門科目等  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 24  開講時期 後学期 
授業形態 後学期  時間割番号 022216
責任教員 [ローマ字表記]
齋藤 守弘   [SAITO Morihiro]
所属 工学府 研究室   メールアドレス

概要
分光法は物質と電磁波の相互作用を通じて物質を調べる手法であり、物質の構造・性質を理解するために欠くことのできないものである。本科目では、分光法の基礎原理を物理化学的観点から説明し、各電磁波の波長ごとに実際の実験装置・スペクトルを例示して、電磁波の波長と物質の“運動”の関係を解説していく。

講義はパワーポイントと板書を組み合わせて進め、講義に用いるテキストを配布する予定です。
到達基準
(1) 各分光スペクトルの背景や原理について正しく理解し、説明できる。
(2) スペクトルから物質の構造や性質に関する情報を正しく判定することができる。
授業内容
第1回:授業のガイダンス、分光学の基礎
    光の波長と対応するエネルギー・対応する“運動”
第2回:量子力学のおさらい、振動スペクトル(1)
    量子力学のおさらい、シュレーディンガー方程式の解、二原子分子の振動
第3回:振動スペクトル(2)対称性とシュレーディンガー方程式
    点群、選択則
第4回:振動スペクトル(3)
    多原子分子の基準振動
第5回:電子スペクトル(1)
    電子スペクトルの複雑さ、選択則
第6回:電子スペクトル(2)
    電子励起状態のたどる道、レーザー
第7回:磁気共鳴(1)
    NMR,ESRの原理および測定法、化学シフト
第8回:磁気共鳴(2)
    NMRスペクトルを複雑にする要因-スピンカップリング、分子運動-
第9回:磁気共鳴(3)
    NMRスペクトルを複雑にする要因-磁気的等価性-
第10回:磁気共鳴(4)
    パルスフーリエ変換NMRと応用
第11回:分光法に関する小テスト

第12回:分子間相互作用
    電気双極子モーメント・分極率、分子間相互作用
第13回:結晶構造(1)
    格子と単位胞、主な結晶構造
第14回:結晶構造(2)
    干渉と回折、X線回折法
第15回:期末テスト
履修条件・関連項目
量子力学の基礎知識(シュレディンガー方程式、スピンなど)が前提となります。分子の対称性に関する知識(群論)があると理解の助けになります。
テキスト・教科書
千原・中村訳「アトキンス 物理化学(下)」第8版
授業に用いるテキストを配布。
参考書
千原・中村訳「アトキンス 物理化学(上)」第8版
中田宗隆「量子化学II 分光学理解のための20章」
井上晴夫「量子化学I 波動方程式の理解」
成績評価の方法
中間および総合理解度確認、毎回行う小テスト、出席による。
教員から一言
指定した教科書は細かい説明がされている所・説明を省略している部分があります。本授業では、このような凸凹を講義で埋めていくというコンセプトです。復習を中心に勉強してください。
・講義に用いるテキストは、webページからも随時ダウンロードできるようにします。
・授業の際は、関数電卓を用意しておいてください。小テストなどで使用します。
キーワード
オフィスアワー
質問は決して授業の妨げになることはないので、分からないことは、いつでも質問してほしい。なお、昼休み時間は毎日オフィスアワーとするので、気軽に教官室まで質問に来てください。
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2018/06/11 14:11:22