科目名[英文名]
有機材料化学実験Ⅱ   [Experiments of Organic Materials ChemistryⅡ]
区分 工学部専門科目等  選択必修   単位数 4 
対象学科等   対象年次 24  開講時期 後学期 
授業形態 後学期  時間割番号 022323
責任教員 [ローマ字表記]
岡本 昭子, 渡邊 敏行   [OKAMOTO Akiko, WATANABE Toshiyuki]
所属 工学部 研究室   メールアドレス

概要
【授業の概要】
 本実験は, 「機器分析実験」および「有機化学実験I」の2つのパートからなる。「機器分析実験」は渡辺 敏行, 「有機化学実験I」は岡本 昭子がそれぞれ担当する。
(機器分析実験)
 有機合成, 高分子化学分野において化合物の構造, 高分子の物理・化学的性質に関する知見は必要不可欠なものである。本実験では有機化合物の構造解析に欠かせないIR, NMR, UVの原理およびその測定法を学習する。さらに, 高分子化合物の熱的特性の把握, 分子量測定に必須のDTA法ならびにGPC法に関する実験を行う。
(有機化学実験I)
 これまで有機化学I-IIIの講義で学んだ求核置換反応 (付加-脱離型)を中心に実験を行う。本実験では分子の振る舞いや化学的性質について学習する。その中で有機合成実験の基礎となる, 装置の組立, 蒸留, 精製操作, 未知化合物の同定などを行う。

到達基準
【授業の到達目標及びテーマ】
「機器分析実験」では, 有機化合物の構造解析, 高分子化合物の熱的特性の解析や分子量測定のために必須の測定法を習得し, 基本原理の理解を目指す。また「有機化学実験I」では実験器具および薬品の取扱い・実験に対する姿勢を含め, 有機合成実験の基礎の修得を目指す。
授業内容
(機器分析実験)担当: 渡辺 敏行
第1回:実験意義・実験上の注意に関するオリエンテーション
第2回:核磁気共鳴分光法(NMR):NMRの原理・測定および解析
第3回:赤外線吸収分光法(IR):IRの原理・IR試料フィルム作製・測定および解析
第4回:固体の溶解度(UV):溶解の熱力学的概念・UVの測定による溶解度の把握
第5回:高分子のDTA:DTA法の理解・測定および高分子の熱的特性
第6回:高分子のゲル浸透クロマトグラフ法(GPC):GPCの概念・検量線作成・分子量測定
第7回:電解質溶液の電気伝導度:強電解質/弱電解質溶液の電気伝導度の濃度依存性の違い

(有機化学実験I)担当: 岡本 昭子
第8回:実験意義・実験上の注意に関するオリエンテーション
第9回:ガラス細工:基本操作(ガラス管切断, ガスバーナー, ボンベ操作)習得・毛細管作製・同径管繋ぎ
第10・11回:Benzoin縮合 (2回) : 電磁撹拌, 低温保持の操作, TLCによる反応進行の確認方法,
        融点測定, IR測定(KBr法)の習得, 再結晶の概念の理解
第13・14回:Fischerエステル合成 (2回) : 加熱還流装置, Dean-Stark装置の原理, 常圧蒸留による溶媒留去・
        減圧分留・平衡反応の概念, TLCによる定性的な反応解析法の理解, GC-MSの概念
第15・16回: アルドール縮合: カルボニル化合物の反応性把握, 再結晶, 融点測定, UV測定
第17回:アセトアニリド類の合成と同定(2回): 試薬の取扱い方法と注意点の学習, 合成から精製, 同定に至る経緯の理解
第18-20回:Williamsonエーテル合成(3回): 分液操作, 抽出, 常圧蒸留による分留, IR測定(液膜法)の習得
履修条件・関連項目
(機器分析実験)有機化学IおよびII・量子化学I・熱力学IおよびII・高分子化学I
(有機化学実験I)有機化学I-III・有機演習I, 分析化学
テキスト・教科書
学科で編集したテキストを用いる。
(機器分析実験)水色 (有機化学実験I)桃色, 第12-14回テーマについては別途資料を配布する。
(両実験ともに必携: 学生実験テキスト別冊, 安全マニュアル)
参考書
(機器分析実験)泉 美治ら監修 第2版機器分析のてびき(化学同人)
(有機化学実験I)ボルハルトショアー著 第六版現代有機化学下巻(化学同人),
Silverstein著 有機化合物のスペクトルによる同定法(東京化学同人)
成績評価の方法
(機器分析実験) 出席点、実験態度, 実験ノートおよびレポートにより総合的に評価する。
(有機化学実験I) 事前調査の内容(ノートチェック), 実験態度, レポート内容, 実験中や実験後の口頭試問などにより総合的に評価する。遅刻, 欠席, レポート提出期限の遅れは大きく減点する。
教員から一言
(機器分析実験)NMRを始めとする各分析法は有機化合物・高分子化合物の構造解析・物性評価に必要不可欠なものです。どのような原理に基づき, 測定が行われているかをよく考えることで, 視野が大きく広がります。分からないところはよく調べて理解を深めて下さい。
(有機化学実験I)有機化学は講義で学んだだけでは身につきません。実際に実験して結果を整理・検証し, 考察することは独創的な研究を行うための基礎です。十分な予習を行い, 安全に注意を払った正しい実験操作を修得できるようにして下さい。
キーワード
(機器分析実験) NMR, IR, DTA, GPC, UV (有機化学実験I) 付加-脱離, 求核置換, 塩基性, 平衡反応, 共沸
オフィスアワー
実験中適宜質問を受け付けるのでオフィスアワーは設けない
備考1
(1)原則, 欠席した場合は単位を与えない。遅刻は大きく減点する。やむを得ない事由が発生した場合は, 本人だけで対応を判断せず, 直ちに担当教員に連絡し, 指示を受けること。状況に応じて, 学科教室会議で対応を審議する場合もある。
(2)カリキュラムや内容に関し, 変更の可能性もありうる。実験オリエンテーションへの出席はもちろんのこと, 毎時間スタッフからのアナウンスには注意を払い, 臨機応変に対応のこと。
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
英語
更新日付
2018/07/30 15:03:51