科目名[英文名] | |||||
移動現象論および演習 [Transport Phenomena and Exercises] | |||||
区分 | 工学部専門科目等 | 選択必修 | 単位数 | 3 | |
対象学科等 | 対象年次 | 2~4 | 開講時期 | 前学期 | |
授業形態 | 前学期 | 時間割番号 | 022409 | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
滝山 博志, 長津 雄一郎 [TAKIYAMA Hiroshi, NAGATSU Yuichiro] | |||||
所属 | 工学部 | 研究室 | メールアドレス |
概要 |
物体の中で速度や温度や濃度が一様ではないとき、一様になろうとする変化が生じます。この変化を移動現象といいます。こ本講義では流れの場における複雑な移動現象を取り扱います。講義内容の概要は以下の通りです。 運動量移動:流体の流れにおける運動量収支のとり方と応用、輸送に必要な動力の計算法 熱移動:伝導伝熱、対流による熱伝達、断熱材厚さの計算、簡単な熱交換器の設計原理 物質移動:拡散流束と物質流束による成分移動現象の解析方法、伝熱を伴う相変化の計算 移動現象の相似則:運動量、熱エネルギー、物質の三つの移動過程の類似性と相違点 |
到達基準 |
高校までの物理や化学の講義では変化の速さについては学びませんでした。この講義では、物体内部の速度、温度、濃度の変化の速さの理解を深めて、演習を通して実際の問題に応用する力を身につけることを目指しています。このためにはまず、微分と微分方程式になじむことから始めて自由に使えるようになることを目指します。 |
授業内容 |
講義と演習を組み合わせて進めます。講義と演習を組んでほぼ交互に行います。毎回の内容を以下に記します。()内は教科書の章または節を表しています。なお、理解度を確認しつつ進めるので内容の変更があり得ます。 第 1回 超ウルトラ イントロ移動現象 表現法、推進力と流束について 第 2回 移動現象論を理解するための数学の基礎 【熱移動】 第 3回 熱伝導度と熱エネルギーの移動機構(第9章) 第 4回 熱伝導度と熱エネルギーの移動機構(演習) 第 5、6回 微小区間の熱エネルギー収支(第10章) 第 7回 微小区間の熱エネルギー収支(演習) 第 8回 多層壁の熱伝導(円筒座標系中心) 第 9、10回 流体中の伝導伝熱:「境膜」 第11回 総括伝熱係数Uを用いた解析方法 第12回 粘性及び運動量移動の機構 第13回 微小区間の運動量収支と層流の速度分布(第2章) 第14回 前半の試験日+予備日 後半 第 16回 微小区間の運動量収支と層流の速度分布(第2章) 微小区間の運動量収支と境界条件(2.1)、流下液膜の流れ(2.2) 円管内の流れ(2.3)、2つの隣り合う不溶性流体の流れ(2.5)、流下2液膜の流れ(資料配布) 第17・18回 等温系の界面運動量輸送(第6章) 層流と乱流、管摩擦係数(6.1)、(6.2)、 一般的な基礎式を簡略化するための考え方 第19・20回 輸送に必要な動力の計算(第7章)(資料配布) 第21回 中間試験・・第12-20回までの内容 【物質移動】 第22回拡散係数と物質移動の機構(第17章) 2成分系の拡散のフィックの法則(17.1) 第23・24回 拡散係数と物質移動の機構(第17章) 対流による質量とモルの移動(17.7) 質量流束とモル流束のまとめ(17.8)、演習 第25・26回 固体と層流流れ中の濃度分布(第18章) 微小区間の収支:境界条件(18.1)、液体の蒸発速度(静止気体境膜内の拡散)(18.2) 流下液膜への拡散(18.5) 第27・28回 物質移動係数(境膜説)、球や円管の表面からの物資移動速度 結晶粒子の溶解速度(資料配布) 第 29回 熱と物質の同時移動現象の解析方法(第22章+資料配布) 相変化を伴う現象の解析方法(資料配布) 第30回移動現象の相似則(資料配布) 期末試験・・第22回以降の内容 |
履修条件・関連項目 |
物理化学の関連する項目(気体運動論、反応速度論)および「化学工学基礎」を履修済みであることが望ましい。微分・積分、微分方程式、ベクトルなどの数学の基礎知識を必要とする。 |
テキスト・教科書 |
Transport Phenomena”第2版(R.B.Bird, W.E.Stewart and E.N.Lightfoot, John & Wiley) |
参考書 |
参考書として、「拡散と移動現象」(宝沢他、培風館)の他に「新版移動論」(小林潔志、飯田嘉弘、朝倉書店)など多くの著書があるので、自分に合うものを参考書とすることを薦める。 |
成績評価の方法 |
成績評価は、中間試験と定期試験の成績を80%、小試験・演習・レポート点を20%の割合として行う。成績はS(90点以上), A(80以上90点未満), B(70以上〜80点未満), C(60点以上〜70点未満), D(60点未満)で評価し、合格ラインはC以上とする。中間・定期試験の受験資格として、それまでの出席率が70%以上であることを要する。 |
教員から一言 |
移動現象論の考え方に慣れると多くの現象を的確に理解することができるようになるので、こつこつと勉強を続けて欲しい。全てを覚えようとせずに重要な点を深く理解できるよう努めてほしい。必ず予習と復習をすること。 |
キーワード |
移動速度 運動量移動 熱エネルギー移動 物質移動 熱と物質の同時移動 |
オフィスアワー |
備考1 |
毎回、授業には演習に備えて計算機および定規などを持参すること。 |
備考2 |
参照ホームページ |
開講言語 |
語学学習科目 |
更新日付 |
2018/03/01 20:55:46 |