科目名[英文名]
化学基礎   [Chemistry Basics]
区分 工学部専門科目等  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 24  開講時期 前学期 
授業形態 前学期  時間割番号 022502
責任教員 [ローマ字表記]
武井 孝   [TAKEI Takashi]
所属 工学府 研究室   メールアドレス

概要
化学は,原子や分子の視点から,材料の構造や性質,身の回りで起こる現象を理解することが基本です。本講義では,化学を専門としない工学系学部生が,正しい化学の知識を習得し,化学的な視点から現実の材料や現象を理解できるようになることを目標としています。
到達基準
(1) 原子・分子の構造,化学結合,化学反応,無機化合物,有機化合物,高分子化合物などを正しく理解できている。
(2) 身の回りの材料や現象,環境について,化学的な視点から理解し,説明できる。
授業内容
第1回 化学とはどんな学問か 教科書 第1講(1-12頁)
化学はわずか100種類ぐらいしかない元素の組み合わせから,膨大な数の新しい物質をつくりだし,我々の生活を豊かで便利なものにしてきました。一方,新しく生み出した物質が環境に負荷をかけたことも否めません。化学は,環境への影響を考慮しながら,我々の生活に役に立つ新しい物質をつくりだすための学問です。そのためにはどんな知識が必要でしょうか。
第2, 3回 原子の構造と電子配置 教科書 第2講(13-26頁)
すべての物質は原子からできています。原子はさらに電子,陽子,中性子からなりますが,化学では特に電子が重要な役割を果たします。電子は,原子の中でどのように振る舞っているのでしょうか。
第3, 4回 元素の周期表 教科書 第3講(27-40頁)
元素を原子量の小さい順に並べると,ある順番ごとに類似の性質が周期的に現れることが指摘され,現在の周期表が生まれました。周期表では類似の性質を持つ元素のグループが整理されます。この類似性はなぜ生まれるのでしょうか。
第5回 化学式と化学反応式 教科書 第4講(41-54頁)
物質を元素記号で表したものが化学式です。化学式からは物質を構成する元素の種類や組成のみならず,性質を類推できることもあります。化学反応式は,反応物の割合や未知の反応で予想される生成物の類推などの情報が含まれています。さまざまな化学反応式を正確に記述するには,広い化学の知識が要求されますが,ここでは反応式を書くためのルールを学びます。
第6回 化学反応式と物理量 教科書 第5講(55-68頁)・第1回課題レポート提示
化学で最も特徴的な量はモル(mol)ですが,化学を専門としない人にとっては最も理解しにくい量かもしれません。新しい物質をつくり出す化学反応では,材料の重さや体積ではなく,まず分子の数で考えることが必要です。このとき便利な量がモルです。化学変化に関与する物質の量の扱いに慣れましょう。
第7回 化学結合1 共有結合 教科書 第6講(69-82頁)
分子は原子が化学結合することで生まれます。化学結合にはいくつかの種類がありますが、共有結合は数多くの分子に見られる基本的な結合です。共有結合はどのようにして形成されるのでしょうか。
第8回 化学結合2 金属結合とイオン結合 教科書 第7講(83-94頁)
金属やセラミックスなどの結合は、金属結合とイオン結合です。これらの結合を理解するためには,分子の概念ではなく,原子あるいはイオンを球としてその充填構造をイメージすることが必要となります。金属結合とイオン結合を理解すると,金属やセラミックスの性質がこれらの結合様式と関係があることがわかるでしょう。
第9回 化学反応の進み方と平衡 教科書 第8講(95-108頁)
新しい化合物を生成する化学反応では,なぜ熱の出入りがともなうのでしょうか。発熱反応と吸熱反応は何が違うのでしょうか。また,反応の起こりやすさや反応の速さは何できまるのでしょうか。反応をコントロールする方法はあるのでしょうか。
第10回 酸と塩基,中和 教科書 第9講(109-122頁)
酸性、塩基性(アルカリ性)は,化学の分野ではなじみ深いかもしれません。化学の中で古顔の酸と塩基の定義は,時代とともに拡張され,電子のやり取りにおよんでいます。酸・塩基とは何か,もう一度整理してみましょう。
第11回 酸化と還元 教科書 第10講(123-138頁)・第2回課題レポート提示
ガソリンや灯油の燃焼,生物の呼吸,鉄鉱石から鉄の製造,電池から電気エネルギーの取り出しなど,身の回りにはたくさんの酸化還元反応が存在します。いくつかの酸化還元反応を紹介しながらこの反応では何が起こっているのか考えます。
第12, 13回 物質の世界1 無機物質 教科書 第11講(139-152頁)
無機物質(金属,ガラス,セラミックス材料)の実際の利用や目で見える性質を紹介します。また,いくつかの重要な(中には危険な)気体の特徴や性質について紹介します。
第13, 14回 物質の世界2 有機化合物・高分子 教科書 第12講(153-168頁)
炭素,水素を主な骨格とする分子である有機化合物は,膨大な数の新規化合物が合成されています。膨大な数の有機化合物ですが,その分子構造からいくつかの物質群に分類することができます。また,プラスチックと呼ばれる高分子化合物の構造,性質、用途について紹介します。
第15回 期末試験
履修条件・関連項目
生命工学科、応用分子化学科、有機材料化学科、化学システム工学科に所属の学生の履修は認められません。機械システム工学科に所属の教員免許取得希望者は履修するようにしてください。
テキスト・教科書
左巻健男編、基礎化学12講、化学同人 (2008)
参考書
井口洋夫ら、これだけはおさえたい化学、実教出版(2010)
井上正之、理工系のための化学入門、裳華房 (2013)
角 克宏、環境を学ぶための基礎化学、化学同人(2014)
成績評価の方法
期末試験(60%)・課題レポート(20%)・出席(20%)
単位認定のためには期末試験を受験していることが必要です。
教員から一言
化学の基礎知識をおさえながら,関連した身近な材料や現象,化学にまつわる話題を紹介します。
キーワード
化学,物質,反応,材料, 地球環境
オフィスアワー
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
語学学習科目
更新日付
2018/03/16 16:39:14