科目名[英文名]
物理数学Ⅱおよび演習   [Fundamentals of Partial Differential Equations in Physics]
区分 工学部専門科目等  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 24  開講時期 後学期 
授業形態 後学期  時間割番号 022523
責任教員 [ローマ字表記]
篠原 俊二郎   [SHINOHARA Shunjiro]
所属 工学部 研究室   メールアドレス

概要
目的:
 工学部の基礎で学ぶべき力学などでは、その現象を記述する方法として、微分方程式による表現を多く見ることができる。物理数学Iおよび演習では、主としてベクトル解析を勉強してきたが、ここでは観点を変え、物理現象を表現する微分方程式の特性を論じ、数式の物理的意味合いの解釈に重点をおいた手法を取る。特に偏微分方程式の性質にその重点をおく。

概要:
 2階線形微分方程式について物理学で基本となる波動方程式、熱伝導方程式を例にとって、それらの解析的な解法による取り扱いと数値的な解法による取り扱いについて学ぶ。特に変数変換による標準形への分類、強力な解析解法としての変数分離法、非同次の方程式へのアプローチ、最後の手段として数値的な解法となる差分近似などを身に付ける。
到達基準
 物理数学は工学部専門分野の学習での基礎となるものである。本講義では物理現象を記述する主な偏微分方程式が理解できることを目標とする。
授業内容
(航空宇宙エネルギーコース)
第1回 イントロダクション&常微分方程式と偏微分方程式
 偏微分方程式の実例と常微分方程式の復習。そして偏微分とは何かについて解説を行う。
第2回 1階偏微分方程式 ①
 1階の偏微分方程式について全微分方程式、Lagrangeの微分方程式など一般的な解法について説明する。
第3回 1階偏微分方程式 ②
 1階の偏微分方程式についての後半について講義する。
第4回 2階線形偏微分方程式の分類
 2階の線形偏微分方程式の分類、双曲型、放物型、楕円型と変数変換による標準形への変換について説明する。
第5回 物理学における2階線形偏微分方程式の導出
 偏微分方程式を導いてみる。波動方程式や熱伝導方程式を実際の物理現象から導出し、その性質を調べる。
第6回 変数分離法
 基本的ないくつかの2階線形同次偏微分方程式について変数分離法を適用し、複数の常微分方程式に変換することを学ぶ。
第7回 前半の復習と問題演習
第8回 二次元波動方程式
 波動方程式を取り上げ、偏微分方程式を変数分離法で解く。ベッセルの微分方程式と直交関数展開についても学ぶ。また境界条件を満たす解と解の重ね合わせについて理解する。
第9回 ラプラス方程式の解 ①
 拡散方程式の定常解としてラプラスの方程式を取り扱う。また、ラプラスの方程式の性質を調べてみる。
第10回 ラプラス方程式の解 ②
 ラプラス方程式の解についての後半について講義する。
第11回 固有関数展開法
 微分方程式で非同次の場合について述べ、定数変化法についても学ぶ。
第12回 フーリエ変換
 フーリエ変換とそれによる解法について簡単に説明する。
第13回 特殊関数の補足
 デルタ関数、ガンマ関数、ベッセル関数など偏微分方程式を取り扱う上で頻出する特殊関数について概説する。
第14回 補講
第15回 後半の復習と問題演習
履修条件・関連項目
数学関係科目、物理学等の基礎科目の内容をしっかりと理解しておくこと。
テキスト・教科書
(航空宇宙エネルギーコース)
河村哲也著「キーポイント偏微分方程式」岩波書店
参考書
成績評価の方法
2/3以上の出席が必要である。小テスト、前半と後半の演習課題(+レポート)、質問などの総合点によって成績を評価する。
教員から一言
 数式、公式等は覚えていればそれに越したことはないが、それに捕われず、それが持つ物理的イメージを明確にすることに最大の努力を払って欲しい。公式等は、どの本の何処を見れば良いかが分かっていれば良い。
キーワード
微分方程式、変数分離、固有関数展開、差分、特殊関数
オフィスアワー
講義直後またはその時に相談
備考1
備考2
参照ホームページ
ホームページ:http://www.tuat.ac.jp/~sinohara/
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2018/03/01 15:52:41