科目名[英文名] | |||||
代数学Ⅰ [Algebra Ⅰ] | |||||
区分 | 工学部専門科目等 | 選択必修 | 単位数 | 2 | |
対象学科等 | 対象年次 | 2~4 | 開講時期 | 後学期 | |
授業形態 | 後学期 | 時間割番号 | 022613 | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
與口 卓志 [YOGUCHI Takashi] | |||||
所属 | 農学府 | 研究室 | メールアドレス |
概要 |
工学における数学というと微積分などの解析学を思い浮かべがちだが、暗号理論や符号理論、形式言語理論などにおいては集合と公理に基づく抽象代数学の手法が頻繁に用いられる。本講義ではもっとも代表的な代数系である群・環・体の基礎について例を交えながら解説し、代数学の基本的な考え方に習熟することを目指す。 |
到達基準 |
(1) 群、環、体に関する基本的な用語を理解し、意味を説明できる。 (2) 整数環の剰余環Z/nZにおける各種の計算を取り扱うことができる。 (3) 式の数が2〜3個の連立合同式を解くことができる。 (4) フェルマーの小定理などの整数論の知識を体得し、実際の計算に利用できる。 |
授業内容 |
第1回:集合と写像、直積集合(教科書p.8〜p.16) 第2回:全射と単射の補足、演算と代数系の定義(p.15〜p.18、p.22) 第3回:同値関係と商集合、およびその具体例(p.19〜p.20) 第4回:半群と群の定義、群の具体例(p.23〜p.27、p.44〜p.48) 第5回:部分群の定義、巡回群、部分群による同値関係(p.27〜p.29、p.42) 第6回:正規部分群と剰余群(p.28、p.40〜p.42のうち準同型写像と関係しない部分を先に紹介しておく) 第7回:群の準同型写像と同型写像、準同型定理(p.36〜p.42。全部を紹介することは難しいが適宜内容を間引いて解説する) 第8回:演習1 第9回:環と体の定義、およびその具体例(p.30〜34) 第10回:環のイデアルと剰余環(p.50〜p.54) 第11回:ユークリッドアルゴリズムによる逆元の求め方(p.69〜p.74) 第12回:連立合同式と中国剰余定理、RSA暗号との関連(p.74〜p.76、p.149) 第13回:フェルマーの小定理とオイラーの定理、フェルマーテスト(p.86〜p.92。実際の計算に便利なオイラー関数についてもプリント等で補足する予定) 第14回:演習2 第15回:期末試験 各回の授業では予復習のために宿題を出すので解いてくること。 |
履修条件・関連項目 |
なし |
テキスト・教科書 |
『暗号のための代数入門』(萩田真理子、サイエンス社) |
参考書 |
『工学基礎 代数系とその応用』(平林隆一、数理工学社。上のテキストよりももう少し本格的な代数学の教科書。ただし具体例はやや少なめ) 『整数と群・環・体』(河田直樹、現代数学社。月刊誌「理系への数学」の連載記事をまとめたもの。整数と関連する話題が主だが、計算例が多く読み物として読みやすい) 『工学のための応用代数』(杉原厚吉・今井敏行、共立出版。内容は比較的難しいが代数学の様々な応用について触れられている本) |
成績評価の方法 |
原則として期末試験および2回の演習を評価対象とする。成績は期末試験を8割、演習を2割として評価し、60%以上の成績をもって合格とする。 H29年度成績分布 S 4% A 25% B 20% C 27% D 24% |
教員から一言 |
代数学は高校までに学んだ数学と違い、考察対象となる集合とその演算(ルール)に着目する学問です。そのため初学者は戸惑うことが多いかもしれませんが、なるべく整数などの身近な例を用いて解説するように心掛けます。 |
キーワード |
代数系、群、環、体、準同型写像、正規部分群、イデアル、同値類、合同式 |
オフィスアワー |
備考1 |
備考2 |
参照ホームページ |
開講言語 |
語学学習科目 |
更新日付 |
2018/09/19 8:57:48 |