科目名[英文名]
物性化学   [Materials Chemistry]
区分 工学部専門科目等  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 34  開講時期 前学期 
授業形態 前学期  時間割番号 023205
責任教員 [ローマ字表記]
前田 和之   [MAEDA Kazuyuki]
所属 工学部 研究室   メールアドレス

概要
固体材料の物性を支配する要因は、バルク組成、結晶構造、分子構造、表面構造、粒子サイズ・形態、欠陥等、数多く存在する。本講義では結晶性無機材料の物性を理解する上で特に重要な無機固体の結晶構造について紹介するとともに、無機材料の様々な物性について代表的な無機固体材料の具体例をもとに説明する。
到達基準
代表的な無機固体の結晶構造の成り立ちを理解した上で、身近なものから先端材料に至るまで無機固体物質の基礎的な物性が主に結晶構造や欠陥構造等に基づいていることを理解することを目標とする。
授業内容
第1回 ガイダンス
    結晶構造の基礎1 ― 最密充填構造、対称性、単位格子(1章)
第2回 結晶構造の基礎2 ― 結晶の種類、結晶構造、構造表示ソフトウエアの利用(1章)
第3回 主要な結晶構造1 ―AB型、AB2型結晶の構造(1章)
第4回 主要な結晶構造2 ― 主要な酸化物の構造(1章)
第5回 不完全な構造 ― 欠陥、非晶質固体(2章)
第6回 電子構造 ― 分子軌道法、バンド理論(3章)
第7回 電気的性質1 ― 導電性、 超伝導性(4章)
第8回 電気的性質2 ― イオン伝導性(4章)
第9回 電気的性質3 ― 誘電性(5章)
第10回 磁気的性質1 ― 磁場中での材料の挙動(6章)
第11回 磁気的性質2 ― 主な磁性体とその構造(6章)
第12回 光学的性質1 ― 屈折と反射、固体の光吸収と発光、蛍光材料(7章)
第13回 光学的性質2 ― レーザー、種々の光学的効果(7章)
第14回 ナノ・低次元物質 ― ナノ粒子、層状化合物、ゼオライト(10, 14章、プリント)
第15回 期末試験
履修条件・関連項目
無機化学I、II及び物理化学IIIは履修していることが望ましい。また、基礎的な電磁気学の内容にも関係する。
自分で「ソフトウエアを利用した結晶構造の表示」ができるようにするためにインターネット、Moodleの利用が必要である。
テキスト・教科書
村石治人 基礎固体化学(三共出版)ISBN 978-4-7827-0754-8
参考書
ウエスト:固体化学 基礎と応用(講談社)ISBN 978-4-06-153371-4
スマート、ムーア 入門固体化学(化学同人)ISBN 978-4-06-154390-4
アトキンス:物理化学(下) 第8版(東京化学同人)ISBN 978-4-8079-0696-3
成績評価の方法
成績は授業態度(10%)、レポート(20%)及び期末試験(全講義範囲、70%)の結果により決定する。試験には関数電卓及びA4用紙1枚の手書きメモ(表裏使用可)の持ち込みを認める。レポートの提出については講義中に指示する。
教員から一言
これまで学習した有機化学や錯体化学で登場するのはほとんどが分子性化合物であり、分子構造からその反応性や基本的な物性を理解することは決して難しくはありません。しかし無機固体物質ではシリカやアルミナのような高校で習う基本的な物質であっても、様々な構造を有するものが知られており、しばしば全く異なる物性を示します。同じ結晶構造であっても欠陥やナノ構造の違いにより顕著な物性の差を示すことも少なくありません。講義の前半では、まず無機固体の結晶構造とその特徴を理解するところからスタートし、後半では様々な無機固体の物性を支配する要因について取り上げます。
キーワード
無機固体材料、結晶構造、物性 
オフィスアワー
教員居室:新1号館413号室、オフィスアワーは特に定めず、原則として在室時は質問等受け付ける。
備考1
備考2
参照ホームページ
Moodle参照のこと
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2018/03/24 13:39:16