科目名[英文名] | |||||
コンピュータ化学 [Computer Chemistry] | |||||
区分 | 工学部専門科目等 | 選択必修 | 単位数 | 2 | |
対象学科等 | 対象年次 | 3~4 | 開講時期 | 後学期 | |
授業形態 | 後学期 | 時間割番号 | 023211 | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
岩渕 研吾 [IWAFUCHI Kengo] | |||||
所属 | 工学府 | 研究室 | メールアドレス |
概要 |
分子軌道法に基づく計算化学は,物性・反応の研究手段として重要性を増しています.本科目では,シュレディンガー方程式や波動関数などの量子化学の基礎は既知として,分子軌道法の基礎を学習します.はじめに線形代数や変分法など,必要な数学の基礎知識を復習します.その後,分子軌道法の基本であるハートリー・フォック法を学習します.これらの知識を踏まえて,分子軌道計算ソフトウェアを用いた簡単な解析を行い,計算化学への理解を深めます. |
到達基準 |
(1) ハートリー・フォック法の考え方(仮定・近似)や計算過程の概要を理解します. (2) 分子軌道計算ソフトウェアを利用するための基礎知識を身につけます. |
授業内容 |
第 1回 計算実習(1):分子軌道計算やプログラミングのためのソフトウェアのインストールを行います. 第 2回 計算実習(2):簡単な分子を例として分子軌道計算ソフトウェアの利用方法を学習します. 第 3回 数学の復習(1):基底,ベクトル,行列,行列式を復習します. 第 4回 数学の復習(2):演算子と表現行列,基底の変換,行列の固有値・固有ベクトルを復習します. 第 5回 数学の復習(3):汎関数と変分,Lagrangeの未定係数法と変分原理について復習します. 第 6回 量子化学の復習(1):シュレディンガー方程式,ハミルトニアン,原子単位を復習します. 第 7回 量子化学の復習(2):波動関数,1電子軌道関数,スピン関数を復習します. ――――数学と量子化学のいくつかのキーワードについて,確認レポートを実施します. 第 8回 分子軌道法(1):ボルン・オッペンハイマー近似,スレーター行列式を理解します. 第 9回 分子軌道法(2):ハートリー・フォック方程式を導出する過程を学習します. 第10回 分子軌道法(3):ハートリー・フォック・ローターン方程式を導出する過程を学習します. 第11回 分子軌道法(4):分子軌道計算の流れを確認し,自己無撞着場SCFの考え方を理解します. ――――分子軌道法のいくつかのキーワードについて,確認レポートを実施します. 第12回 計算実習(3):分子軌道計算の出力結果をハートリー・フォック法の観点から辿ります. 第13回 分子軌道法(5):基底関数の基本的な考え方を学習します. 第14回 計算実習(4):簡単な分子を例として基底関数と計算精度の関係を概観します. 第15回 期末試験:全体を通した範囲で,ハートリー・フォック法の理解を確認します. |
履修条件・関連項目 |
内容をより良く理解するため,「量子化学」および「線形代数」の知識を復習しておくことが大切です.また分子軌道計算ソフトウェアや分子モデル作成・分子軌道可視化ソフトウェアを使用するので,ファイルの取り扱いなどのコンピュータ操作に慣れておくことも必要です. |
テキスト・教科書 |
教科書は指定せず,テキストとして数回にわけて資料を配布します.ただし,配布資料は,基本的に参考書1を元本として作成しています. |
参考書 |
1.ザボ,オストランド:新しい量子化学(上),東京大学出版会(1987) 同書(下)には,ハートリー・フォック法よりもさらに高度な計算理論が紹介されています.この分野に興味を持った方は,さらに学習を深めて下さい.また,原著(Modern Quantum Chemistry:Attila Szabo , Neil S. Ostlund)がDoverからペーパーバックとして出版されています.英語の学習もかねて原著にチャレンジするのも良い勉強です.ちなみに英語原著は日本語版(上)(下)を合わせた内容ですが,(上)だけよりもずっと安い価格です. 2.武次徹也,平尾公彦:新版 すぐできる 量子化学計算ビギナーズマニュアル,講談社(2015) その他にも授業中に適宜紹介します. |
成績評価の方法 |
期末試験(70%),2回の確認レポート(20%),数回実施する出席確認(10%)を総合的に評価して成績を決定します.難易度については備考2(過去3年間の成績分布)を参照して下さい. |
教員から一言 |
ソフトウェアを用いた計算だけならすぐに実行でき,手順を間違えなければ分子軌道の表示も簡単です.しかし,研究手段として役立てるためには,分子軌道法計算ソフトウェアはどんな仮定のもとに何を計算しているのか,計算精度を上げる手法とは具体的に何をどうしているのか,などを理解することが大切です. |
キーワード |
分子軌道法,ハートリー・フォック法,Gaussian |
オフィスアワー |
備考1 |
備考2 |
過去3年間の成績分布は以下のとおりです. H29(2017) S 9%, A 46%, B 26%, C 15%, D 4% H28(2016) S 15%, A 43%, B 32%, C 6%, D 4% H27(2015) S 17%, A 48%, B 24%, C 5%, D 7% |
参照ホームページ |
開講言語 |
語学学習科目 |
更新日付 |
2018/09/18 14:44:00 |