科目名[英文名] | |||||
統計力学 [Statistical Thermodynamics] | |||||
区分 | 工学部専門科目等 | 選択必修 | 単位数 | 2 | |
対象学科等 | 対象年次 | 3~4 | 開講時期 | 前学期 | |
授業形態 | 前学期 | 時間割番号 | 023302 | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
下村 武史 [SHIMOMURA Takeshi] | |||||
所属 | 工学部 | 研究室 | メールアドレス |
概要 |
目的:熱力学で登場したエントロピー、自由エネルギーなどの諸物理量にミクロなレベルから観た描像を与えるとともに、古典力学では対応が困難な多粒子からなるあらゆる系における振る舞いを予測できるようにすることを目的とする。 概要:物質の熱的性質を分子レベルから考え、多くの例を通してミクロカノニカル・カノニカル・グランドカノニカル分布についてその使用法を習得する。毎回、講義の開始時に小テストを行い、到達度を確認しながら講義を進める。 |
到達基準 |
統計力学を実際に使いこなして、気体の運動、スピン(磁性)、高分子の形態などの諸物性を予測できるようになることを目標とする。 |
授業内容 |
1.統計力学の基礎 第1回:統計力学の考え方 理想気体の状態方程式の導出を例に、統計力学とはどのような学問なのか、熱力学との関係を理解する。 第2回:物理量の統計 再び理想気体の状態方程式の導出を例に、統計分布の扱い方について習得する(教科書1.1)。 第3回:等重率の原理と熱平衡 統計力学の大原則である等重率の原理および熱平衡の考え方について理解する(教科書1.2-1.3)。 第4回:エントロピーと温度 もう一つの大原則であるボルツマンの関係について習得し、エントロピー、絶対温度を定義する(教科書1.3)。 2.ミクロカノニカル分布 第5回:理想気体のエントロピー 三度理想気体の状態方程式の導出を例に孤立系に用いられるミクロカノニカル分布の適用法について習得する(教科書2.1-2.2)。 第6回: 理想気体の速度分布Ⅰ ラグランジェの未定係数法およびボルツマン分布について習得する(教科書2.3前半)。 第7回:理想気体の速度分布Ⅱ 前回の手法を用いてマクスウェルーボルツマンの速度分布の導出する(教科書2.3後半)。 第8回:局在した粒子系への応用 振動子の比熱、常磁性体の磁化率を例に 、ミクロカノニカル分布の適用法について習得する(教科書2.5)。 第9回:中間試験 これまで学習した内容を中間試験を通して、再確認する。 3.カノニカル分布 第10回:カノニカル分布 熱浴と接した系に用いられるカノニカル分布の適用法について習得する(教科書3.1-3.2)。 第11回:自由エネルギー ヘルムホルツの自由エネルギーの使い方について学び、熱力学のそれとの関係について理解する(教科書3.3-3.4)。 第12回:ギブスの自由エネルギー ギブスの自由エネルギーの使い方について学び、熱力学のそれとの関係について理解するとともに、二状態モデルを例にカノニカル分布の適用法を習得する(教科書3.5)。 4.グランドカノニカル分布 第13回:化学ポテンシャル 粒子浴と接した系を扱うための化学ポテンシャルの適用法について習得する(教科書6.1)。 第14回:グランドカノニカル分布 二成分系の相平衡、化学平衡について理解し、グランドカノニカル分布について習得する(教科書6.4-6.6)。 第15回:期末試験 これまで学習した内容を広汎に再確認する。 |
履修条件・関連項目 |
物理化学Ⅰを履修済みのこと。高校数学の順列と組合せを復習しておくこと。 |
テキスト・教科書 |
(岩波基礎物理学シリーズ)統計力学:長岡洋介(岩波書店) |
参考書 |
コンパクトにまとまっており、参考書としては役立つ アトキンス物理化学(下):19,20章(東京化学同人) これをこなせば統計力学は万全という演習書 大学演習熱学・統計力学:久保亮五(裳華房) |
成績評価の方法 |
小テスト、中間試験、期末試験で評価します。詳細は初回の講義で説明します。比率は 小テスト:20点 10回程度、1回のテストが約2点満点 未提出(欠席)1回につき3点減点、負の値はなし 中間試験:40点、期末試験:40点 |
教員から一言 |
数学的な煩雑さはあるものの、基本となる原理は単純です。また、熱力学におけるエントロピーといった馴染みにくい量に、ミクロなレベルでの解釈を与えてくれます。高分子物性の分野では必須の学問ですから、是非とも理解してください。 |
キーワード |
気体分子運動論 分配関数 分布関数 カノニカル分布 比熱 |
オフィスアワー |
開講日の昼休み |
備考1 |
Moodleから関連資料をダウンロードできます。 |
備考2 |
成績分布(ただしDは未受験等も含む) 2014年度 S 6% A 33% B 29% C 18% D 14% 2013年度 S 2% A 34% B 32% C 20% D 12% 2012年度 S 10% A 37% B 20% C 12% D 20% 2011年度 S 7% A 24% B 31% C 20% D 18% 2010年度 S 7% A 34% B 24% C 17% D 18% |
参照ホームページ |
Moodleのページを授業中にアナウンスします。 |
開講言語 |
日本語 |
語学学習科目 |
更新日付 |
2018/03/22 12:39:16 |