科目名[英文名] | |||||
フォトニクス [Photonics] | |||||
区分 | 工学部専門科目等 | 選択必修 | 単位数 | 2 | |
対象学科等 | 対象年次 | 3~4 | 開講時期 | 前学期 | |
授業形態 | 前学期 | 時間割番号 | 023608 | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
室尾 和之 [MUROO Kazuyuki] | |||||
所属 | 工学部 | 研究室 | メールアドレス |
概要 |
現代のフォトニクスは「光学」と「レーザー科学」を基礎に、めざましい発展をとげている。光技術は各種画像作成・記録、とともに高集積回路作製、光情報記録、光通信など現代の先端技術に広く応用されている。本講義は主として「光学」であり、幾何光学および波動光学を解説する。それぞれの基本原理とその発展を明らかにする。このような過程で、光の本性を理解することに重点を置き、物理的意味を明確にする。幾何光学は、光を光線で表し、媒質中の光の経路を求るものである。、直感的描像を得ることが容易で、また実用的にも重要である。波動光学は光の波動的性質に基く現象を扱う。ここで展開される考え方は光波のみに限らず、量子力学での物質波、固体中での励起状態などにも共通するのもである。 |
到達基準 |
光の性質について幾何光学と波動光学を通して理解する。 |
授業内容 |
I 幾何光学 (3回) 1.反射・屈折、 スネルの法則、 全反射;光の反射・屈折を例に、光線を定義。ついで幾何光学の基本原理、スネルの法則を説明する。 2.レンズ: 近軸近似による結像公式、組み合わせレンズ;結像を定義する。スネルの法則を用いて球面での屈折光の方向を導き、近軸近似のもとで結像すること、結像公式を示す。結像公式を用いて、各種のレンズ配置について結像を調べる。 3.レンズの性質:レンズを用いるうえで必要な特性を説明する。収差についても言及する。 II 波動(電磁)光学の基礎 (2回) 光学で必要となる、電磁波の性質について、主として講義「光・波動」を基に復習する。 1.電磁波:Maxwellから波動方程式、平面波 2.電磁波のエネルギー、光強度(Poynting Vector) III 干渉 (3回) 1.2光束干渉:波の重ね合わせ、ヤングの干渉、マイケルソン干渉;「波の重ね合わせ」を説明し、その帰結として「干渉」を理解する。波動光学の基本原理となることを強調する。 2.多光束干渉:ファブリー・ペロー干渉計;1.で得られた干渉の概念を確認しながら、「多光束干渉」の特徴を理解する。 3.光共振器: ファブリー・ペロー型光共振器、共振器のQ;多光束干渉の応用としての光共振器を説明。さらに、境界のもとでの波動の形態という観点から検討する。 IV 回折 (4回) 1.ホイヘンスの原理:回折の直感的理解 2.Fraunhofer 回折:光波の重ね合わせから回折像を導く。 3.回折と分解能:回折による結像のぼけを説明。回折限界を認識する。量子力学での不確定性原理との対応について言及。 V 反射・屈折-Fresnelの公式 (2回) 1.境界条件:電磁波に対して境界の及ぼす影響を説明。 2.反射・屈折:境界条件のもとで電磁波の伝搬を考察し、Fresnelの公式を導く。 |
履修条件・関連項目 |
2年次までの数学および「電磁気学」,「振動・波動」の知識を基礎としている。量子エレクトロニクス(3年後期)は関連する一連の講義である。 |
テキスト・教科書 |
テキストは指定しない。 |
参考書 |
Hecht 著「Optics,2nd Ed.」を推奨。また石黒浩三著「光学」(共立出版)、 久保田広「応用光学」(岩波全書)なども、それぞれ特徴のある参考書である。 |
成績評価の方法 |
幾何光学、波動光学、それぞれについて課題を出す。これらレポートと期末試験の成績をもとに評価する。レポート約25%、試験約75%の割合。 |
教員から一言 |
光学現象は日常的に体験できるものであり、光学技術は現代科学技術の諸分野で広く実用化されている。しかし、現代の学生は、光学理論を体系的に学習する機会には必ずしも恵まれてはいない。本講義では、光学を単なる古典的な理論体系としてではなく、現代科学技術の最先端につながるものとして取り上げる。 |
キーワード |
幾何光学,レンズの結像,波動光学,光波,干渉・回折 |
オフィスアワー |
備考1 |
備考2 |
参照ホームページ |
開講言語 |
日本語 |
語学学習科目 |
更新日付 |
2018/06/12 9:43:18 |