科目名[英文名] | |||||
量子力学Ⅱ [Quantum Mechanics Ⅱ] | |||||
区分 | 工学部専門科目等 | 選択必修 | 単位数 | 2 | |
対象学科等 | 対象年次 | 3~4 | 開講時期 | 後学期 | |
授業形態 | 後学期 | 時間割番号 | 023613 | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
鵜飼 正敏 [UKAI Masatoshi] | |||||
所属 | 工学部 | 研究室 | メールアドレス |
概要 |
量子力学Iまでに学んだ量子力学の数学的方法を発展させて三次元系の問題を理解するための基礎を学ぶ。具体的には、電子と原子核からなる水素様原子を例題とし、中心力場中の粒子運動の量子力学的記述と、その導出の概略を示し、この運動の概念を把握する。 |
到達基準 |
中心力場中の三次元シュレディンガー方程式を立てられること。 変数分離して一次元変数に対する微分方程式の問題に変形できること。 その三つの微分方程式の解法についての概要を理解できること。 球面調和関数の導出と内容を理解でき、それが角運動量に関する波動関数であることが理解できること。 中心力場の代表の一つであるクーロンポテンシャル場中の動径波動関数の導出と内容の概要を理解できること。 |
授業内容 |
1.シュレディンガー方程式の導出と物理的意味:量子力学1の復習と三次元系への拡張。 2.1電子原子のシュレディンガー方程式:2粒子系のハミルトニアンのおき方、固定座標系 から重心運動と相対運動への分離について。 3.中心力場におけるシュレディンガー方程式: a)中心力場の考え方と(θ,φ)運動の固有値が角運動量によって表せることについて。 b)重心座標系における相対運動の変数分離の方法について。 4.球面調和関数の解法: a)θ,φの変数分離、およびルジャンドル微分方程式について。 b)ルジャンドル多項式の例と性質、ルジャンドルの陪多項式について。 c)球面調和関数の例と性質について。 d)軌道角運動量と回転操作について(角運動量の導入)。 e)回転操作と角運動量演算子の関係について。 f)角運動量演算子の諸性質について。 5.動径波動関数の例と解法: a)クーロン場における有効ポテンシャル、その中での動径波動関数の漸近解。 b)ラゲール陪微分方程式への変形とその解(多項式関数)とエネルギー固有値について。 c)ラゲール微分方程式の固有関数について。 d)ラゲール陪微分方程式の固有関数について。 e)動径波動関数を用いたエネルギー期待値とボーアモデルの比較。 |
履修条件・関連項目 |
「量子力学入門」で示された諸現象の数学的基礎であり、「量子力学I」の発展であるため、本科目の理解にはこれらの必修科目を履修していることが必要である。ただし、履修登録条件ではない(単位を落としていても履修登録はできます)。 |
テキスト・教科書 |
なし。 |
参考書 |
B.H.Bransden & C.J.Joachain, Physics of Atoms and Molecules 2nd.Edition(2009,Prentice Hall)に準拠するが、完全に同一ではない。一般の量子力学の教科書にほぼすべて記載されている事項ばかりである。 |
成績評価の方法 |
宿題と学期末試験。 |
教員から一言 |
量子力学は、要素に分解して物事を理解するための物理学における一つの方法です。一見、複雑ではありますが、理解困難な理論ではなく、使用する数学も比較的平易です。複雑そうに見える表面に脅かされずに、量子Iで学んだ基本的な概念をもとに、紙と鉛筆をもって立ち向かえば、すんなりと進んでいけることにむしろ驚くことになると思います。ともかくやりましょう! |
キーワード |
三次元系、中心力場、水素様原子、球面調和関数、角運動量、ラゲール陪多項式 |
オフィスアワー |
随時。ただし、事前に連絡を取り、都合を尋ねるること。 |
備考1 |
備考2 |
参照ホームページ |
開講言語 |
日本語 |
語学学習科目 |
更新日付 |
2018/03/20 13:25:36 |