科目名[英文名]
オペレーションズ・リサーチ   [Operations Research]
区分 工学部専門科目等  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 34  開講時期 後学期 
授業形態 後学期  時間割番号 023816
責任教員 [ローマ字表記]
宮代 隆平   [MIYASHIRO Ryuhei]
所属 工学部 研究室   メールアドレス

概要
オペレーションズ・リサーチ(以下OR)とは,
「解きたい問題を分析・モデル化し,数理的な技術を活用してより良い解決策を導くための学問分野」です.
とはいっても,このままではわかりにくいので,一つの例を出します.

例えば,宅配便の配送を考えてみましょう.
あなたが宅配便のドライバーだとして,センターから100個の荷物をそれぞれの家に届けなければならないとします.
どのように家を回れば,最短距離でセンターに戻ってこれるでしょうか?

簡単な方法として,「熟練者に聞く」というものがあり,これも立派な解決策です.
ベテランドライバーの方は,勘と経験を生かして,最短なルートにかなり近いルートを出せることがわかっています.
しかし,いつでも熟練者が近くにいるとは限りませんし,熟練者になるためには多くの年月が必要です.

センターから一番近い家→その家に一番近い家→… というアルゴリズムも考えられます.
ですが,本当にそれが最短ルートなのでしょうか?

この問題は,「巡回セールスマン問題」と呼ばれる,ORの代表的な問題です.
現在では100点程度の巡回先ならば,ほんの数秒で真の最短ルートが求まってしまいます.
これにはヒューリスティクスや整数計画法という,ORの技術が活用されています.

現代社会には,様々な解きたい問題があふれています.
また情報工学の研究に限定しても,「何かをより良くしたい」という課題に取り組んでいることは多いと思います.
ORの授業では,いくつかの問題例を通して,「解きたい問題のモデル化,およびそれを解くための手法」を学び,将来の問題解決の役に立つようにします.

到達基準
この授業が終わったとき,以下が達成されていることが目的となります.
1.いくつかの問題に対して(試行錯誤/勘/経験の必要無しに)良い解を導く手法が存在することを知る
2.問題を数理的にモデル化し,またそれを解いて最適な解を求める方法を習得する
授業内容
一口にORと言っても,ORに含まれる分野は多数あり,また近年ではそれぞれの分野が巨大な体系となっているため,ORの全ての分野を授業で扱うのは困難です.

そのため,まずは比較的小さなトピックとして
・安定結婚問題
・スケジューリングの初歩(PERT)
などを扱い,ウォーミングアップとします.

また,授業の中盤からは,ORの大きな分野の一つである「数理計画」から,
・線形計画法
・整数計画法
というトピックを扱います.
ここでは,「与えられた問題を数理的にモデル化する方法」および「数理的なモデルからどのような仕組みで解を求めているか」を見ていき,EDENでソフトウェアを用いた実習も行う予定です.
これらの手法を知ることにより,解きたい問題がどのテーマから発生したかに依存しない,最適化のための汎用的なテクニックを身につけます.

また,不確実な現象を扱う分野から
・信頼性工学
・待ち行列
を簡単に扱います.
どちらのテーマも,情報処理技術者試験などでしばしば出てきます.

なお初回の授業では,ガイダンスとして成績の付け方などについて触れます.
履修条件・関連項目
テキスト・教科書
(購入しなければならないものは)特にありません.
参考書
オペレーションズ・リサーチの専門書はたくさんあるので,
要望があれば授業中に紹介します.
成績評価の方法
数回のテストおよびレポート(冬休みに1回)の合計で評価します.
初回の授業で詳しく説明します.
教員から一言
ORといってもいろいろあるのですが,主に「最適化」の観点からORを扱いたいと思います.
キーワード
オペレーションズ・リサーチ,最適化
オフィスアワー
授業終了後
備考1
授業に必要な連絡は,授業中もしくはEDEN掲示板上で行います.
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2018/03/20 16:48:07