科目名[英文名] | |||||
オペレーションズ・リサーチ [Operations Research] | |||||
区分 | 工学部専門科目等 | 選択必修 | 単位数 | 2 | |
対象学科等 | 対象年次 | 3~4 | 開講時期 | 後学期 | |
授業形態 | 後学期 | 時間割番号 | 023816 | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
宮代 隆平 [MIYASHIRO Ryuhei] | |||||
所属 | 工学部 | 研究室 | メールアドレス |
概要 |
オペレーションズ・リサーチ(以下OR)とは, 「解きたい問題を分析・モデル化し,数理的な技術を活用してより良い解決策を導くための学問分野」です. とはいっても,このままではわかりにくいので,一つの例を出します. 例えば,宅配便の配送を考えてみましょう. あなたが宅配便のドライバーだとして,センターから100個の荷物をそれぞれの家に届けなければならないとします. どのように家を回れば,最短距離でセンターに戻ってこれるでしょうか? 簡単な方法として,「熟練者に聞く」というものがあり,これも立派な解決策です. ベテランドライバーの方は,勘と経験を生かして,最短なルートにかなり近いルートを出せることがわかっています. しかし,いつでも熟練者が近くにいるとは限りませんし,熟練者になるためには多くの年月が必要です. センターから一番近い家→その家に一番近い家→… というアルゴリズムも考えられます. ですが,本当にそれが最短ルートなのでしょうか? この問題は,「巡回セールスマン問題」と呼ばれる,ORの代表的な問題です. 現在では100点程度の巡回先ならば,ほんの数秒で真の最短ルートが求まってしまいます. これにはヒューリスティクスや整数計画法という,ORの技術が活用されています. 現代社会には,様々な解きたい問題があふれています. また情報工学の研究に限定しても,「何かをより良くしたい」という課題に取り組んでいることは多いと思います. ORの授業では,いくつかの問題例を通して,「解きたい問題のモデル化,およびそれを解くための手法」を学び,将来の問題解決の役に立つようにします. |
到達基準 |
この授業が終わったとき,以下が達成されていることが目的となります. 1.いくつかの問題に対して(試行錯誤/勘/経験の必要無しに)良い解を導く手法が存在することを知る 2.問題を数理的にモデル化し,またそれを解いて最適な解を求める方法を習得する |
授業内容 |
一口にORと言っても,ORに含まれる分野は多数あり,また近年ではそれぞれの分野が巨大な体系となっているため,ORの全ての分野を授業で扱うのは困難です. そのため,まずは比較的小さなトピックとして ・安定結婚問題 ・スケジューリングの初歩(PERT) などを扱い,ウォーミングアップとします. また,授業の中盤からは,ORの大きな分野の一つである「数理計画」から, ・線形計画法 ・整数計画法 というトピックを扱います. ここでは,「与えられた問題を数理的にモデル化する方法」および「数理的なモデルからどのような仕組みで解を求めているか」を見ていき,EDENでソフトウェアを用いた実習も行う予定です. これらの手法を知ることにより,解きたい問題がどのテーマから発生したかに依存しない,最適化のための汎用的なテクニックを身につけます. また,不確実な現象を扱う分野から ・信頼性工学 ・待ち行列 を簡単に扱います. どちらのテーマも,情報処理技術者試験などでしばしば出てきます. なお初回の授業では,ガイダンスとして成績の付け方などについて触れます. |
履修条件・関連項目 |
テキスト・教科書 |
(購入しなければならないものは)特にありません. |
参考書 |
オペレーションズ・リサーチの専門書はたくさんあるので, 要望があれば授業中に紹介します. |
成績評価の方法 |
数回のテストおよびレポート(冬休みに1回)の合計で評価します. 初回の授業で詳しく説明します. |
教員から一言 |
ORといってもいろいろあるのですが,主に「最適化」の観点からORを扱いたいと思います. |
キーワード |
オペレーションズ・リサーチ,最適化 |
オフィスアワー |
授業終了後 |
備考1 |
授業に必要な連絡は,授業中もしくはEDEN掲示板上で行います. |
備考2 |
参照ホームページ |
開講言語 |
日本語 |
語学学習科目 |
更新日付 |
2018/03/20 16:48:07 |