科目名[英文名] | |||||
量子力学特論 [Selected Topics in Quantum Mechanics] | |||||
区分 | 工学部専門科目等 | 選択必修 | 単位数 | 2 | |
対象学科等 | 対象年次 | 4~4 | 開講時期 | 前学期 | |
授業形態 | 前学期 | 時間割番号 | 024602 | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
生嶋 健司 [IKUSHIMA Kenji] | |||||
所属 | 工学部 | 研究室 | メールアドレス |
概要 |
人類の世界観(古典論=局所的実在論)を覆し、ミクロな世界を理解するための新しい概念を記述する“量子論”。この理論体系の“不可思議さ”は今なお先端科学における興味の対象である一方、量子論が与える予言は現代エレクトロニクスやオプティクスの技術的ブレークスルーの源泉となっている。本特論では、量子論の基本的枠組みを概説し、具体的な問題を解くための方法論、特に摂動論と呼ばれる近似法を紹介する。 |
到達基準 |
(1)量子論の基本的仮定や理論枠組みを理解していること。 (2)量子力学の数学的背景を理解し、それを扱えること。 (3)具体的なモデルを近似して計算できること。 |
授業内容 |
授業内容 第1回 はじめに 授業の進め方。 古典的世界観の破綻。 古典論の基本的仮定と枠組み(局所実在論) 第2回 量子論の基本的仮定と枠組みI 状態、物理量とは 複素ヒルベルト空間 第3回 量子論の基本的仮定と枠組みII 測定とは Stern-Gerlachの実験 第4回 量子論の基本的仮定と枠組みIII Stern-Gerlachの実験 スピン演算子 離散固有値と連続固有値 第5回 量子力学における運動量 並進対称性 第6回 時間発展とシュレーディンガーの方程式 演算子の時間発展、期待値の時間依存性 シュレーディンガー描像とハイゼンベルグ描像 第7回 ポテンシャルとゲージ変換 重力ポテンシャル、電磁ポテンシャル、量子干渉 アハロノフ・ボーム効果 第8回 近似法(1):時間に依存しない摂動論 “摂動”という概念。 縮退が無い場合 第9回 近似法(2):時間に依存しない摂動論 縮退が有る場合 第10回 近似法(3):時間に依存しない摂動論 具体的問題(シュタルク効果など) 第11回 近似法(4):時間に依存する摂動論 相互作用表示 第12回 近似法(5):時間に依存する摂動論 2準位問題(NMR、メーザー) 第13回 近似法(6):時間に依存する摂動論 遷移確率 第14回 古典電磁場との相互作用 第15回 さいごに 量子論の本質・・・局所実在論とベル不等式 |
履修条件・関連項目 |
量子力学入門、量子力学I,IIの内容を理解していることを前提とする。 |
テキスト・教科書 |
現代の量子力学 J. J. Sakurai著 |
参考書 |
新版 量子論の基礎 清水明著 量子力学I ランダウ、リフシッツ著 |
成績評価の方法 |
小レポート or テスト数回(40点)と最終レポート or テスト(60点)の合計点で評価。 |
教員から一言 |
量子論は古典論とは数学的扱いはもとより、哲学さえ異なります。量子論によると、我々の世界(宇宙)は局所実在論(物体は観測せずとも存在し、その物理情報が光の速度を超えて伝達されることはない)という、物理学の根本原理と思われていた前提が破られうることを示しています。本講義で量子論の真髄の一端に触れたいと思います。そして、J. J. Sakurai著「現代の量子力学」レベルの本を独学できる助けになればと思っています。講義とともに、ぜひ読破に挑戦してください。 |
キーワード |
量子力学、複素ベクトル空間、スピン、摂動論 |
オフィスアワー |
備考1 |
備考2 |
参照ホームページ |
開講言語 |
日本語 |
語学学習科目 |
更新日付 |
2018/04/11 9:44:28 |