科目名[英文名]
機械システム特別講義(セラミック材料学)   [Special Lecture on Mechanical Systems]
区分 工学部専門科目等  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 34  開講時期 後学期 
授業形態 後学期  時間割番号 025517
責任教員 [ローマ字表記]
榎 学   [ENOKI Manabu]
所属 工学府 研究室   メールアドレス

概要
構造用セラミックスは、硬度、強度、化学的安定性に優れた材料であり、工業的に非常に重要となってきています。これらの特性を理解するためには、その結晶構造や作製方法に対する知見が必要です。そこでこの講義では、代表的なセラミックスの結晶構造や焼結などの製造方法を学び、さらに熱的特性、力学的特性、電気的特性などの特徴を知るとともに、それらの特性の発現機構を理解することを目指します。
到達基準
(1)種々の構造物・製品に利用されている構造用セラミックスの基礎的な特性を理解する。
(2)セラミックスの製造方法や力学特性・電気的特性の特徴を良く理解する。
(3)セラミックスを用いた適切な製品設計や使用にあたっての適切な選択ができる。

授業内容
第1回 セラミックスとは
他の材料と比較しながらセラミックスの代表的な特性を理解するとともに、それを応用した製品について学びます。
第2回 結晶構造
物質の原子レベルの結合について復習するとともに、代表的なセラミックスの結晶構造について学びます。
第3回 非結晶構造
結晶構造と比較しながら非結晶構造(ガラス構造)を理解するとともに、代表的な無機ガラスについて学びます。
第4回 格子欠陥
空孔・転位などの格子欠陥について理解するとともに、それらの欠陥が材料特性に及ぼす影響について学びます。
第5回 拡散
材料の作製において重要となる物質移動について理解するとともに、高温特性において重要な役割を果たす拡散について学びます。
第6回 粉末合成および焼結
バルクのセラミックスの作製において必要なる粉末の合成方法について学ぶとともに、その際の化学反応を理解します。粉末を用いたセラミックスの焼結機構・方法について学ぶとともに、得られる組織が特性に及ぼす効果について理解します。
第7回 熱的特性
セラミックスの特徴である高融点・低熱膨張率について学ぶとともに、その理由を結晶構造から理解します。
第8回 力学的特性
セラミックスの弾性特性と硬度特性について学ぶとともに、理論的な強度について理解します。強度特性の温度依存性について学ぶとともに、その変形・破壊機構を理解します。また、強度の統計的取り扱いであるワイブル分布についても学習します。
第9回 破壊靱性
き裂の力学について学び、応力拡大係数、エネルギー解放率の概念を理解します。また、破壊のクライテリオンと破壊靱性についても理解を深めます。
第10回 疲労特性
繰り返し負荷が加わった場合のき裂の進展特性を学ぶとともに、その環境による影響を理解します。
第11回 高温変形および熱衝撃
高温での変形機構である、クリープ変形および超塑性について学び、その発現機構を理解します。温度差により生じる熱応力について理解するとともに、熱衝撃破壊について学びます。
第12回 電気的特性
電気伝導について学ぶとともに、絶縁性、半導体、超電導について理解を深めます。
第13回 誘電的特性
結晶中の分極について学ぶとともに、誘電性、圧電性、焦電性、強誘電性の発現機構を理解します。
第14回 磁気的特性
常磁性と強磁性について学ぶとともに、誘電磁性と自発磁性についても理解を深めます。
第15回 最終試験
履修条件・関連項目
金属材料の組織および各種性質の知識があることが望ましいです。
テキスト・教科書
参考書
「セラミック材料学」佐久間健人著(海文堂)、「セラミックスの力学的特性評価」西田俊彦・安田榮一編著(日刊工業新聞社)、「マテリアルの力学的信頼性」榎学著(内田老鶴圃)
成績評価の方法
出席(30点)、期末試験(70点)。
教員から一言
セラミックスは工業用材料として非常に重要ですので、是非受講を薦めます。
キーワード
セラミックス、結晶構造、焼結、熱的特性、力学的特性、機能特性
オフィスアワー
備考1
備考2
S 10%, A 40%, B 30%, C 20%, D 0%
S 10%, A 40%, B 30%, C 20%, D 0%
S 10%, A 40%, B 30%, C 20%, D 0%


参照ホームページ
開講言語
語学学習科目
更新日付
2018/09/25 10:28:51