科目名[英文名]
生物制御科学特論Ⅲ   [Special Lecture on Bioregulation and Biointeraction Ⅲ]
区分 共通科目  選択必修   単位数 1 
対象学科等   対象年次 1  開講時期 前学期 
授業形態 前学期  時間割番号 05MC5403
責任教員 [ローマ字表記]
五十嵐 雅之, 夏目 雅裕   [NATSUME Masahiro]
所属 農学府 研究室   メールアドレス

概要
薬を如何に創るかを微生物由来の天然物、特に抗生物質研究を中心に紹介する。天然物創薬は応用微生物学、発酵学、天然物化学、微生物遺伝学等の多くの農学分野の学問が重要な位置を占めており、複合分野としての重要性を紹介したい。
到達基準
応用微生物学、発酵学、天然物化学、微生物遺伝学等の総合学としての理解ができる。
公衆衛生や世界経済等の視点からの薬剤耐性の問題の理解、説明ができる。
天然物創薬研究の方法論の理解ができる。
授業内容
 日本では、古くより醸造、アミノ酸発酵を基にした天然物発酵技術の蓄積があり、日本で発見開発された発酵天然物は世界で使用される薬を多く創出している。天然より得られる薬は、優秀なmedicinal chemistでさえ考えられない多彩な構造と強い特徴的な生物活性を持つ化合物が得られる。発酵天然物は、感染症やがんをはじめ高脂血症や臓器移植等の医療に用いられ医薬品として現在重要な位置を占めている。今日の化学療法を支える抗生物質について、薬を如何に創るかを微生物ハントから最適化までの薬の探索研究がどのようなものであるかを紹介する。薬剤耐性の問題は、近年、世界の公衆衛生や世界経済に対する大きな驚異として捉えられるようになってきている。現在進められている天然物創薬の取り組みの例として、超多剤耐性結核薬並びに超多剤耐性グラム陰性菌に有効な抗生物質の開発研究についても紹介する。
<内容見出>
1. Introduction―
 天然物からの創薬
2. 抗生物質とは
      抗生物質学の位置づけ
抗生物質発見の歴史と概説
薬剤耐性
3. 抗生物質の探索
     抗生物質生産菌の分離・培養
スクリーニング
抗生物質の抽出・精製
同定
4. 抗生物質の生物活性
    抗菌スペクトルおよび最小発育阻止濃度
抗生物質の作用機序
選択毒性および薬剤耐性
5. 抗菌性抗生物質の探索と開発
    最近の研究を例に
履修条件・関連項目
テキスト・教科書
使用しない
参考書
成績評価の方法
効果試験、提出物+α
教員から一言
微生物化学研究所で進められている天然物創薬の取り組みの例として、抗菌薬開発に向けた天然物スクリーニング並びにそれらの誘導化に関する研究についても話します。大学で学ぶ科目の実践として考えてください。
キーワード
微生物、放線菌、生理活性物質、抗生物質、薬剤耐性(AMR)、スクリーニング、創薬
オフィスアワー
備考1
備考2
参照ホームページ
http://www.bikaken.or.jp
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2018/03/28 16:11:10