科目名[英文名]
応用生命科学特論Ⅰ   [Special Lecture on Applied Life Science Ⅰ]
区分 共通科目  選択必修   単位数 1 
対象学科等   対象年次 1  開講時期 前学期 
授業形態 前学期  時間割番号 05ML5101
責任教員 [ローマ字表記]
大藤 道衛   [OHTOH Michiei]
所属 農学府 研究室   メールアドレス

概要
本講義では、各種遺伝子解析技術の特徴と医科学への応用についてヒト発癌機構の解析を中心に解説する。また、超高速DNAシークエンシング技術の現状、更には遺伝子医療、バイオ産業、遺伝子リテラシー教育など生命科学を取り巻く状況についても概説し、医科学研究における遺伝子解析技術の方向性について展望する。
到達基準
癌発生における遺伝的要因、環境要因を分子生物学的に理解できる。変異・多型解析、DNAメチル化解析に活用できる遺伝子解析技術の原理や特徴を説明できる。遺伝子解析技術の今後の方向性について考察できる。
授業内容
"1.疾患と遺伝子解析
癌の分子生物学ならびに、ヒトの発癌研究における遺伝子解析技術、DNA診断技術
ヒトの病気は、遺伝的要因ならびに環境的要因により起こる。ヒト大腸癌および胃癌を中心に遺伝性及び孤発性癌の発生機構をgeneticsならびにepigeneticsの側面から解説する。
更にgenetics、epigenetics解析に必要な変異・多型解析、メチル化解析などの手法を、それらの原理に基づいて分類し解説する。
1.1. 生命科学とゲノム
1.2. 疾患関連遺伝子
1.3. 癌とGenetics
1.4. 変異・多型解析手法
1.5. 癌とEpigenetics
1.6. DNAメチル化解析手法

2.難培養性細菌の菌叢解析
環境中には、培養条件が定まらない難培養性細菌が多数存在する。従来、疾患関連遺伝子の変異・多型解析に用いられてきた分子生物学的手法による難培養性細菌の菌叢解析について解説する。
2.1. 難培養微生物、難培養性細菌
2.2. 分子生物学的手法による難培養細菌叢解析
2.3. データ解析手法
2.4. メタゲノム解析概要

3.超高速シークエンサーと遺伝子解析の今後
超高速シークエンシング技術について概説し、ゲノムDNA、遺伝子発現解析、メタゲノム解析の現状と問題点ならびに今後の展望を解説する。
3.1. 超高速シークエンサーとゲノム科学
3.2. 1分子シークエンシング技術
3.3. 超高速シークエンサーの問題点と今後の展望

4.遺伝子医療と社会・教育
遺伝子医療ならびにバイオ産業の現状を踏まえ、生命科学・バイオテクノロジーの社会受容に重要な遺伝子リテラシー教育について解説する。
4.1. バイオ産業とベンチャー企業
4.2. 生命科学・バイオテクノロジーの国民理解と遺伝子リテラシー教育
履修条件・関連項目
分子生物学、遺伝子工学に関する基礎知識を前提とする。
テキスト・教科書
教科書は指定しない。講義資料を配布する。
参考書
Green MR and Sambrook J : “Molecular cloning A loboratory manual” 4th ed.by Cold Spring Harbor Laboratory press (2012)、Maria S. Poptsova 編、石井一夫、富田因則、丹生谷 博、大藤道衛 監訳:「ゲノム情報解析 -次世代シーケンサーの最新の方法と応用-」エヌ・ティー・エス(2016)
成績評価の方法
出席(40%)およびレポート(60%)により評価する。
教員から一言
生命科学は、技術の進歩に伴い発展してきました。解析技術の特徴を掴み、適切に選択することは研究推進の原動力です。本講義では、Genetics, Epigeneticsの側面からヒト癌の発生機構を説明するとともに、医科学研究に関連する遺伝子解析実験技術を解説します。取り上げる実験技術は癌や医科学研究のみならず、他の分野でも応用可能な技術です。研究分野が異なる受講者にも役立つ講義を提供します。
キーワード
Genetics、genomics、epigenetics、点変異、1塩基多型(SNP)、Digital PCR、マイクロ流路チップ、超高速シークエンサー、遺伝子リテラシー教育
オフィスアワー
講義終了後30分
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2018/03/28 18:14:49