科目名[英文名]
環境老年学特論Ⅲ   [Advanced Environmental Gerontology Ⅲ]
区分 専門分野科目  選択必修   単位数 1 
対象学科等   対象年次 1  開講時期 後学期 
授業形態 後学期  時間割番号 05ML5504
責任教員 [ローマ字表記]
重本 和宏, 上住 聡芳, 西河 淳   [SHIGEMOTO Kazuhiro, UEZUMI Akiyoshi, NISHIKAWA Atsushi]
所属 農学部 研究室   メールアドレス

概要
【この講義は、東京都健康長寿医療センター研究所の上住聡芳先生(第一部)と重本和宏先生(第2部)によって開講されます。】
開講日程:上住先生 10/9,10/10、3-4限目、重本先生 11/20,11/21、3-4限目
場所:どちらも6-21

【第一部】上住先生
骨格筋の幹細胞生物学と老化について概説する

【第二部】重本先生
サルコペニア (加齢性筋肉減少症) は高齢者のADL(activity of daily living)とQOL(quality of life) を損なう主要な原因です. すでに超高齢社会を迎えている我が国だけでなく欧米やアジアにおいても、サルコペニアは社会医学だけでなく生命科学の分野でも注目されています.サルコペニアの特徴は加齢による筋肉量低下と筋力低下ですが、実際に臨床や介護現場で有効に役立てることができる定義と診断基準のいずれについても確立されていないのが現状です. さらに、サルコペニアは遺伝因子と環境要因に加えて、エピジェネティックの変化など多様な老化促進因子が長時間重なっておきるため、その病態とメカニズムを解明することが難しいのです.本講義では、このような現状を踏まえて、サルコペニアを理解するために必要な基礎知識から最新の研究について理解した上で、問題点を議論できるようになることを目的とします.
到達基準
【第一部】上住先生
骨格筋の再生メカニズムとそれに関わる幹・前駆細胞群の特性、そして、骨格筋の老化であるサルコペニアとの関連を学び、理解する。

【第二部】重本先生
1) サルコペニアについて知る.
2) サルコペニアの社会的影響について考える.
授業内容
【第一部】上住先生
骨格筋は極めて高い再生能力を秘めた組織です。その再生は骨格筋の幹細胞である筋衛星細胞と呼ばれる細胞が担っています。しかし、筋疾患や老化などのいくつかの病態下では、筋再生が不全をきたし、筋の脂肪化(霜降り状態)が起こります。筋の脂肪化は筋衛星細胞とは別の間葉系前駆細胞という細胞に起因します。これらの幹・前駆細胞群の特性を学び、筋再生メカニズムを理解します。また、骨格筋の再生医療についても紹介します。さらに、骨格筋の老化であるサルコペニアとこれらの幹・前駆細胞群の関連についても考えます。
[内容(予定)]
・ 骨格筋の幹細胞と再生メカニズム
・ 骨格筋脂肪化のメカニズムと間葉系前駆細胞
・ 骨格筋の老化(サルコペニア)と幹・前駆細胞の関連

【第二部】重本先生
1)筋肉の機能とは.
2)どのような機構で筋は維持されているか.
3)加齢による筋萎縮について.
4)サルコペニアのメカニズム.
5)サルコペニア研究の今後の展開について.
履修条件・関連項目
特にない
テキスト・教科書
特になし
参考書
【第一部】上住先生
Myology (The McGraw-Hill Companies)、実験医学 増刊 Vol.36-No.7「超高齢社会に挑む骨格筋のメディカルサイエンス」(羊土社)

【第二部】重本先生
特になし
成績評価の方法
【第一部】上住先生
出席数及び講義の最後に行われる試験(レポート)により評価する.

【第二部】重本先生
出席数及び講義の最後に行われる試験(レポート)により評価する.
教員から一言
【第一部】上住先生
骨格筋の再生能力の高さは全身の組織の中でもトップクラスです。骨格筋が見せるこの複雑で巧みな生命現象の面白さをお伝えできればと思います。また、骨格筋の老化であるサルコペニアは健康寿命を短縮させる要因として問題となっていますが、サルコペニアについて一緒に考えたいと思います。
キーワード
骨格筋、幹細胞、再生医療、老化、サルコペニア、加齢性筋肉減少症、筋萎縮、糖鎖、老化、認知症
オフィスアワー
窓口教員を介して対応します
備考1
備考2
参照ホームページ
http://www.tmghig.jp/J_TMIG/J_index.html
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2018/10/06 20:04:44