科目名[英文名] | |||||
基礎統計学 [Introducing to Statistics] | |||||
区分 | 選択必修 | 単位数 | 2 | ||
対象学科等 | 対象年次 | 1~ | 開講時期 | 前学期 | |
授業形態 | 前学期 | 時間割番号 | 05MN5707 | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
奥田 武弘 [OKUDA Takehiro] | |||||
所属 | 農学府 | 研究室 | メールアドレス |
概要 |
自然科学分野の研究では、観測や実験で得られたデータを用いて自然の仕組みを理解することを目指す。自然の仕組みに関する仮説や予測を検証する際には、得られたデータから何を主張することができるのを慎重に検討する必要がある。この過程においてデータ解析は不可欠であり、データが持つ数値上の性質や規則性あるいは不規則性を見出す手法として統計学が用いられる。本講義では、統計的解析手法の基礎、および自然科学研究の遂行において重要となる事柄について取り扱う。 |
到達基準 |
自然科学における学術論文を執筆する上で最低限必要とされる統計的解析手法、および関連事項に関する知識を習得して、高水準な統計リテラシーとデータリテラシーを身につける。受講生は、以下の項目を達成することが求められる。 1) 統計学の基礎を理解し、自身の研究における仮説や予測を検証する際に適切な統計的解析手法を選択することができる。 2) データ解析に用いる予定の統計的解析手法を適切に実行するため、必要十分なデータを得られる観測や実験計画の立案をすることができる。また、観測や実験で得られたデータを、統計的解析手法に用いる上で適切な形式に整形処理することができる。 3) 統計ソフトウェアRを用いて統計解析を実施し、解析結果を表やグラフによって適切に提示することができる。 |
授業内容 |
第1回 授業のオリエンテーション 講義の進め方、および講義の概要を把握する。 【課題】Rのインストール(締め切り:講義終了後2週間以内) 第2-3回 統計解析の前に:適切な計画立案とデータ処理 提示された研究テーマを遂行するために必要な観測・実験方法を計画し、得られたデータを解析するための適切な統計解析手法を検討する過程を学習する。また、得られたデータの適切な整形処理を行うために、『整然データ』という概念を学習する。データの全体像を俯瞰できるようなグラフの作成を通じて、データそのものが持つ特徴を把握して、計画した統計解析手法が適切に実行できるか検討を行い、必要に応じて観測・実験・解析手法の修正を検討する過程を学習する。 【課題】卒業研究の概要・修士論文のテーマを記述(締め切り:講義終了後2週間以内) 第4-5回 統計学の基礎知識 統計学の基礎を学習する。基本統計量、統計学的検定、検定統計量、統計モデル、確率分布など、適切な統計解析の実行に必要な知識を学ぶ。 【課題】統計学の基礎知識に関する記述(締め切り:講義終了後2週間以内) 第6-7回 Rによるデータハンドリングと作図 Rを用いた仮想データの作成とそのデータの編集方法、および作図方法について学習する。 【課題】Rを用いた仮想データの作成・作図演習(締め切り:講義終了後2週間以内) 第8-9回 ダメな統計学 一流の科学誌ですら散見される、科学の世界での統計の誤用について学習する。 【課題】仮説の検証に必要なデータの検討(締め切り:講義終了後2週間以内) 第10-11回 Rを使った統計解析:統計モデリング Rを用いた統計モデル構築の方法、および解析の結果出力される各種統計量の読み取り方とその意味を学習する。また、統計解析の結果が研究目的の達成において適切であるか検討する過程と、解析手法を改良する際の候補となる発展的な統計解析手法を学習する。一般化線形モデル(GLM)を中心とした内容を予定しているが、受講者の知識・到達度に応じて適宜調整する予定である。 【課題】解析演習1:GLM(締め切り:講義終了後2週間以内) 第12-13回 Rを使った統計解析2:多変量解析 Rを用いた多変量解析の実施手法を学習する。データ構造と解析の目的に対応した、適切な多変量解析手法を実施するために必要な知識を学ぶ。 【課題】解析演習2:多変量解析(締め切り:講義終了後2週間以内) 第14-15回 解析の説明と結果の提示 学術論文において、どのような解析手法を使ったかということを適切に記載する際に必要な知識を身に着ける。また、解析結果を表す際の図表の適切な提示の仕方について学ぶ。 【最終課題】学術論文の形式でレポート作成(締め切り:7月20日) 各講義の内容の資料(スライドなど)は事前に配布するので、予習して授業にのぞむことを推奨する。 |
履修条件・関連項目 |
「確率・統計」を含む、高校数学の範囲を理解している必要がある。そうでない学生は、自習してから講義にのぞむこと。 |
テキスト・教科書 |
特に設定しない。講義に使う資料は適宜用意し、事前配布する。 |
参考書 |
【統計解析】 Rで楽しむ統計(Wonderful R 1) 奥村 晴彦 共立出版 ダメな統計学 A. ラインハート(西原史暁 訳) 勁草書房 データ解析のための統計モデリング入門 久保 拓弥 岩波書店 はじめてのパターン認識 平井 有三 森北出版株式会社 Rで学ぶデータサイエンス2:多次元データ解析法 中村 永友 共立出版 多変量データ解析法:心理・教育・社会系のための入門 足立 浩平 ナカニシヤ出版 【統計ソフトウェアR関連】 The R Tips 舟尾 暢男 オーム社 R言語逆引きハンドブック 改訂3版 石田 基広 シーアンドアール研究所 Rグラフィックス Paul Murrell (久保拓弥 訳) 共立出版 グラフィックスのためのRプログラミング―ggplot2入門― H. ウィッカム(石田 基広、石田 和枝訳) 丸善出版 【研究の進め方・論文の書き方】 これから論文を書く若者のために 酒井 聡樹 共立出版 |
成績評価の方法 |
毎回の小課題60%、最終講義後に課すレポート40% 【2017年度成績分布】S:25%、 A:25%、 B:12.5%、 C:25%、 D:12.5%、 E(履修取消):0% |
教員から一言 |
本講義では、一般化線形モデル(GLM)を統計ソフトウェアRで適切に実行することを達成目標の1つとして設定している。しかしながら、大学院生は統計解析に関する知識がばらつくことも予想できるため、各自の学習状況に応じて柔軟に対応する予定である。 |
キーワード |
統計解析、データ処理、統計リテラシー、データリテラシー、整然データ、プログラミング、統計モデリング |
オフィスアワー |
要望に応じて講義の前後に設定する。また、e-mailなどによる質問などは随時受け付けている。 |
備考1 |
講義日程は下記を予定している。 4/13:第1〜3回、4/27第4〜7回、5/18第8〜11回、6/1第12〜15回 |
備考2 |
参照ホームページ |
開講言語 |
日本語 |
語学学習科目 |
更新日付 |
2018/03/23 18:29:41 |