科目名[英文名] | |||||
超伝導工学 [Advanced Superconductivity] | |||||
区分 | 前期課程科目 | 選択必修 | 単位数 | 2 | |
対象学科等 | 対象年次 | ~ | 開講時期 | 後学期 | |
授業形態 | 後学期 | 時間割番号 | 1060410 | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
内藤 方夫 [NAITO Michio] | |||||
所属 | 工学部 | 研究室 | メールアドレス |
概要 |
「超伝導」は、導体の電気抵抗が低温で消失する現象である。超伝導現象がカマリーン・オンネスによって初めて発見された1911年から、バーディーン・クーパー・シュリーファー(BCS)理論によって微視的な機構が解明される1957年までに、ほぼ50年の年月を要している。この歴史からも推測されるように、超伝導現象の真髄ともいうべき「BCS状態」は、理解が容易ではない。BCS状態の理解を難しくしているのは、第2量子化表示を用いた量子力学が必要であることばかりでなく、「巨視的波動関数」という実感しにくい量を取り扱わなければならないところにある。前期課程の「超伝導工学」では、超伝導という現象の基礎を大まかに把握するとともに、BCS状態の本質を理解することを目的とする。 |
到達基準 |
授業内容 |
超伝導とは (1)いろいろな超伝導物質(元素超伝導体、化合物超伝導体、酸化物超伝導体) (2)ゼロ抵抗とマイスナー効果(臨界磁場) (3)超伝導転移の熱力学とランダウの相転移理論(磁性体・誘電体と超伝導体のアナロジー) (4)超伝導の秩序パラメータとは?(不可解な物理量、巨視的波動関数と位相) 電子とフォノン (5、6)金属中の電子(自由電子モデル、電子の第2量子化表示と反交換関係、フェルミ統計とフェルミ分布、フェルミエネルギー、誘電応答とスクリーニング) (7、8)フォノン(格子振動、振動の量子化、フォノンの第2量子化表示と交換関係、ボース統計とボース分布) (9、10)電子-格子相互作用(ポアッソン方程式にもとづく相互作用の導出、第2量子化表示のハミルトニアン、電気抵抗、フォノンを媒介とした電子間引力とクーパー対) BCS理論 (11)BCSモデル(粒子数を保存しない不思議な状態、電子波の位相) (12、13)BCSハミルトニアンの基底状態(超伝導ギャップの存在、クーパー対波動関数、臨界磁場) (14、15)BCSハミルトニアンの励起状態(ボゴリューボフ変換、臨界温度の導出) |
履修条件・関連項目 |
履修条件ではないが、学部の電磁気学A・B、量子力学IA・IB・IIA・IIB、熱統計力学I・II、固体物理A・B、さらに、大学院の応用電磁気学、応用量子力学、応用熱統計力学を履修しおくことが望ましい。 |
テキスト・教科書 |
教科書はなし。 |
参考書 |
和書では、中嶋貞雄「超伝導入門」、洋書では、M. Tinkham, "Introduction to Superconductivity", (McGraw-Hill, ISBN 0486435032),P. G. De Gennes, "Superconductivity of Metals and Alloys", (Perseus Books, ISBN 0738201014)。いずれも、入門書でないし、読破は容易ではない。 |
成績評価の方法 |
期間で2回課すレポート課題(各30%)および期末試験(40%)の総合点により成績を評価する。 |
教員から一言 |
超伝導は難しい学問である。それを克服するには、「超伝導に対する憧れ」と「超伝導を理解しようとする強い気持ち」が必要。 |
キーワード |
超伝導 電子 フォノン クーパーペア BCS理論 |
オフィスアワー |
講義曜日の13:00〜15:00。オフィスアワー以外も質問は受け付ける。 |
備考1 |
備考2 |
参照ホームページ |
開講言語 |
日本語 |
語学学習科目 |
更新日付 |
2018/09/17 14:58:45 |