科目名[英文名]
熱伝達システム特論   [Advanced Heat Transfer Systems]
区分 後期課程科目  選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次   開講時期 後学期 
授業形態 後学期  時間割番号 1080311
責任教員 [ローマ字表記]
岩本 薫   [IWAMOTO Kaoru]
所属 工学部 研究室   メールアドレス

概要
身の回りの流れのほとんどである乱流に関する基本的な事項を取り上げる.乱流は,三次元・無限自由度・非定常・不安定・非線形・散逸を伴う力学系である.粘性流体の基礎方程式が19世紀前半に確立されたにも関わらず,上記の特徴により乱流現象には現在においても未解決の現象が多い.一方,乱流および付随する伝熱,拡散,音,燃焼などの様々な乱流現象は,産業分野あるいは環境に関わる諸問題において重要な因子である.今後は乱流を応用し,あるいは乱流現象を制御して新しい技術を創成することが望まれる.特に乱流制御によってもたらされる新たな技術革新への期待,即ち剥離や流れ構造の制御,流体力の制御,騒音低減,伝熱・拡散制御,反応制御などによって可能となる,新技術開発,環境問題軽減への大きな期待がある.
本講義では,まず速度場における乱流基礎統計量,及び乱流準秩序構造の基礎を学ぶ.次に,乱流熱伝達に関する基礎統計量,温度場の構造について理解する.最後に,乱流及び伝熱の制御に関する基本的な事項を取り上げる.
到達基準
乱流の基礎的な性質を理解する.さらに,既存の乱流制御の手法を理解し,内包されている乱流現象を把握する.
授業内容
<速度場における乱流基礎統計量,及び乱流準秩序構造>
第01回 概論,基礎方程式,平均速度分布 (配布資料p.1〜50)
第02回 乱流強度分布,速度変動のSkewness, Flatness分布 (配布資料p.51〜69)
第03回 レイノルズ応力分布,壁面摩擦係数 (配布資料p.70〜91)
第04回 速度の2点相関係数,乱れエネルギー・レイノルズ応力の収支 (配布資料p.92〜108)
第05回 渦構造,ストリーク構造 (配布資料p.109〜137)
第06回 数値計算手法,無次元数,大規模構造,構造間の力学的相互作用 (配布資料p.138〜165)
第07回 圧力分布,パワースペクトル分布,及び2点相関係数との関係 (配布資料p.166〜194)
第08回 Pre-multipliedパワースペクトル分布,不変量マップ (配布資料p.195〜236)

<乱流熱伝達に関する基礎統計量,温度場の構造>
第09回 温度場の構造,温度分布 (配布資料p.237〜258)
第10回 乱流熱流束分布,Nu数と乱流熱流束分布の関係 (配布資料p.259〜288)
第11回 温度の2点相関係数とパワースペクトル分布,エネルギー,乱流熱流束の収支
(配布資料p.289〜308)
<乱流及び伝熱の制御>
第12回 乱流制御法の分類,受動制御(乱流促進体,噴流) (配布資料p.309〜354)
第13回 受動制御(リブレット,コンプライアント表面,超撥水面,羽毛・柔毛)
(配布資料p.355〜386)
第14回 能動制御(バブル,ポリマー・界面活性剤,噴流,状態フィードバック制御,制御デバイス)
(配布資料p.387〜442)
第15回 期末試験
履修条件・関連項目
基礎数学,物理学の知識が必要.流体力学I,Ⅱ,熱流体演習は履修していることが前提となる.
テキスト・教科書
資料(PDF)配布.履修予定者は岩本まで昨年度の資料を初回講義前のオフィスアワー内に受け取りにくること.
参考書
笠木伸英総編集「乱流工学ハンドブック」朝倉書店
日野幹雄著「流体力学」朝倉書店
藤原仁志,荒川忠一訳「乱流入門」東海大学出版会
木田重雄,柳瀬眞一郎著「乱流力学」朝倉書店
成績評価の方法
レポートを3回(15点×3)と期末試験(55点)により成績を評価する.
教員から一言
キーワード
流体力学,伝熱工学,乱流,制御
オフィスアワー
平日の昼休み
備考1
備考2
参照ホームページ
http://iwamoto.lab.tuat.ac.jp
開講言語
語学学習科目
更新日付
2018/03/22 12:58:12