科目名[英文名] | |||||
植物生態学 [Plant Ecology] | |||||
区分 | 選択必修 | 単位数 | 2 | ||
対象学科等 | 対象年次 | 3~ | 開講時期 | 1学期 | |
授業形態 | 1学期 | 時間割番号 | 01AN3309 | ||
責任教員 [ローマ字表記] | |||||
藤井 義晴, 岡崎 伸, 桂 圭佑 [FUJII Yoshiharu, OKAZAKI Shin, KATSURA Keisuke] | |||||
所属 | 感染症未来疫学研究センター | 研究室 | メールアドレス |
概要 |
「農業に役立つ植物生態学」を講義する。植物が多様に変化し、多くの種を作ったことを、適応進化と生物間相互作用をキーワードに講義する。具体的な植物やそのすみか、すみわけ方を紹介しながら、生物多様性の意義と保全方法について講義する。具体的な植生調査法を説明し、生物多様性に影響を与える外来生物の最近の問題についても紹介し、生物多様性を維持しながら、農業に役立つ植物を導入する方法を講義する。植物化学生態学とアレロパシーについてやや詳しく紹介し、農業と関係が深い雑草生態学、有機農業、および種子の生態学についても概説する。 |
到達基準 |
【目標】 1)生態学の基礎である「適応進化」と「生物間相互作用」について理解する。 2)生物の価値であり農業の基盤となっている「生物多様性」について理解する。 3)作物-雑草群落を中心に、群落の構造と具体的な植生調査の方法を学ぶ。 4)生物多様性に影響を与える外来生物の問題について理解し、生物多様性を維持しながら、農業に役立つ植物を導入する方法を考える。 5)遺伝子組換え作物が生態系に及ぼす影響に関する研究と問題点を理解する。 6)化学生態学とアレロパシー、雑草の生態学と種子の生態学についても理解する。 7)生態学のような比較的新く切り開かれた分野に学び、自分で新たな分野を切り開く方法を探る。 |
授業内容 |
第1回 イントロダクション(授業全体の概説、目標について)+植物生態学の歴史・概念・方法 毎回、授業内容に関係したミニクイズを出題し、出席票に書いて授業後に提出してもらい出席点に加点する。 第2回 植物のかたち、生活形(ロゼット植物、ほふく植物、つる植物、着生植物、多肉植物、塩生植物など)・・・学生による予習と研究発表を歓迎する 第3回 植物群落の構造、植物群落解析法、植生調査法(コドラート法・・・コドラート法による実際の植生調査をレポート課題として課す。5月の連休等を利用して各自で植生調査を実施し、5月30日までに提出したものにレポート点を与える。 第4回 植物群落の遷移、一次遷移と二次遷移、遷移度、遷移機構 第5回 植物のすみか、環境に応じた植物の形態、植物気候 第6回 植物のすみわけ、植物地理学、日本の植生帯、世界の植生帯、空間的すみわけ、季節的すみわけ 第7回 生物多様性、その進化的根拠、生物多様性の危機、生物多様性の回復方法、生物多様性の利用・・・植生調査の結果を元に、多様性指数の計算をレポートとして課す。提出期限は6月19日とする。 第8回 生物間相互作用、多種の共存を可能にする原理、植物統計生態 第9回 化学生態学、アレロパシー、植物間相互作用と農業 第10回 植物の生態的進化、種内関係と進化、種外関係と進化、植物の適応と進化 第11回 雑草の生態学、遺伝子組換え作物と除草剤抵抗性雑草が生態系に及ぼす影響 第12回 外来生物の問題、侵略的外来植物、帰化植物、外来植物のリスク評価と蔓延防止法 第13回 植物生態学と農業、農業生態系と有機農業、草地生態系 第14回 都市の植物とその生態、植物生態学の将来 第15回 試験(講義全体を復習し、これからの農林水産業・自然環境、国立公園の保全などに植物生態学をどのように生かすかについての試験) |
履修条件・関連項目 |
TAT科目の「生態学」と関連がありますがこれを履修していなくても問題ありません。 |
テキスト・教科書 |
指定しませんが、参考書を読むことを勧めます。その他の関連図書は授業中に紹介します。教材はプリントしたりMoodleに掲載することがあります。 |
参考書 |
植物生態学論考(沼田真、東海大学出版会)、植物たちの生(沼田真、岩波新書)、植物たちの静かな戦い(藤井義晴、化学同人)、植物生態学(朝倉書店)、生態学入門(日本生態学会(編)、東京化学同人)、保全生態学入門(鷲谷いづみ、矢原徹一、文一総合出版)、生物進化を考える(木村資生、岩波新書)、生態学から見た自然(吉良竜夫、河出文庫)、鎮守の森(宮脇昭、新潮文庫)、アレロパシー(藤井義晴、農文協)、 |
成績評価の方法 |
授業参加度/理解度(毎回ミニテストを出して理解度を採点します)(30%)、試験(50%)、植生調査を行ってもらいそのレポートと講義内容から理解した問題に関するレポート(合計20%)を考慮して総合的に判断する。昨年度の成績分布は、Sが9%、Aが72%、Bが14%、Cが3%。 |
教員から一言 |
毎回のコメントペーパーに質疑を歓迎します。質問に関しては次回の講義時にできるだけ回答します。良い質問をした人、レポートを提出した人、予習・復習をよく行って充実したレポートを提出した人にはボーナス点を与えます。 |
キーワード |
農業生態学、適応進化、植物のすみかとすみわけ、生物間相互作用、生物多様性、植生調査、外来植物、雑草、種子の生態学、生活形 |
オフィスアワー |
水曜の16:00〜18:00(授業のある日の夕方、2N-405室に来訪してもよい)。講義後E-メール(yfujii@cc.tuat.ac.jp)での質問も受け付ける。 |
備考1 |
備考2 |
参照ホームページ |
http://www.niaes.affrc.go.jp/techdoc/inovlec2004/1-3.pdf |
開講言語 |
日本語 |
語学学習科目 |
更新日付 |
2020/01/30 22:02:57 |