科目名[英文名]
栄養化学Ⅱ   [Nutritional Chemistry Ⅱ]
区分   選択必修   単位数 2 
対象学科等   対象年次 3  開講時期 3学期 
授業形態 3学期  時間割番号 01BN3135
責任教員 [ローマ字表記]
三浦 豊   [MIURA Yutaka]
所属 農学部 研究室 1号館208号室  メールアドレス

概要
3年生前期に履修した栄養化学1の内容をさらに発展させ、我々ヒトを含めた高等動物の代謝調節経路について、ホルモンなどの内分泌経路との関連を中心に解説する。また、代謝異常が契機となり発症する糖尿病、脂質異常症、メタボリックシンドロームについて発症機構や治療法について解説し、食生活に関連した疾病について理解を深めることを目的とする。また近年明らかになりつつある栄養素によるエピジェネティックスの制御に関しても紹介する。本科目は学科専門科目に位置付けられる。
到達基準
食事として摂取した栄養素が体内でどのように代謝されていくのか、またその調節がどのように行われているのか、さらに代謝調節がうまくいかなくなることでどのような疾病が起きるのかについてきちんと理解できるレベルに達することを目標とする。
学科のディプロマポリシーのAおよびBを満たすことが目標となる。
授業内容
講義は以下の内容で進めていく。

第1回 イントロダクション(栄養学、生理学とは、生体恒常性の維持とは)
 生体恒常性維持と栄養との関連を解説する。
第2回 細胞間情報伝達様式について(内分泌系とは)
 細胞間の情報伝達の様式を解説し、その中での内分泌系の位置づけを解説する。
第3回 ホルモンの定義、分類、性質
 ホルモンの定義、分類を解説し、それぞれの性質を説明する。
第4回 ホルモンの構造と生合成経路
 ホルモンの化学的構造と生合成経路を各ホルモンについて解説する。
第5回 細胞内情報伝達経路について1
 ホルモンが細胞内に情報を伝達する様式のうちGタンパク質共役型受容体からのシグナル伝達を説明する。
第6回 細胞内情報伝達経路について2
 ホルモンが細胞内に情報を伝達する様式のうち、受容体チロシンキナーゼを起点とするシグナル伝達を解説する。
第7回 インスリン・インスリン様成長因子と栄養
 インスリンとインスリン成長因子が栄養現象とどのようにかかわっているかを解説する。
第8回 糖代謝と糖尿病1(病態、発症機構)
 糖代謝異常に起因して発症する糖尿病について、分類、病態、発症機構を解説する。
第9回 糖代謝と糖尿病2(治療法、治療薬)
 糖尿病の治療法、治療薬について詳細に解説する。
第10回 メタボリックシンドローム1(メタボリックシンドローム、肥満とは)
 代謝異常に起因するメタボリックシンドロームの概要と肥満との関連を解説する。
第11回 メタボリックシンドローム2(エネルギー代謝、食欲調節)
 メタボリックシンドローム発症に関与しているエネルギー代謝調節機構、食欲調節機構について解説する。
第12回 真核生物における遺伝子発現調節機構1(基本転写因子、転写因子)
 ステロイドホルモンの作用機構を理解する上で重要な真核生物における基本転写装置の仕組みを解説する。
第13回 真核生物における遺伝子発現調節機構2(ステロイドホルモン作用機構)
 ステロイドホルモンの作用機序を分子レベルで解説する。
第14回 免疫系について(サイトカインの生理作用とシグナル伝達)
 ホルモンとは異なるサイトカインの生理作用の特徴とそのシグナル伝達経路を解説する。
第15回 栄養素によるエピジェネティクス制御
 栄養によるエピジェネティクス制御の仕組みとその生理的意義を解説する。
履修条件・関連項目
履修条件は特にないが、生化学1から生化学3と栄養化学1を履修していることが望ましい。
テキスト・教科書
健康栄養学―健康科学としての栄養生理化学― 小田裕昭・加藤久典・関泰一郎編、共立出版
講義時に配布するプリント、適宜パワーポイントを用いる。
参考書
分子生物学講義中継part 1 - part 3 井出利憲著 洋土社
エッセンシャル細胞生物学(原著第2版) 中村桂子・松原謙一監訳 南江堂
成績評価の方法
講義への参加状況及び最終試験により評価する。参加状況(10%)と試験(90%)の比率とする。
教員から一言
食生活と病気は密接に関係しています。本講義が自らの生活を見直すきっかけになることを期待します。
キーワード
ホルモン、細胞内情報伝達経路、糖尿病、脂質異常症、メタボリックシンドローム
オフィスアワー
毎週講義前の昼休み(1時間)と講義終了後の1時間とする
備考1
備考2
参照ホームページ
開講言語
日本語
語学学習科目
更新日付
2019/02/28 0:32:57